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第118話 シルビア、食べ終わったら出発しよう!

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

感謝です。


ふぅ、と一息入れて、

「とにかく、明日あのダークエルフと一緒に夜の王を探しに行ってくるよ」

俺はそう言って、明日の準備に取り掛かる。

嫁はブツブツ言っているが放置。

もう、言葉を交わすのもしんどくなってきた。

この嫁は、お金を基準にしか考えれないのだろうか。

いや、もし俺が多く稼いでも、それなりの生活をして同じだろうな。

見えるものでしか判断できないのだろう。

見えないものの力や補助がわからない人種なんだろうと思う。

そういえば、嫁は凛にパパと結婚したことを後悔しているとか話してたと言ってたよな。

凛がどうしてパパはママと結婚したの?

ママはパパと結婚して失敗したって。

凛がそんなことを言って俺に聞きに来たことがあった。

俺はそれを聞いたときに、こいつはアホだと確信した。

今の視点で過去をみれば、誰でも後悔するぞ。


お義母さんは、やや困ったような顔をしていた。

いやいや、あんたの娘なんですからね。

もう少し、無駄なことをしないように教えておいてもらいたかったですけど。

はい、心の声です。


俺は出発の準備に注意を向ける。

持って行くものといっても、刀と少しの食事だけだな。

生活魔法もあるし、調理ならできる、できるようになった。

あ、フライパンだけは持って行こう。

俺がネットで買った南部鉄器のフライパンだ。

俺の血液は年中鉄不足らしいからな。

後は、しょうゆがあれば、何とかなる。

・・・

嫁さん・・自分のことは自分で考えてくれ。


さて、軽く横になるか。

・・・・

・・

時間は4時頃だろう。

俺は目が覚めたので、身支度を整えて1階へ下りて行く。

2階の家族は全員寝ている。


1階では、ばあちゃんは起きていて、朝ご飯の支度をしていた。

「おはよう、テツ」

「あ、おはよう、ばあちゃん。 早いね」

俺が声を掛けると、いつも通りだよとばあちゃんは微笑む。

ばあちゃんは味噌汁を作っていた。

朝からお疲れさまです。


俺は手が空いているのでお茶を淹れる。

するとフレイアとシルビアが起きてきた。

「「おはようございます、お母様」」

二人でハモったな。

「おはよう、フレイアさん、シルビアさん。 朝ご飯の支度をしますからね」

そういって手際よく軽く料理をしていた。


「おはよう、テツ」

「テツは、早起きなのだな」

「おはよう、お二人さん。 まぁ、早起きの方かな」

俺はそう答えつつ、二人にもお茶を淹れた。

じいちゃんも起きてきたようだ。


「「おはようございます。お父様」」

また、ハモったな。

じいちゃんはうなずいていた。

じいちゃん、うれしそうだな、おい!!

俺はじいちゃんにお茶を差し出す。

後は人数分、テーブルの上に並べた。


俺のお茶を取ってソファーに移動して、一息つく。

ふぅ・・落ち着くな。

フレイア達も喜んで飲んでいる。


ばあちゃんが味噌汁を運んできた。

お、今日は豆腐と油揚げの味噌汁だな。

「ばあちゃん、いただきます」

俺はそう言って、じいちゃんに手渡し、自分のを取って食べてみた。

これまたうまい!


フレイアとシルビアは初めての味噌汁だろう。

おそるおそる口に運んでいた。

一口飲んで、驚きの顔をした。

「「お母様、とてもおいしいです」」

また、ハモったな。


「テツ! この星の住人は、こんなおいしいものを食べているのか?」

フレイアが食べながらしゃべっている。

食べるかしゃべるか、どちらかにしろ。

「フレイアさん・・食べてるときにしゃべるのは行儀が悪いですよ」

俺はそう注意。

フレイアは即座に直した。


「これは味噌汁といって、この星の住人ではなく、俺達の種族の民族料理だな」

「そうなのか・・とてもおいしいぞ」

フレイアは笑顔でうなずいていた。

シルビアは黙ったまま、ひたすら食べている。


「シルビア、食べ終わったら出発しよう」

俺はシルビアにそう告げる。

シルビアは味噌汁をテーブルに置くとうなずき、そしてまた食べだした。

そんなに気に入ったのか、味噌汁。

二人とも、味噌汁をおかわりしていたよな。

その身体からは想像できない食欲だ。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。

これからもよろしくお願いします。

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