天然過ぎるぞ環!
いやいや、待て待てなんだったんだあの光景は!
もしかして、中学からか?
中学の時妹は女子校に通っていた。そこで女子を攻略したのか!?
ほんとなんなんだよあのモテっぷり!
どうしよう。これじゃ僕の描いた素晴らしい高校生活は夢となり消えてしまう!
僕は家に帰ってからというもの、ずっとこんな調子でベットの上を転がり回っていた。
すると、トコトコと僕の部屋に向かってくる足音が聞こえてきた!たぶん環だ。
どうしよう!このままだと環にキモがられてしまう!
僕はすかさず布団を被った!
「お兄ちゃん?なんかさっきからガタガタうるさいよー!てかどうして布団もぐってんの!風邪でも引いたの?大丈夫?」
僕のことを気遣ってくれている妹の声がする。
やっぱいいやつだ!さすが僕の妹!
しかし、今この布団をめくられては僕の威厳が台無しだ、なんとかして回避せねば!
「環か?ああ、少し風邪気味なんだ。移るといけないから早く部屋から出なさい」
僕の心臓はドクドクドクと大きな音を立てていた。環の言葉を待つ。
「・・・あのさ、お兄ちゃん。ちょっと聞きづらいんだけどね・・・その・・・今服着てる?」
終わった。気づかれてしまった!ていうか、部屋に服脱ぎ捨てたままだった!!!パンツも・・・
言い訳を考えていると、僕の天使な妹は
「あ!部屋着着てるんだよね!ごめんね、風邪引いてるのに話しかけちゃって!夜ご飯はお粥でいいかな?」
と、何事もなかったかのように僕を気遣ってくれてしまう。
なんだよこういうところだよ!こりゃ女子にもモテるわな!あははあははは・・・
ていうか僕、パンツ部屋の真ん中の机の上に置いちゃってるんですけど!
いくら天然な環にしても気づかないはずがないポジショニング!
どうしよう声が出せない!何を言っても妹の中で僕は変態認定されてしまう!
しかしもうどうしようもないことだ!諦めた。
こうなったら最悪の誤解をされる前に正直に話そう!
「あのな、環、その・・・お兄ちゃんちょっと暑くて脱いだだけで・・・その・・・変なこととかしてないからな!机の上のやつもすぐに着るつもりだったから!」
なんとか言えた!しかし環はなんのことかさっぱりわからないような口調で
「ん?机の上?・・・・・・・・・きゃーーーーーー!お兄ちゃん何してんの!?」
「?」
「パパパパンツ!どうしてパンツ脱いでんの!?
しかも机の上だよ!ありえないっ!」
環はバンっ!と大きな音を立てて扉をしめ、早歩きで離れて行く・・・え?
どうやら環は僕が本当に部屋着に着替えていると思い込み、机の上におおっぴらに置いてある僕のパンツにも全く気づいていなかったようだ。
なんだか今のやりとりで環のモテ要素の1つが解明された気がした。
しかしそれから数日、環は僕をガン無視し続けた。
自白するんじゃなかったーーーーっ!