プロローグ
はじめて小説をかいたので非常につたない文章となっておりますが、温かい目で見ていただけると幸いです。
◆プロローグ◆
「ごめんなさい!」
目を覚まして一番最初に見たのは、涙目で申し訳なさそうに謝罪する美女だった。美しい金髪に透き通るような青い瞳、雪のように白い肌を持つそれはそれは見目麗しい女性だった。
「あの、大丈夫ですか?」
彼女は私が反応しないことを心配したのか、私の顔を覗き込んだ。
「すみません、何が何だか」
それもそうだ。私はよくわからないが、今まで気絶していたのだ。ここがどこで、彼女がだれなのか、自分がどうしてこんなところにいるのかも理解できていない。状況の把握もできていない状況下で、大丈夫も何もないだろう。
「っあ、そうでした。・・・まずは自己紹介をしますね。私は貴女のいた世界を管理している女神です。因みにここは天界で、貴女は、・・・その、・・・手違いで死んでしまわれたので、ですね。ごめんなさい。」
オロオロしながら、自分のミスを打ち明けた彼女は今にも泣きそうだった。・・・女の私でもグッとくるくらい可愛かった。そう、守ってあげたくなるような可愛さである。
「はぁ、私は死んだんですか、」
「あまり驚かないのですね。もっと、慌てて騒ぐものだとばかり思っていました。」
「現実感がないからでは?どのようにして死んだのかも思い出せませんし。」
「なるほど、死因は知らないほうがいいと思います。トラウマになると思うので。」
トラウマっていったいどんな死に方したんですか、私!?
「ところで、私のミスで死んでしまったので、貴女の人生を奪ってしまったということになるんですが、その、……罪滅ぼしというか、よければ異世界に転生しませんか?」
「異世界ですか?」
「同じ世界だとどうしても私の力が悪いほうに働いてしまうので、異世界に転生をしてほしいなぁと」
「別にかまいませんが、どんな世界なんですか?」
女神は私の疑問に答えるように、その世界についてを語り始めた。その世界には魔法があり、魔法は使える者と使えない者がいること。魔法を行使するための力を貸す、精霊たちや妖精たちの存在。多くの国があり、人間だけでなく、亜人や魔族など、様々な種族がいること。種族間での争いが多く、特に魔族は数百年に一度魔王が復活し、人々を襲うこと。そのたびに、異界から勇者を召喚すること。また、自然界には魔物が存在し、それを狩る冒険者たちがいることなどなど。
一通り話し終えた女神は、
「この世界については、こんなものです。貴女にはこの世界に転生してもらうわけですが、さすがに転生してすぐ死んでしまわれるのは忍びないので、いくつか能力を授けようと思います。何かできるようになりたいこととか、欲しい能力はありませんか?」
悩んだ私は、「顔」とつぶやいた。ほとんど無意識ではあったが、女神はそれを聞き逃さなかった。
「顔………姿を変えたいんですか?」
「あはは、さすがにむりですよね?」
「できますけど、そんなの願いの一つにもなりませんよ?」
マジか!私の一番の願いを否定されてしまった。
「で、何がいいですか?」
「……知識。えっと、ほしいと思った知識や情報を即座に手に入れられるような能力って、無理ですか?」
知識や情報といった類のものは、何かの役には立つ。秘匿性や正確性が高ければ高いほど、価値は上がり、それを手に入れるためだけに命を懸ける人もいるのだ。だから、比較的リスクを少なく情報を手に入れることはとても大切なのだ。
「わかりました、でも2つを満たす能力は無理なので、こういうのはどうでしょう?」
女神の提案はこうだ。
まず、知識は私の元居た世界とこれから行く世界のあらゆる本が取り出せる能力を使って補う。
次に、情報は、召喚及び契約魔法を使って、従魔に集めさせたり、千里眼を使って現在、過去、未来のすべてを見通す能力を用いて集める。
私は、それで構わないと同意した。
「そしてですね、生き返ってすぐに死んでしまっては意味がないので、身体能力を強化しておきましょうか。」
女神が次々と魔法をかけていく。………っちょっと多すぎませんか?
「そんなことはありません!」
心を読まれた!?って神様何だから当たり前か。しかし、即答ですか。
その後も淡々と魔法をかけ続けた女神は、
「最後に私の加護と精霊王の祝福をして、っと。……はい終わりました。」
「今の加護と祝福って何ですか!?それって普通は貰えないのが当たり前のものでは?」
「そうですね、普通は勇者にだってあげませんね。だって大抵の人が、『よっしゃ、異世界に行ける!しかも勇者!!』って言って大はしゃぎしちゃって、加護とかあげる気失せるんですもん。」
そりゃぁ、ラノベとか読んでる人なら嬉しいでしょうね。勇者とかテンプレだし。
「そんなことはおいといて、貴女にお願いがあります。」
「なんでしょう?」
物凄く嫌な予感がする。女神の目がまた涙目になってきているし、もはや泣き落としなのかと疑ってしまう。
「実は人間の魂には器としての役割があるんですが、さっきポンポン魔法をかけ続けたせいで器に限界が来てしまっているので、帳尻合わせのために、制限と使命を授けます。あまり時間がないので、転生後にこの手紙を読んでください。」
何か言いたげ顔をしていたのだろう。私の顔から目を背けて、女神は矢次はやにそう告げる。
「では草原に送るので、目が覚めたら東へ行くとよいでしょう。お気をつけて。」
すでに魔方陣が足下に展開していたのだろう。回りが白く暖かい光に包まれ、そのあまりの眩しさに私は意識を手放した。
プロローグを読んでいただきありがとうございました。
忙しくてあまり更新できないかもしれませんが、一生懸命頑張りますのでどうぞよろしくお願いいたします。