決別
この作品はとある小説のネタバレを含みますので、読む際はご注意ください。
それは、机に向かって冬休みの課題をやっているときのことだった。
高校の数学は相変わらず意味がわからないし、とりあえず一旦休息を入れよう。
何度目かわからない休息をとって、コーヒーを飲みながら携帯をいじりはじめる。
そして、ソレが目についた。
既に見たことのあることを示す赤紫に埋められたリンクの中、未読であることを示す水色の輝き。
あぁ、ついに来たか。そう思いながら、その部分を触った。
変わる画面。遅い更新速度はご愛嬌か。
ここには、この画面には、おそらく自分の求めた全てがあるだろう、そう予感して。
その予感は、的中した。
それは、自分の宿敵に相対して、全てをかけてぶつかった。
宿敵もまた、自らに挑む男に全力を賭した。
結果は、相打ち。共に力尽きた。
そして、両方が生き返ったかのように見せかけて、結局挑んだ男は死んだ。
素晴らしかった。
こうも、こうまでして、美しく、力強く、スッキリと死ぬということを今まで見たことはあっただろうか。否だ。
スッキリと、ハッキリと、しっかりと、ひとりの男の生涯は認められて幕を降ろした。
その男の死を委託した者として。生誕から成長を描いた者として。
尊敬するその人に、敬意を抱かずにはいられなかった。
思わず、正座で拝み倒したかった。ていうかしかけた。正座になりかけた。
「うーん……見事だ」
それじゃあ、書くか。
その画面を閉じ、新たな画面を開いた。