正体
遅くなってしまい申し訳ありません。
課題や部活や役員などで時間が取れませんでした。
めちゃ短いです。
でわ、第4話をどぞ!
体の違和感を取り除くためにベッドに胡坐をかき集中する。
これは俺が毎日欠かさずやっている【氣法】の一つで、時代門流武術をやるときの基礎みたいなものだ。
【氣法】とは体の中にある【氣】を体全体に纏わせながら行うことで、武術をやる時に威力が上がったり、感覚が機敏になったり、武器に纏えば霊の類も切れるようになるという結構チートな代物だ。
だが、これを習得するには長い年月と根気がいる。俺は物心ついた時には大分やっていた。
話が逸れたな。
集中が途切れてはいけない。体の奥に潜るように感覚を研ぎ澄ます。
すると血液とは違った管が視えてくる。金色は【氣法】の管だが、それとは別に緑色の管と紫色の管が視える。これは何だろうか。
紫色の方が動かしやすいが、外に放出した分は戻ってこない。
対して緑色の方は動かしにくいが、体外に出した分が戻ってくる…というよりは大気中のこの緑色が俺に吸収されているというべきかもしれない。
そんなこんなで色々弄っていること数分。体にある違和感の謎が解けた。
これは拘束の類だろう。体に紫色の鎖が絡みついていることが見える。禍々しい鎖だ。
今俺は紫色の管を目につなげている。
色んなものが視える。例えば、鎖、そしてこの部屋の天井と壁の魔方陣、そしてこの城の人だろうか…それなりの数の紫色の丸い発光体が動いている。この紫色の物質は人間なら誰しもが持っているみたいだ。
次に緑色の管を目につなげる。この動作だけで倒れそうな倦怠感が出てくる。
目を見開くとそこにはまた違った景色が視える。なんとさっきまで訳が分からなかった魔方陣が何を表しているのかが理解できるようになっている。この目はすごく重宝できるだろう。
おかげでこの鎖の解き方も分かった。
まずこの鎖は『ダークバインド』なるもので、【魔法】の一つらしい。俺が小説で知っているあの【魔法】だ。こいつはこの世界の者ならほぼ誰でも使えるとのことで『魔法士』やら『魔術師』やらいるらしい。そいつらが【魔法】を使うときに使用するのが魔力、つまり俺が散々動かしていたあの紫色の管のことだ。調べるものが増えたが、これは面白くなってきたな。小説を読んでいることもありニヤケが止まらない。
鎖は『ダークバインド』で使用された魔力の倍で外すことができるらしく、さっさと外す。
次に自分の能力の把握を行う。ステータスに書かれていた、『門』という能力を使ってみる。
こういうのは口に出すと発動するものだ。
「門」
体から何かが抜けていく感覚に陥る。が、すぐに来る倦怠感。
「あ、これダメなやつだ」
瞼が落ち、そのままベッドに倒れこむ。
どうやらこの能力を発動するには魔力が必要らしい。魔力はさっき遊んで散々消費したばかりだ。
体が耐えられなくなったのだろう。
そのまま俺の意識は闇の中へと沈んでいった。
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