宝玉
遅くなって申し訳ありません!第二話に追加をいたしました!
現在読み始めた方はそのままお読みください。
第三話からという読者様はもう一度第二話から読み直していただけるとありがたいです。
でわ、第3話をどぞ!
宝玉を割った俺は『ステータス』を確認する。
◇◆◇
名前:時代門宗明
能力:門・代償交換・時代門流武術[師範代]・潜遁・鑑定・格闘術・隠蔽
加護:女神ファルナ・邪神ファルス・双神の寵愛
◇◆◇
ふむ……。
言いたいことが一つある。
かぶったな……。
俺は武術をやっている。レベルは師範代に至るほどのもの、今更『格闘術』など貰っても自分の動きを阻害するものにしかならない。それに、宝玉を貰ってから体の動きに違和感を感じる。気のせいと思うには違和感が大きく、体中に鎖が巻かれたようなそんな感じだ。
「お判り頂けたかな?女神様の加護には劣るだろうが、それなりに使えるものが付与されたはずです。これより英雄様方には一人ずつメイドを付けさせて頂きます。何か御座いましたらその者達にお言いになってください」
そう宰相が言い放つと奥から十数人のメイドが出てくる。
宰相の言う通りそれぞれにメイドが付くようで、俺のところにも一人来る。見た目は良い十代後半だろう。黒髪で清楚系で目は黒色、第一印象はどこかの旅館の看板娘といったところか……。
何人かがこちらを見ているが、気にしないことにする。嫉妬か…羨望か…はたまた軽蔑か…分からないが、なんにせよ好意の視線ではないことは確かだ。
「私があなた様のお世話させて頂きます。時雨と申します。よろしくお願いいたします」
「ああ……よろしく。俺の名は宗明だ」
「よろしくお願いいたします宗明様」
お辞儀をするその姿は実に整ったものだった。しかし、あの足の動き……このメイド、いや全員のメイドが何かしらの武術を持っているのは確かだ。注意する必要があるな……。
まあ、俺たちが何かしたとき用の保険だと思いたいが……。
「さあ!では英雄殿!いつまでもここでは落ち着かぬだろう。早急に部屋へと案内させよう」
王様がそう言うと他のメイドたちがあいつらをそれぞれ連れて玉座を出ていく。
「では宗明様参りましょう」
「ああ」
そうして時雨に連れられたのは地球じゃ考えられない程の豪華すぎる一室だった。大統領室でもここまでじゃないぞ……。部屋の中に入り、色々と物色する。怪しいものはないようだが念には念をということだ。
ふと机に目をやるとそこには片手に収まるような位のベルが置いてある。
「何かありましたらそのベルを鳴らして下さい。すぐに駆け付けますので、私に何なりとお申し付けください」
「分かった、ありがとう」
時雨は「では」と言って下がった。
さて色々やることはあるが、まず初めにやらなければならないことは四つ。
この世界の常識を覚えること、能力の把握、この世界の知識を頭に叩き込むこと。そして、この俺の身体の違和感だ。ここまで歩いてきたが何となく体が重い。環境の変化もあるだろうが、それにしては重すぎるのだ。
『ステータス』には変わりなかった。この違和感は城に着いてからではない。あの宝玉を叩き割ってからだ。あの時宰相が細工した宝玉を手渡されたわけだから、俺に宝玉に施した何かが作用しているとみるべきだな。拘束の類か……それとも隷属の類か……。なんにせよ早急に解決しなければならない問題だ。
今は無事でも後から精神汚染のようなものが起きると困るんでな。
さて方法は……?
色々あるが、あの手が一番よさそうだな……。
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