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短編集 ミネマドカ  作者: Madoka Mine
6/16

過去

最愛のマリア・キリロヴナが亡くなって20年が経ったある年の12月24日。 その間に母国の皇室が滅び、新政府による新しい政治が行われるようになった。 マリア──愛称マーシャの母も、姉妹も、忘れ形見でさえも既にこの国の者ではない。


私とマーシャが出会ってから30年以上が経っている。 あの頃無垢な少年だった私は彼女の死後、苦労して入学した大学を退学して実家で刺激の無い日々を送り、物を書き始め、気づけば先生と呼ばれる身だ。 時の流れはなんと早いものだろう、と近頃はつくづく感じる。

髪に白いものが混ざりはじめた私とは異なり、永遠に少女の姿を保つマーシャ。 その姿は私の心の中では勿論のこと、彼女の母や姉妹、そして契りを交わしたあの男の心の中でもしっかり生き続けているのだろう。


私は明日、出航する船で自由の国へ旅立つ。 混乱の最中にあるこの国に入ろうとする物好きはいないだろうが、マーシャが大切な人と再び巡り逢えることを祈って、彼女が好きだったマリンカのジャムを供えた。



Date;June 23

Theme;past

マリンカ❨маринка❩…ロシア語で野莓。


舞台は1920年代後半のソビエト連邦・レニングラードです。 マーシャが生きていた頃はロシア帝国の首都・ペテルブルグでした。

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