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涙の最終決戦編

この話だけさっき書いたばかりの新しい話です。もしよろしければお楽しみください

「フフフ、クフフフ。笑いが止まらん。


 ついに、ついに完成したぞ。絶対究極最終兵器『ダイチノイカリ』! これさえあれば世界征服など火を見るよりも明らか! もはや赤子の手をひねるよりも簡単だ!

 そしてあのにっくき正義のヒーローもどきどもを一網打尽にしてくれる。この究極兵器なら、あの生意気な小童どもを間違いなく逃さずに粉砕することができるだろう!


 フフフ、ハハハ、フゥーハハハハハハハッ!!」


『『『『『そこまでだ!!!』』』』』


 ババーン!!


『戦線離脱レッド!』


『現実逃避ブルー!』


『食い逃げイエロー!』


『駆け落ちピンク!』


『ピンポンダッシュブラック!』


『『『『『我ら、とんずら戦隊逃ゲルンジャー!!』』』』』


「フフフ……性懲りもなく現れたな、とんずら戦隊。この超巨大な最終決戦特化ロボを目の前にして逃げ出さなかった勇気を褒めてやろう。

 しかしこのロボの偉容に恐れをなしたのか、人っ子一人いやしない。ギャラリーが誰もいないのはつまらないからな、さっさと決着をつけてしまおうじゃないか……って、あれ? どこにいるんだ、とんずら戦隊? 声はすれども姿は見えず、お前らどこから偉そうに『そこまでだ!』なんて言っているんだ?」


『ここだ! ここ! もっと下だ!』


「下? ってこれか? このスピーカーみたいなものから声が……っておい! まさかもう逃げたのか! くそぉ、さすがとんずら戦隊、戦場に来る前に勝てないと悟って、既に逃走済みとは。本能的に逃げる判断がとてつもなく早いな。しかし、早まったなとんずら戦隊! これで貴様らの負けは確定だ!」


『なんだと!?』


「逃げるが勝ちとは言ったものの、今回に限って言えばお前たちの戦略ミスだ。今回、我々は本気も本気なのだ。この最強ロボ『ダイチノイカリ』は世界征服のために特化した機体だ。いつもみたいに速攻で逃げ出して我らの戦意を削ぎつつ時間を稼いで、あとは自衛隊に任せてなんとかしてもらうという作戦は使えないぞ!」


『ど、どういうことだ!?』


「この機体は全ての人間を絶滅させるための兵器を大量に搭載しているのだ。まずすべての兵器を問答無用で動かなくさせるスーパージャミング! さらにどんな存在すら消失させるミニブラックホールミサイル! そして極め付けは、たとえ砂漠のど真ん中でも木を植え草を生やし緑豊かな土地に変えるウルトラフォレステーションシステム!! この三大兵器を搭載したこの『ダイチノイカリ』を前に姿を見せることなく逃げたのは失敗だったな! ワーッハッハッハ!!」


『そうか、だが大丈夫だ。好きに暴れてくれて構わない。もともとそういう計画だ』


「え? いいの?」


『ああ、だいたいおかしいと思わなかったのか? 今私たちとんずら戦隊だけでなく、一般人の姿も見えないのも不思議だろう。なぜかまだわからないのか?』


「そ、そういえば、本当に人の姿がない……どういうことだ? いや、ま、まさか。本当にあの計画を実行したのか!?」


『そうだ! 我らとんずら戦隊は、一般の人々も含めて全員で逃げ出したのだ! 地球に残されたわずか500万人の人間とともにな!!』


「な、なんだと!? ということは、お前らは今、すでにこの地球上にいない……?」


『そうだ! 我々はこの崩壊した地球から逃げ出して、別の新天地へと向かうのだ! 現在、最強合体究極脱出ロボ『ウルトラニゲゴシ』で大気圏外から通信中だ。すでに見つけておいた脱出先はテラフォーミング済みだからな、そこで幸せに暮らさせてもらうとしよう!!』


「な、なんていうことだ……貴様ら、散々地球の資源を食い尽くし、奪い尽くし、荒らし尽くした貴様ら人類が、とうとう地球を捨てるというのか……!? なんという、なんという傲慢な!!」


『そうか? だが仕方ないだろう。もうこの世界は荒廃しつくしてしまい、普通の人間が住める環境ではなくなってしまったのだから。我らが使っているこの手のパワードスーツも、要はこの荒れた環境でも生きていけるように開発されたものだし。正直これ着て過ごすの大変だもんね、マジで。この前の磁気嵐も酷いもんだったし……』


「そんなの自業自得だろう!? だから我ら秘密結社『チキュウヲダイジニ』はもっと地球のためになるように生活態度を改めろと言っていただろう!! だというのに、荒らすだけ荒らして逃げ出すなんて、貴様ら最低だ!」


『まあ、そこら辺の問答については今更だろう? 我々はこの地球から逃げ出させてもらう。君たち秘密結社は、まあ好きなだけ地球を元通りにするよう頑張ればいい。我々の妨害もなくなって今後の活動もやりやすくなるだろうし、お互いウィンウィンじゃないか。な?』


『ウフフ……ディストピア……管理社会再び……次の星は何百年持つかなぁ?』


『次の星も食い尽くしたら、また逃げちゃえばいいしね。それにしてもお腹空いたなぁ……』


『三郎さん、がんばってね。遠くの星からあなたのこと応援してるわ』


『Hey Yo! Let’s Pingpong!』


「貴様ら、そうやって逃げれば大丈夫と思っているようだが、そう逃げきれると思うなよ! 新たな星で幸せに暮らし始めたとしても、お前たちは、お前たち自身の行いが原因で再びその身を滅ぼすだろう。逃げようと思って逃げられるものじゃない。なぜならお前ら自身の心にその傲慢さがある限り、必ずまた同じことを繰り返すんだからな!」


『ははは、その言葉を心に留めておくよ。じゃあそろそろ通信圏外だ。もう会わないだろうね、バイバイ』






「まったく、人類というのは度し難いね。まあ地球から出て行ってくれるのはありがたいけど」


「そうですね、神様。これからは地球が元通りになってくれたらいいんですけどねぇ」

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