第1話
この作品を読もう思ってくださりありがとうございます。
まだまだ面白くない作品かもしれませんが、最後まで読んでくださると幸いです。
身体蘇生装置で身体が動くようになり、すぐにでも仕事に取り掛かるらしい。
なんだか、不思議な気分だ。
試験カプセルの中にいたときは、外に出て歩くことができるとは思ってもいなかった。
「身体蘇生が終わったんだから、今からお前の仕事場に案内する。」
と、笑っていた顔が僕にそう告げる。
そうか、今から仕事か…。
何をやるんだろう?
笑っていた顔に質問をしてみた。
「それは『一人の部屋』で、待っているサフィア博士に聞くんだな。まぁ、聞けれたらの話だがな。」
と、ぶっきらぼうに答えてくれた。
「よし、こっちだついて来い。」
そう言われ、まだ慣れない歩き方でついていく。
「やっと来たわね。SR-1983。」
部屋に入るなりいきなり声をかけてきたのは、笑っていた顔が話していたソフィア博士だった。
「早速で悪いのだけど、仕事の話をします。良いですね?」
僕の返事を待たずにソフィア博士は次の言葉を話し始めた。
「いいですか。SR-1983。今日から貴方はこの部屋で暮らしてもらいます。」
この部屋っていうと、今いる部屋の事を言っているのだろう。
見渡す限り、僕が入っていた試験カプセルがあった部屋と同じような感じな場所で、一つだけ違うのが部屋の真ん中に僕が見たこともないような大きいカプセルがあった。
そのカプセルの中に何が入っているのかちょっとだけ気になり覗き込もうとしたら、
「そのカプセルの中が気になるのですか?」
ソフィア博士が先に話しかけてきたので、僕は相槌を打った。
「そこに入っているのは女の子です。」
女の子?こんなに大きいカプセルを使う意味はあるのだろうか。
「普通の女の子だったらこんな大きなカプセルを使う必要はありません。つまり普通ではないって事です。」
普通じゃないってどういう意味だろうと思ったら、
「貴方には何も関係が無い事なので説明はしません。」
と、ソフィア博士がバッサリと話を終わらせ、違う話しを続けてきた。
「さっきも言った通り今日からここで貴方は暮らしてもらいます。ここにあるものは好きに使っていただいて結構です。寝るのはそこにベッドがありますのでそこで寝てください。いいですか?そこのベッドで寝てください。そしてこれが一番重要なのですが、毎日の事をそこの机にあるレポートノートに書いてください。いいですね?」
それが僕が行う仕事の内容なのかと不思議に思うと、
「これが貴方が行う仕事の内容です。」
これが僕がやる仕事らしい、なんて言うか想像していた仕事より数倍簡単な仕事で少し驚いた。
「質問とかは無いですか?SR-1983。」
一つだけ確認したいことがあり、この部屋から違う部屋に行っても良いかと質問してみた。
「ダメです。貴方をこの部屋から出られないようにしますから、貴方がこの部屋を出る時、それは死ぬか試験カプセルの中に戻るかの二つになります。それ以外はあり得ません。」
その言葉を聞いたとき目の前が少しだけ暗くなった。
僕はこことは違う世界を見て見たかっただけなのに。
試験カプセルの中にいる時の感覚が僕を包み込む。
閉鎖された空間に僕だけ、動くことも喋ることも出来ないのに、考えることだけが出来る。
そんな感覚。
「他に質問はありますか?」
絶望していると、ソフィア博士が話しかけてきた。
今度の質問に僕はどうやったら外に出られるか聞いてみた。
「貴方はこの施設から外には出られません。ただの量産人間にそんな権利はありません。」
僕の世界はこの部屋の中と試験カプセルの中でしか存在が許されない。
それが分かった瞬間いつの間にか膝から崩れ落ち、泣いていた。
「泣くのは結構ですが、これからやっていただく仕事はちゃんと行ってください。そうしないと直ぐにでも試験カプセルの中に戻します。」
その言葉を聞いた僕は、ソフィア博士を睨みつけながら立ち上がりちゃんと仕事はやる。だから元のカプセルの中には入れないでくれと話した。
「結構です。では、早速仕事を始めてもらいましょうか。」
と、ソフィア博士と笑っていた顔は部屋を出て行こうとすると、去り際に、
「一つ言い忘れていました。」
立ち止まり、こっちを向き、僕に話しかけてきた。
「量産人間である貴方にも、寝ることで夢を見ることがあると思います。」
その言葉を聞き、僕はよくわからないという顔をした。
「夢を見たらさっき話していたレポートノートに夢の内容を書いてください。良いですね?」
それだけを言い部屋を出て行った。
ソフィア博士達が部屋を出て行ったら、僕はまたその場に泣き崩れていた。
この先に待っているさらなる悪夢を知らずに、今の絶望に打ちのめされていた。
まだ残酷表現はありませんが、もう少ししたら残酷表現が出てきますので、お気を付けください。
最後まで読んでくださりありがとうございました。