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プロローグ
それはそれは遠き日の思い出。
クラス全員が、一番自分が大切にしている物とある物が入った封筒を入れた。
それが、今、10年の眠りから目覚める。
それを目にする時、俺たちは何を思うのだろう。
10年前、俺たちはまだ小学6年生だった。
自分の気持ちを素直に伝えることが出来なかった。
つまらないことで意地を張ったり、大人に憧れたり。
相手の気持ちを思いやることも、全然出来ていなくて。
だけど、そんな毎日が楽しかった。
10年が経ち、あの頃の記憶が朧気になった今。
俺たちは、10年前の俺たちと向き合う。
向き合った時、俺たちはどうするんだろう。
これは、そんな不器用な俺たちの物語。