一追っかけ
大輔 「里佳ちゃん……俺、ずっと前から君のことが」
里佳の写真を見つめながらそう口走った。
母 「大輔! 今日、ご飯何がいい?」
一階からまるで遠慮のカケラも無い声が響いた。
大輔 「 あーもう! 今いい所なんだからほっといてくれよ!」
母 「何がいい所だって?」
そう言いながら階段を上がる音近づいてきた。母はそのままドアを開けた。
大輔 「 何でノックしないんだよ!」
母 「ノック? あいにく、そんなお上品なモノ我が家にはありません」
大輔 「 な、なんて母親だ」
母 「また、吉羅里佳の写真見ておかしな事してんの?」
大輔 「そ、そんな事やってねーし。何言ってんの?」
母 「はぁ、大輔。あのね、何が楽しくてアイドルの追っかけなんかやってるの? 私もあなたがルックスがどうしようもない子だったら何も言わない。でも、かなりマトモに産んであげたじゃないの」
大輔 「うるさい! 吉羅里佳は俺の青春なんだ。青春そのものなんだ!」
母 「青春の無駄遣いしてんじゃないわよ! 青春だっていい迷惑よ!」
大輔 「いいから放って置いてくれよ! グレるよりよっほどイイだろ!」
母 「グレた方がよっぽどマシよ!」
大輔 「……」
母 「はぁ……ご飯が出来たらちゃんと降りてくるのよ」
階段を降りながら母は頭を抱えてため息をついた。




