播磨型戦艦
播磨型戦艦 概要
1. 建造背景と設計思想
1.1. 建造背景
1. 戦艦の重要性と進化の要請
• 日米戦争および第二次欧州大戦において、戦艦は圧倒的な火力と防御
力を発揮。しかし、航空機や潜水艦の技術進歩、米国の新型戦艦(モン
タナ級など)の出現により、さらなる戦力強化が必要とされた。
• 日本海軍は大和型戦艦の性能に満足しつつも、それを凌駕する「超弩
級戦艦」を開発することで、戦略的優位を確保しようとした。
2. 戦後の戦力維持戦略
• 播磨型は単なる戦時兵器ではなく、戦後の軍事的抑止力や日本の国防
力の象徴として設計された。
• 冷戦期においても、東アジア地域での平和維持や戦力均衡を目的とし
た。
1.2. 設計思想
1. 火力のさらなる増強
• 51cm連装砲3基(計6門)を採用。射程50,000mの超長距離砲撃能力を
持ち、敵艦隊や陸上目標への圧倒的火力を実現。
2. 防御力の強化
• 主装甲帯を450mmに強化し、航空爆弾や徹甲弾への耐性を向上。
• 水中防御システムを大和型よりも改良し、潜水艦雷撃に対する生存性
を向上。
3. 船体設計の最適化
• 大和型と同規模の船体を採用しつつ、砲塔重量増加に対応するため構
造を補強。
4. 対空・対潜能力の強化
• 高角砲と40mm連装機銃を増設し、敵航空機からの攻撃を防ぐ。
• 対潜装備を充実させ、潜水艦からの魚雷攻撃にも対応可能。
2. 要目
基本性能
• 艦種:超弩級戦艦
• 基準排水量:74,000トン
• 満載排水量:90,000トン
• 全長:263m
• 全幅:39m
• 吃水:11.2m
• 速力:27ノット
• 航続距離:8,000海里(16ノット巡航時)
兵装
• 主砲:51cm連装砲3基(6門)
• 最大射程:50,000m
• 弾種:徹甲弾・榴弾の運用が可能。
• 高角砲:12.7cm連装高角砲16基(32門)
• 射程:12,000m(対空砲弾)
• 対空機銃:40mm連装機銃70基(140門)
装甲
• 主装甲帯:450mm
• 甲板装甲:最大250mm
• 砲塔装甲:550mm(前面)、280mm(側面)
• 水中防御:大和型の多層構造を改良し、魚雷防御をさらに強化。
搭載装備
• 航空機:瑞雲8機
• カタパルト2基装備。
乗員
• 定員:2,700名
3. 艦名と建造スケジュール
1番艦 播磨
• 建造所:呉海軍工廠
• 着工:1943年
• 進水:1945年
• 竣工:1946年
2番艦 飛騨
• 建造所:大神海軍工廠
• 着工:1944年
• 進水:1946年
• 竣工:1947年