大銀河連邦宣言
《新・大銀河連邦宣言》発布式典 ― UE51138年 惑星標準時
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【1】前史的背景(式典に至る流れ)
• UE51060〜80年代:アノレクト文明の高度文明崩壊構造の解明
• UE51100年代初頭:制度転換思想の浮上と激しい銀河間議論
• UE51130年代:議会・学術・倫理界・文化界の連携による方向性統一
• UE51138年:満場一致で「連邦の方向性再確認および未来宣言」採択
決定
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【2】式典の構成(場所:アライェド・統合議礼星環”ソノーレ”)
◯ 出席者構成:
• 大銀河連邦大統領(中立議長)
• 各銀河連邦大統領・評議員・憲章代表
• 各構成国の文化首長・制度学代表
• レンズマン評議会代表
• 天皇陛下(象徴出座)
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【3】発表の流れ
項目 内容
第一演説:大銀河連邦大統領 「崩壊を見てなお、我々はなおも連なる」
と題し、制度と信義の再確認を行う。
第二演説:各銀河連邦代表の共同声明 それぞれの思想・制度・経験をも
とに、「同じ未来を信じる異なる価値観」の提示。
第三演説:レンズマン代表(哲学的声明) 「制度に倣い、制度を恐れ
ず、制度を超えて生きる」存在としての文明哲学。
終演:天皇勅語 全銀河に中継される沈黙の儀。わずか三行の勅語が語ら
れる(後述)。
宣言公布 《新・大銀河連邦憲章宣言》の署名と記録。詩的な文体で記録
庁に記録・公開。
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【4】天皇勅語
われらは、壊れなかった。
けれどそれは、壊れ得ないという証ではない。
続いていくとは、問い続けること。
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【5】新・大銀河連邦宣言
我々は、制度と秩序、倫理と沈黙のあいだに立ち、
未来を恐れず、過去を隠さず、いまという構造を編みなおす。
制度は変わる。文化は問う。記録は絶える。言葉は消える。
それでも、我々は続いていく。問いを抱いたまま、なお歩む。
この道を、再び名付ける。
パックス・クリサンセマム ― 菊の秩序。
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今後への布石
• 新憲章の前文にこの宣言文が刻まれ、各銀河連邦でそれぞれの詩人が
“翻訳”を担う。
• 学術・制度・文化の三分野で、今後1000年の「制度循環設計プロジェ
クト」が始動。
• 天皇の勅語は“再演”されない。次に語られるのは、また文明が自らを
問い直すとき。