オミクロン・ヴァージナの銀河連邦昇格議論
UE50700年代におけるオミクロン・ヴァージナ銀河群の銀河連邦昇格
議論
I. 昇格推進派と慎重派の立場と主張
◆ 昇格推進派(主導:エルガファリス、中央、レオの一
部)
主張:
制度構造・文化・人口・経済の四要素において、既に銀河連邦水準に到
達している。
遺構調査と制度構築が共存可能であることを2000年にわたって実証して
おり、
→ これは新たな銀河群開拓モデルとして他星域にも応用可能。
昇格を遅らせることは、制度内での自立意思を否定する行為にも等し
く、
→ 倫理的観点でも非推奨である。
背景:
エルガファリスは制度安定性重視の立場から、OVCの「制度成熟モデ
ル」としての価値を評価。
レオの一部では、「自由制度圏」としての連携強化を意図。
◆ 昇格慎重派(主導:エリダヌス、中央一部、制度記録
庁)
主張:
未発見・未解読の遺構が多数残存する中、制度的拡張権限を与えること
は“制度による過去の侵食”につながりかねない。
OVCは“制度の自己制限を制度化した特異な構造”であり、
→ これを連邦制度の基準に組み込むこと自体に深い倫理的課題がある。
制度記録庁の中には、「昇格自体が“記録されない意志”を無視すること
ではないか」とする見解も。
背景:
エリダヌスはかつての混乱を経て制度と自由の両立を再構築してきた歴
史から、“制度化の限界”に敏感。
記録庁内では、アレノクト文明以降の記録倫理運動の影響が色濃く残
る。
II. 昇格評価における主要審査ポイント
制度評価庁・文化倫理庁・記録庁の三者合同による**昇格監査委員会
(GAAC:Galactic Ascendancy Audit Council)**では、以下の評価軸が
審査対象となる:
評価軸|内容|OVCの達成状況
制度成熟度|社会制度の安定性、自己修正力|高い水準。制度自体が柔
構造的に進化している。
人口・経済指標|安定人口規模・自給自足能力|約90兆人、経済自立
性85%以上
倫理制度の確立|記録と制度の運用における倫理的枠組みの明確化|
“空白区域制度”や“非記録選択権”を実装済み
文化的独立性中央連邦文化への依存度と独自文化の育成|独自記録詩体
系・沈黙哲学が根付いている
遺構保護・調査状況|発掘・保護・記録の制度的整備|明文化されてい
るが、未調査星系多数
→ 総合評価は 「昇格基準達成、ただし倫理的再検討中」 とされてい
る。
III. 最終判断機構と審議構造
昇格決定は、以下の構造で実施される:
◆ 機関:大銀河評議会 昇格認定部会(GCAR:Galactic
Council Ascension Review)
各銀河連邦代表(計11議席)
評価庁、記録庁、倫理局、制度設計庁からの技術代表(計8議席)
オミクロン・ヴァージナ総督府代表(発言権あり、投票権なし)
◆ 審議手順:
制度評価報告の読み上げ
記録庁および文化倫理庁の“遺構影響度”評価報告
推進派・慎重派代表の討論(最大20標準時間)
公開意見陳述(オミクロン・ヴァージナ側および市民詩代表)
投票(過半数で仮認可、3/4超で即時認定)
IV. ダーイセン内部での制度的反響と準備
昇格を前に、ダーイセンでは以下の制度調整が進行:
「銀河連邦制度移行憲章草案」の作成と公開討議
市民参加型の“記録と制度に関する倫理対話セッション”の継続
若年層による“記録拒否権宣言運動”が発生(記録庁は容認)
また、制度詩人連盟からは昇格を詩的に表現した一節が提出される:
「我らは記録されたから存在するのではない。
記録されぬ意志を制度に置くことが、存在の証となる。」
この一節は後に昇格可否を巡る議論の象徴句として、多くの文書に引用
されることとなる。




