フォルナクス銀河連邦
◆ フォルナクス銀河連邦の成立とその意義
— 「軍政から秩序へ、戦場から制度へ」
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【I. 戦後の混乱と軍政統治(UE36120〜UE36600)】
フォルナクス銀河群は、大銀河分裂戦争における第二戦域として、ペガ
スス戦役終結直後から侵攻を受け、
地上制圧戦・星系焦土化戦・跳躍網破壊を含む苛烈な持久戦が500年続
いた。
戦役終盤にはスタクソン軍の玉砕と百京人単位の死者を出し、全域が
「記録も残らぬ灰」と化した。
戦役終結(UE36120)と同時に、大銀河連邦は即座に「フォルナクス特
別統治域総督府」を設置。
当初の統治方針は明確に軍政主導であり、反乱防止・武装掃討・補給炉
確保が主眼とされた。
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【II. 開拓と標準化の始動(UE36600〜UE37100)】
時代名称 「沈黙からの100年」
この時期、
準が段階的に導入され始める。
ペガススの再建成功を受け、フォルナクスでも同様の統治基
◉ 主な動き:
• 屯田兵制度による入植が拡大。星系単位で治安が安定し、基幹都市建
設が進行。
• 教育制度の導入:連邦教育省派遣による初等教育普及と記録主義再教
育が本格化。
• 記録官の常駐化:被災星系に記録局支部が設置され、戦後史・戦役記
録の再構築が開始。
• **跳躍網修復計画(第4接続計画)**が発足。主要星系に中央・ペガス
スからの接続が完了。
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【III. 民政移行と自治確立(UE37100〜UE37620)】
時代名称 「再統合の世紀」
• 地方議会制度導入(UE37180):10星系をモデルに準自治体制を構
築。以後100年で全域に拡大。
• 人口安定:開拓民の三世代目が登場し、総人口100兆人を突破。
• 軍政の漸次解体:跳躍補給基地・工廠の民営化、軍政官の民選化が進
む。
• 「準銀河連邦構成体(フォルナクス自治区)」認可(UE37550)
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【IV. 正式昇格と体制確立(UE37620)】
◉ 昇格条件達成:
指標 達成率
教育制度連邦準拠率 99.1%
跳躍網接続率 97.4%
地方議会整備率 93.6%
軍民分離体制実施率 89.0%
スタクソン戦役終結と同年、フォルナクス自治区は正式に「フォルナク
ス銀河連邦(Federated Fornax)」として承認され、
銀河評議会における常任2議席が付与された。
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【V. 銀河連邦内での立場と意義】
分野 内容
政治的立場 安定協調型・軍政残響あり。拡張政策には慎重支持、記録教
育ではペガススと連携。
軍事的地位 西宙〜南宙間の防衛・補給連絡線の要所。基地数最多の銀河
群。
社会文化 軍事遺産・記録遺跡の共存と再利用が進み、「再記録銀河」と
して教育拠点化。
評価 「過去に殉じた銀河ではなく、過去を糧とした銀河」
—評議員エルグ・メルニア(UE37625)
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【VI. 象徴的意義】
• 「最も遅れて制度化したが、最も完全に連邦標準に収束した銀河群」
• 多様性・独自性よりも、制度への従順と実直な再建精神を体現。
• 同時に、記録施設・戦役記念星系などを通じて、“記録を背負う者”と
しての誇りも維持。
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総括
フォルナクス銀河連邦は、戦時における軍事偏重と焦土化の象徴であっ
たが、
戦後1000年におよぶ標準化政策と民政移行によって、完全に秩序ある銀
河国家へと再構成された。
その成立は、単なる復興ではなく、**連邦制度の正当性を証明する“制度
勝利のモデルケース”**として、
大銀河連邦における政治的・思想的・戦略的信頼の礎石の一つとなって
いる。