スタクソン銀河特別統治域
◆ 大銀河連邦戦後統治計画・スタクソン銀河群特別統治域【UE37621
〜38020】
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【1. 終戦直後の政治判断:即時統治開始】
• UE37621年、スタクソン本土ダイソン球の完全崩壊を確認した大銀河
連邦統合評議会は、
**「特別統治域設置および即時開拓」**を正式決定。
• 中央銀河連邦を中心とする代表団によって、
スタクソン銀河群中央宙域に**「スタクソン特別統治域(STG)」**を
創設。
項目 内容
中枢拠点 旧カリガリオ=ネクス宙域外縁、跳躍炉残骸宙域
初代総督 アルテミア・エイドラン(元第14方面軍副将、民政軍政両統
括官)
統治形式 軍政+屯田型開拓民による入植制圧→段階的民政移行
開拓構想 「空白化銀河群の新植民統合圏(NSIF)」と位置づけ、400年
スパンの開拓計画を策定
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【2. 400年にわたる銀河群全域調査・封鎖・探索】
◉ 目的:
• 1)殲滅確認(跳躍炉・記録塔・民間人口・施設)の完了報告
• 2)遺棄宙域の危険除去(機械残骸・無人衛星・自己崩壊構造等)
• 3)生存者・隠匿区画・未確認異民族の探索
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◉ 段階別進行:
フェーズ 年代 主な内容
第1期 UE37621〜37680 中央星系帯周辺(旧ザナドア・ミラスト)を徹
底調査/開拓拠点化。多数の機雷衛星と自爆装置を除去。
第2期 UE37681〜37750 星系外縁・暗宙域の機動調査へ。跳躍炉の漂流
遺構・生体反応なし。工廠球の放射線封鎖を確立。
第3期 UE37751〜37900 辺境星系帯の本格調査開始。恒星間漂流構造・
地下反応・熱残留物反応などを捉える。稀に「施設内生存反応」が観測
され始める。
第4期 UE37901〜38020 散発的に生存者確保/直接交渉/全銀河群の掃
討・安定化が完了。最終報告提出。
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【3. 発見された生存者:構成と処遇】
総発見数 約3億人(推定±5%)
分布 銀河群辺境宙域/孤立星系/地下隔絶層/スタクソン工廠残存自動
環境など
民族構成
• 約70%:スタクソン人の末裔または記録思想民間系
• 約20%:異民族(旧奴隷種、同化種)
• 約10%:記録思想から逃れた「離反民」的集団(非正統系) |
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◉ 状況・特徴
• 多くが通信遮断・エネルギー喪失・酸素欠乏状態で極限的生活環境に
置かれていた
• 「既に戦争が終わっていることを知らなかった」者も多い
• 大多数は戦意を持たず、連邦との接触を“神の到来”のように受け止め
る反応
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◉ 処遇方針(連邦統治局)
区分 処置
文明復帰可能層 教育・医療・記録接続を通じて、連邦民への段階的統合
異民族系 銀河種族保護条例に基づき、遺伝的/文化的尊重を含む隔離定
住区に移送
記録過激残存系 軽度であれば再教育処置、強度思想保有者は封鎖/隔離
施設へ収容
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【4. 象徴性と戦史的意義】
「戦争は終わっていた。だが、彼らは滅びるまで、それを知らなかっ
た。」
― UE38021年・特別統治域最終報告書より
• この3億人は「文明の灰のなかに埋もれていた火種」であり、連邦の記
録官たちに衝撃を与える。
• 結果、銀河史上初の新たな用語が生まれる:
“記録残照種(Postluminal Specimen)”
→ 絶滅文明の断末期に、記録にも残らず、生き延びていた者たち
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【5. 終結宣言と次なる段階】
• UE38021年、大銀河連邦はスタクソン銀河群の統治・調査・制圧が完
了したことを正式に発表。
• 同時に、3億の生存者の記録を以て、大銀河分裂戦争の最終報告が編纂
され、「戦争はここに終わった」と宣言される。
「記録を拒んだ文明を、我らは記録した。
だがそこに語る者はいなかった。
我らは未来へ、ただ歩くのみ。」