本土侵攻中盤
◆ スタクソン本土侵攻作戦・中期
UE37530〜37590:文明最後の爆炎
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【全体構図】
• 期間:UE37530〜37590(60年)
• 作戦目的:スタクソン本土星系群(4系)に閉じ込められた最大40京人
を排除・制圧
• 戦況の変化:機械的防衛から一転して、人間による最後の総力抵抗戦
が本格化
• 連邦側の認識:「記録のための勝利ではない。再起を絶つための殲滅
だ」
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【1. 敵戦力の再構成】
◉ 残存人口:約40京人(中期初頭時点)
内訳 推定人数 備考
正規軍兵士 約6京人 残存陸戦兵・機械化部隊・地下守備隊など
民間戦闘動員(少年・女性・老年含) 約30京人 全都市住民に武器・爆
薬支給済
記録官・思想管理要員 約2〜3京人 戦闘には不参加だが防衛区画と密接
に配置
→ あらゆる住民が“戦闘単位”と化しており、交戦拒否も降伏も基本的に
存在しない
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【2. 主戦線別展開】
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◆ サルガッソ=カント:都市と地下の地獄戦
• 中枢星系、首都級都市群が全周囲型防衛帯を形成。
• 第13殉死集団軍(兵力:1.2京人)が要塞化した地下通路・高層構造で
階層ゲリラ戦+集中砲撃戦を展開。
• 連邦地上軍は12個軍団(約2億人)を一気投入するが、
殉死兵が重力爆弾・崩落罠・対人核グレネードで自爆的反撃。
37541年の「ハリア砦戦」では、連邦側兵3,500万人が14日で壊滅。
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◆ ミラスト=レッド:工廠防衛・重火器集中反攻
• 地下第6〜9層の重粒子工廠群を中心に、老兵・整備士・少年兵が運用
する即席火力部隊が配置。
• “記録工廠連隊”と呼ばれる民兵団が、旧式陽子砲・誘導地雷・トラッ
クベース砲台で持久防戦。
• 連邦軍は「地中絨毯爆撃」と「構造爆破用の波動震爆機」を投入、都
市構造ごと押し潰す形で突破。
連邦死傷者:約1.1京人/都市7つが“全地殻瓦解”で消滅
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◆ ユグス=ザナドア:民間防衛蜂起と市街地戦
• 一時“無人化”と誤認されたが、37555年以降、記録少年兵・女性義勇兵
による数千万単位の市街戦蜂起が発生。
• 彼らは文字通り**「建物と一体化して敵を待つ」戦術**(例:壁内潜
伏、自爆床下待伏せ)を採用。
• 特に“南第九ブロック戦”では、連邦歩兵13万人が進入から2時間で全
滅。救援隊ごと陥落。
中期末までに確認された民兵総数:約22京人
自爆型・待ち伏せ型が全体の6割以上
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◆ カリガリオ=ネクス:記録防衛区と思想圏封鎖
• 跳躍エネルギー炉+記録保管塔が密集。
• 軍事目標というよりは「絶対に占領させてはならない」地点として、
思想管理官直属の自爆特攻部隊が配置
• 37585年、連邦第3跳躍襲撃団が侵攻 → 跳躍炉周囲で400万人同時自
爆、爆風で恒星炉が不安定化
• 作戦は延期され、軌道からの間接射撃+重力爆破による外周先制制圧
へ戦術転換
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【3. 損耗と戦果】
指標 数値
連邦軍戦死者(中期) 約18〜20京人
スタクソン側戦死者 約25京人(人口の60%以上)
地表制圧度(本土4星系) 75%程度(都市制圧/地下未完)
軍指令部評価 「抵抗は終末を超えている」「ここにあるのは戦闘ではな
く、焼却である」
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【4. 中期末情勢】
• 本土星系の残存人口:約15〜20京人
• 連邦軍は都市の約7割、地下区画の約5割を制圧。
• スタクソン残存勢力は、跳躍炉・星核・記録拠点の**“文明中枢”に立
てこもり、玉砕戦の構え**
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◆ 評価
「この60年、敵は一発も通信を撃たなかった。
だが、壁は爆ぜ、街が叫び、民が全身で記録を守ろうとした。
それは、彼らが文明を捨て、記録の代わりに瓦礫を選んだ証拠だっ
た。」
― 統合第5方面軍・中期報告書