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紫星艦上爆撃機

紫星

開発経緯

1. 瑞雲から紫星へ

瑞雲は元々高性能な水上偵察機として開発されていましたが、第二次世

界大戦では水上機の運用ができる戦場がかなり限られることが明らかに

なりました。そのため、愛知航空機と日本海軍は協議を重ね、瑞雲を陸

上機および艦載機として運用する「試製紫星」の計画を立案しました。

2. 護衛空母需要への対応

1943年に護衛空母(海防空母)での運用を見越して、紫星は艦上爆撃機

としての採用が決定されました。零戦や九七式艦攻の後継機として、対

潜哨戒や爆撃任務に対応できる多用途機として設計が進められました。

設計の特徴

1. フロートから翼下ブレーキへの変更

紫星は瑞雲で使用されていたフロートにダイブブレーキを備える設計を

引き継ぎつつ、艦載機化に伴いフロートを撤去。新たに翼面下にダイブ

ブレーキを設置することで急降下爆撃性能を向上させました。

2. 小型艦への対応

海防空母の短い飛行甲板に対応するため、英国から供与された油圧式カ

タパルトを活用し、発艦性能を大幅に向上。また、着艦時の安定性を高

めるため、尾輪式の設計を採用。

3. 武装・電子装備

磁気探知機や電波探信儀を搭載することで、対潜哨戒能力を強化。さら

に、爆撃任務用の柔軟な武装構成を実現しました。

性能諸元

• 全長: 10.84 m

• 全幅: 12.80 m

• 発動機: 三菱金星五四型 (1,300 hp)

• 最高速度: 472 km/h

• 巡航速度: 333 km/h

• 航続距離: 2,450 km

• 武装:

• 20 mm機関砲 × 2

• 13 mm旋回機銃 × 1(量産型)

• 60 kg爆弾 × 2~3 または 250 kg爆弾 × 1

• 磁気探知機または電波探信儀

• 乗員: 2名

運用

1. 護衛空母での運用

紫星は主に室蘭型海防空母で運用され、船団護衛や対潜哨戒任務に従事

しました。零戦と共に護衛空母の航空戦力を支え、特に北大西洋や地中

海でのUボート撃退に貢献しました。

2. 多用途性

紫星は爆撃機としての運用だけでなく、哨戒任務や近接航空支援にも活

躍。戦局の進展に応じて柔軟に任務を遂行しました。

3. 戦後の運用

戦後、紫星の設計は対潜哨戒機や訓練機として改良され、長期間にわた

り運用されました。第二次日米戦争では改修型が現役復帰し、ヘリコプ

ター運用が一般化するまでの繋ぎとして使用されました。

特に電探・磁探を外部ユニットとして胴体下に懸吊するように変更した

紫星電子偵察機(紫星33型)は第二次日米戦争初期の対潜水艦戦闘で多

大な戦果を揚げました。中でも日英合同トラック救援船団(TV17船団と

タイフーン戦隊)での高橋少佐機の活躍と最期は有名です。

評価と影響

1. 高い実用性

瑞雲の設計を基にした紫星は、軽量かつ信頼性の高い機体として評価さ

れました。特に護衛空母での運用において、その多用途性と整備のしや

すさが称賛されました。

2. 生産と派生型

紫星は日本国内の他、満州国でも生産され、日英同盟ブロック全体で運

用されました。一部の派生型には燃料効率を向上させた改良型エンジン

や追加装備が搭載されました。

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