スタクソンとの関係年代記
UE19960〜22990年:スタクソン共和連邦と大銀河連邦の接触と軋みの
年代記
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【UE19960年】
● 第七銀河遠征艦隊、マフェイ銀河群外縁に出現
• スタクソン共和連邦が物理的に顕現。
• 一切の武力誇示も外交圧力もなく、“存在”そのものを通じて友好を提
示。
• **中央銀河連邦**は慎重姿勢を保つが、
マフェイ(ティバン)・ボレアリスは即座に友好推進に傾く。
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【UE19985年】
● 初の技術交流協定締結
• 「構造安定型資材共有覚書」発効。
• 大銀河連邦側の工学者・行政官が、スタクソン設計思想に初めて触れ
る。
• 評議会では「完璧に調和的すぎる設計」に一部サムライが懸念を表
明。
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【UE20010〜21000年代】
● 文明間協力期の深化
• 構造共感型言語フレームの試験導入(レンズマン翻訳機構による)
• マフェイでは、行政運営にスタクソン式統治補助プロトコルが一部導
入。
• ボレアリス軍政局、スタクソン製艦隊航法計算機を共同実験に採用。
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【UE21100年】
● スタクソン代表団、ヨコマー公式訪問
• 秩序と礼節に満ちた儀礼が評価される一方、
一部記録官から「感情的な差異が存在しないことへの違和感」が報告
される。
置。
• 精神構造局が、スタクソン式“感応同期空間”の構造に研究チームを設
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【UE22500年】
● 超長距離ラウムバーン航路構想 提出
• スタクソンが大銀河連邦との恒常交通網の構築提案を公式提出。
• 「銀河団間秩序の持続的接続」を掲げ、設計支援と資材提供を申し
出。
• マフェイ・ボレアリスはこれを「文明融合の記念碑」と称賛。
• 中央・ケートス・カネス・ヴェナティキは「事前観測と段階協議の必
要性」を表明。
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【UE22870年】
● サムライ調査官2名、構造視察任務中に消息不明
• ラウムバーン建設補助施設“索区域L-8”にて異常発生。
• 通信記録の断片:「構造が、見てはならない動きを……」
• 公式には事故と記録されるも、ヨコマーで非公開調査開始。
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【UE22943年】
● レンズマン2名、精神混濁状態で帰還
• 翻訳不能な語彙反復、視覚概念の逸脱、帰属感喪失などを訴える。
• 記録局:「**これは情報障害ではなく、“言語の根拠そのものの崩壊”**
の兆候」と判断。
• 評議会、再観測団編成を検討開始。
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【UE22960年】
● ラウムバーン恒常接続準備段階完了/大規模観測団派遣
• 総勢20,000名超の技術者・記録官・レンズマン・サムライ・医療局員
が公式に派遣。
• スタクソン友好圏構造基底部“索区域L-14〜32”を対象に調査。
• 全記録:「異常なし」「負荷は低く、秩序的」「精神負担も皆無」
• だが――それが**“一人残らず同じ結論”だったことで、
中央銀河連邦・ケートス・カネスに激しい違和感と疑念
**が生じる。
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【UE22990年】
● 銀河評議会、亀裂の表面化
● 再観測派(中央・ケートス・カネス・ヴェナティキ):
• 「不審点がないことが最大の不審」
• 「この一致は“設計された観測の枠”の中で得られたものでは?」
• 「構造に“疑問の起こらない地形”が仕込まれている」
• 再調査・観測論的改訂・ラウムバーン稼働延期を提案
● 接続推進派:
• 「観測結果を疑うのは科学の否定」
• 「平和と秩序を恐れてどうする」
• 一部では「中央はスタクソンに対する“思想的偏見”を持っている」と
非難
● スタクソン共和連邦(公式声明):
「不安は尊重します。だが、疑念に構造を屈させることは、未来を縛る
ものです。
我々は変わらず、開かれています。」
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【現在(UE22990)】
• 評議会内の対立は未決着のまま、
**ラウムバーン稼働は“技術的には完
了”**状態で保留。
• サムライ顧問団の一部では、「秩序は既に内部から来ている」との発
言も記録される。
• 一部サムライ、レンズマン、記録官の間で“違和感なき不安”という表
現が共有され始める。
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UE22990〜23010年:ラウムバーン・テロ事件とスタクソン防衛艦隊配
備の経緯
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【UE22991年】
● ラウムバーン第17接合点「メソリンク-17」で爆発事故
• 当初は建設上の事故とされるが、調査団によって**異常振動波動によ
る“局所構造逆流”**が検出され、
**明確な破壊工作(テロ行為)**であると断定される。
• 被害:維持要員37名死亡、輸送艇6隻破損、結節管路が一時分断。
• 実行主体は不明。
• スタクソンは「我々の構造では起こりえない。外部要因による反応誘
発である」と主張。
• 一部では「大銀河連邦側の反スタクソン過激派の犯行ではないか」と
も。
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【UE22992年】
● スタクソン共和連邦、防衛的措置を申し入れ
「我々は、秩序の場を護るため、非攻撃型の防衛艦隊を臨時的に宙域展
開する準備がある。
この行動は攻撃ではなく、安定維持の一部である。」
• 配備予定艦隊:
• 指揮巡洋艦2隻、構造警戒艦12隻、物資管制艇28隻、通信安定フレー
ム群。
• いずれも“武装非開示”だが、艦体設計にはスタクソン特有の構造位相
制御装置を含む。
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【UE22993〜22995年】
● 銀河評議会、再び紛糾
■ 中央銀河連邦・ケートス・カネス・ヴェナティキ(慎重
派)
• 「武装の有無よりも、“配置という事実”が秩序の支配構造を変える」
• 「事件の真相が明かされていない段階で、第三勢力の軍事的進入を認
めるべきでない」
• ヨコマーでは、サムライ内に「スタクソン艦艇の存在圧そのものが“構
造精神影響源”になり得る」との警告も
■ マフェイ・ボレアリス(容認派)
• 「防衛配備は技術的必要性にすぎない」
• 「スタクソンの安定構造は、むしろラウムバーンの防衛において最も
信頼性が高い」
• 「この期に及んで拒否するのは、共通防衛責任の放棄だ」
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【UE22996年】
● ボレアリス、独自にスタクソン艦隊の支援要請を“先行承認”
• マフェイも続いて追認。
• 両連邦の宙域内でのラウムバーン結節点に、スタクソン艦が正式展開
され始める。
• ヨコマーでは「未承認の連邦内軍事配備」として抗議声明が出される
が、拘束力は弱い。
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【UE22998〜23000年】
● スタクソン艦隊、現地にて“安定的・非介入的な警戒”を展開
• 全艦が指揮通信遮蔽態勢に入り、外部からの艦内観測は不可能。
• 全隊が一糸乱れず“動かない”まま待機する様子が、異様な静けさと威
圧を生む。
• ヨコマーの精神構造研究局が「艦隊を“見ている”者の反応に“観測異
常”がある」と報告。
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【UE23005年】
● 評議会:正式承認なくして、事実上の“分断的軍事存在”が発生
• **「スタクソン秩序圏」**と呼ばれる領域が、事実上マフェイ・ボレア
リス内に成立。
• 他の連邦との間に防衛・観測体制の断絶が生じはじめる。
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【UE23010年】
● 精神共鳴障害の報告が、マフェイ連邦内で散発的に現れ始める
• 初期報告では「睡眠時の記憶再構成」「判断基準の変動」「発言にお
ける自己構文の喪失」など
• だが、それを訴える者はごく少数であり、社会全体はむしろ“安定し
た”まま推移
「この艦隊は、護っているのか。
あるいは、“問いかけを忘れさせる環境”を、そこに置いているのか。」
— サムライ局非公開報告書より
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【UE23010年】
マフェイ・ボレアリス内で、スタクソン秩序受容傾向が“文化的常識”と
して定着し始める。
→ 一部サムライ・レンズマンの発言や調査が「不快」とされるようにな
り、活動制限が暗黙のうちに始まる。
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【UE23015年】
中央銀河連邦にて、“協調秩序構造調査特務団”が極秘編成
される。
• 高位レンズマン15名、サムライ顧問6名、構造翻訳局と精神安全局の連
携部隊を含む。
• 表向きはラウムバーンの構造安全検証再審査。
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【UE23020年】
大銀河連邦軍、マフェイ・ボレアリス境界宙域への“臨時防衛部隊”を正
式配備。
• 軽巡級艦隊2個隊、警戒衛星ネットワーク、構造監視中継モジュール群
など。
• マフェイ議会、「過剰反応であり、平和への侮辱」と抗議声明。
• 一部ボレアリス軍部が反発し、「連邦の干渉が軍事的自治を侵害して
いる」と警告。
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【UE23025年】
スタクソン、事態を「遺憾」としつつ、ラウムバーン周辺に“再強化型
構造安定艦”を追加派遣。
→ 表向きはあくまで「構造安定目的」だが、各艦には無線遮蔽・位相移
動能力が観測される
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【UE23030年】
初の銀河間緊急非公開会合が開かれ、“大銀河連邦内の秩序方針の再定
義”が議題に上がる。
「秩序とは、平和を前提とするか。
それとも、疑念に対してもなお“問い続ける権利”を保持する形なの
か。」