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戊式40mm機銃

### **戊式40mm機銃と九六式25mm機銃の導⼊・運⽤史**

#### **1. 導⼊の背景**

- **九六式25mm機銃の登場**

- 九六式25mm機銃は1936年に制式採⽤され、その信頼性と⽣産性の⾼さか

ら⽇本海軍の防空戦⼒の中核を担いました。特に近距離防空では優れた成果を

挙げ、多くの艦艇に搭載されました。

- しかし、航空機の⾼速化と⾼⾼度爆撃の脅威が増す中、射程や⽕⼒に不⾜

があることが明らかになり、より強⼒な中距離対空兵器の導⼊が求められまし

た。

- **戊式40mm機銃の採⽤経緯**

- ⽇本海軍はオランダ領東インド、英国、カナダからボフォース40mm機銃の

設計図⾯を⼊⼿し、1940年には⽣産準備に着⼿しました。

- 1941年6⽉にボフォース社との正式なライセンス契約を締結し、「戊式

40mm機銃」として制式採⽤しました。設計段階から国内⼯業⼒に適応させた

ことで、⽣産性を⼤幅に向上させました。

#### **2. 性能⽐較と戦術的役割**

| **機銃型式** | **最⼤射程** | **発射速度** | **役割** |

| 九六式25mm機銃 | 3,000m | 毎分110発 | 近距離防空、補助的兵装

|

| 戊式40mm機銃 | 10,000m | 毎分120発 | 中距離対空防御の中核

|

- **九六式の役割**

- 近距離防空での信頼性の⾼さから、新型兵器導⼊後も補助兵装として継続

使⽤。⼩型艦艇や陸上防空、対空戦⾞に搭載され、特に⼆線級部隊で重宝され

ました。

- **戊式の優位性**

- ⾼⽕⼒と⻑射程により、中距離防空の中核を担い、対空戦闘能⼒が⾶躍的

に向上しました。⾼⾼度爆撃機や急降下爆撃機への対抗策として効果を発揮し

ました。

---

#### **3. 射撃指揮装置の進化**

- **⼀式機銃射撃指揮装置**

- 戊式40mm機銃の初期配備時に導⼊され、従来の⼿動照準に⽐べ⼤幅に命中

率を向上。防空巡洋艦や航空⺟艦の対空戦闘で効果を発揮しました。

- **五式機銃射撃指揮装置**

- 電探との連携により、移動⽬標への精密射撃が可能に。1945年以降、主要

艦艇に搭載され、防空能⼒を⼤幅に向上させました。

---

#### **4. 多層的防空体制の構築**

- **統合運⽤**

- 戊式40mm機銃が中距離防空の主⼒、九六式25mm機銃が近距離防空を補完

する形で統合運⽤されました。

- 両機銃が適切に配置され、段階的に敵航空機の進⼊を阻⽌するシステムを

構築しました。

- **主要配備例**

- ⼤淀型防空巡洋艦、秋⽉型駆逐艦、翔鶴型航空⺟艦など主要艦艇で両機銃

の組み合わせが⾒られました。防空戦隊を編成し、艦隊全体の航空防御を強化

しました。

---

#### **5. 運⽤実績と評価**

- **第⼆次世界⼤戦中の活躍**

- 戊式40mm機銃と九六式25mm機銃の多層的防空体制は、艦隊防空能⼒を向

上させ、敵航空機による損害を⼤幅に低減しました。

- 特に1946年以降、五式機銃射撃指揮装置との連携により、複数の航空攻撃

を撃退する成功例が記録されました。

- **戦後評価**

- 戊式40mm機銃は国際的にも評価され、戦後他国への輸出も検討されまし

た。⼀⽅、九六式25mm機銃は補助兵装として⻑期間使⽤され続けました。

---

#### **6. 戊式40mm機銃の⽣産と法的問題**

- **⽣産状況**

- 1942年から本格的に量産が開始され、第⼆次世界⼤戦末期には⽉産100基

以上を達成。艦艇だけでなく陸上基地や沿岸防衛にも配備されました。

- **ライセンス問題**

- 戦時中にボフォース社とのライセンス料が未払いとなり、戦後に法的問題

が発⽣。賠償交渉の末、問題は解決されましたが、⽇本政府とボフォース社と

の間で緊張が残りました。

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