表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/587

高千穂型戦艦

## **⾼千穂型戦艦と⽇⽶戦争の戦訓**

### **1. 戦時急造計画と遅延の背景**

#### **1.1. 計画⽴案**

- **⽇⽶戦争中の戦⼒補填案**

- 1936年、⽇⽶戦争激化に伴い、⾦剛型代艦として45,000トンクラスの⾼速

戦艦「⾼千穂型」の建造が決定。

- 当初の計画では、1938年から1939年にかけて全艦を竣⼯させる予定だっ

た。

#### **1.2. 遅延の原因**

- **設計変更による影響**

- ⽇⽶戦争の戦訓が建造中に反映され、以下の改良が実施された:

1. **対空⽕⼒の強化**

- ⽶軍の航空戦⼒に対抗するため、⾼⾓砲を10基から12基に増設。

- 25mm三連装機銃をさらに多数搭載し、対空⽕⼒を⼤幅に強化。

2. **⽔中防御の強化**

- ⽶軍潜⽔艦の活躍を教訓に、複層構造の⿂雷防御システムを強化。

- **資材供給と優先順位の問題**

- ⼤和型戦艦に使⽤される特殊鋼材の優先供給が⼀時的に影響し、⾼千穂型

の建造進捗が遅れた。

- ⽇⽶戦争終結後に資源供給が安定し、⼯期が短縮される。

---

### **2. ⾼千穂型戦艦の竣⼯スケジュール**

#### **2.1. 各艦の進⽔と竣⼯**

1. **⾼千穂**

- 1938年進⽔、1940年竣⼯(呉海軍⼯廠)。

2. **穂⾼**

- 1938年進⽔、1940年竣⼯(佐世保海軍⼯廠)。

3. **葛城**

- 1939年進⽔、1940年竣⼯(横須賀海軍⼯廠)。

4. **笠置**

- 1939年進⽔、1940年竣⼯(舞鶴海軍⼯廠)。

#### **2.2. ⽇⽶戦争後の調整**

- **戦訓を反映した戦艦の完成**

- 戦争終結後に得られたデータを設計に反映した結果、艦隊防空能⼒が向上

し、欧州戦線での実⽤性が増した。

- **竣⼯時の完成度**

- 戦訓を取り⼊れた結果、当初計画を超えた性能を持つ戦艦として完成。

---

### **3. 第⼆次欧州⼤戦での活躍**

#### **3.1. ⽇英同盟の再評価と⽇本の派遣**

- **⽇英同盟強化**

- 1940年、欧州での戦争激化に伴い、⽇英同盟が再評価され、⽇本海軍の戦

⼒が英国の要請に応じて派遣される。

- **⾼千穂型の派遣**

- 最新鋭の⾼千穂型戦艦4隻が地中海戦線に投⼊され、連合軍の主⼒艦隊とし

て活躍。

---

#### **3.2. 地中海戦線での活躍**

- **護衛任務**

- ⾼千穂型は、地中海における連合軍の輸送船団護衛に投⼊。ドイツおよび

イタリア海軍の通商破壊作戦を阻⽌する任務を担う。

- **シチリア沖海戦(1941年)**

- ⾼千穂と穂⾼が、イタリア艦隊の「ヴィットリオ・ヴェネト級」と交戦。

主砲の精度と速⼒を活かし、敵艦隊に⼤打撃を与える。

- **マルタ防衛**

- 英国の植⺠地マルタに対する攻撃を阻⽌するため、対空⽕⼒を駆使し、連

合軍輸送船団を⽀援。

---

#### **3.3. 北⼤⻄洋戦線での活躍**

- **Uボート対策**

- 北⼤⻄洋での護衛任務では、対潜哨戒機と連携し、ドイツUボートの活動を

制限。

- **ティルピッツ撃破作戦**

- 1943年、葛城と笠置がノルウェー沿岸でドイツ戦艦ティルピッツを発⾒

し、これを撃破する戦果を挙げる。

---

### **4. ⾼千穂型の戦後の影響**

- **戦後の象徴**

- ⾼千穂型は、⽇英同盟の象徴として認識され、戦後の⽇本と英国の協⼒関

係を象徴する存在となる。

- **技術的進化**

- 戦争中の設計変更により得られた技術は、⽇本の造船技術向上に⼤きく寄

与。

---

### **⾼千穂型戦艦 要⽬(竣⼯時)**

#### **基本性能**

- **艦種**:⾼速戦艦

- **基準排⽔量**:45,000トン

- **満載排⽔量**:55,000トン

- **全⻑**:240m

- **全幅**:32m

- **吃⽔**:10.5m

#### **主機・速⼒**

- **機関**:タービン4基4軸、重油専焼⽸12基

- **出⼒**:165,000⾺⼒

- **速⼒**:31ノット

- **航続距離**:9,000海⾥(18ノット巡航時)

#### **兵装**

- **主砲**:41cm三連装砲4基(12⾨)

- 最⼤射程:42,000m

- ⾼初速砲弾を採⽤し、徹甲能⼒を強化。

- **副砲**:15.5cm連装砲4基(8⾨)

- 射程:22,000m

- **対空兵装**:

- 12.7cm⾼⾓砲6基(12⾨)

- 25mm三連装機銃48基(144⾨)

- 戦時中の改修で機銃の増設を予定。

- **⿂雷兵装**:なし(航空雷撃や潜⽔艦対策のため⾮装備)

#### **防御**

- **主装甲帯**:350mm

- **甲板装甲**:最⼤220mm

- **砲塔装甲**:400mm(前⾯)、200mm(側⾯)

- **⽔中防御**:多層防御構造を採⽤し、⿂雷の爆発⼒を吸収する設計。

#### **搭載装備**

- **航空機**:艦載機3機(零式⽔上偵察機など)

- カタパルト2基を装備。

#### **乗員**

- **定員**:1,600名

---

### **設計思想の特徴**

1. **⽕⼒の集中**

- 主砲12⾨により敵戦艦に対する圧倒的な砲撃⼒を発揮。

2. **⾼速性の重視**

- 31ノットの速⼒で、巡洋戦艦的な機動⼒と戦艦としての⽕⼒を両⽴。

3. **防空能⼒の強化**

- ⾼⾓砲と機銃を多数装備し、航空機からの攻撃に対応可能。

4. **防御⼒の向上**

- ⿂雷や爆弾に対する耐性を強化し、戦場での⽣存性を⾼める。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ