ジオンのいちばん長い日
ジオンの一番長い日 —— 2412年1月1日
ジオン独立戦争、最後の24時間。帝国の終焉と共和国の誕生を決した歴
史的な一日。
00:00 —— 御前会議の召集
ジオン本国(サイド3)/公王宮・最高評議会議場
ジオン公国の命運を決する御前会議が、深夜に召集された。
この戦争が始まって以来、最も重く、最も重要な会議となる。
• 議題:エアーズ条約の受諾か、最後の本土決戦か。
• 参列者:
• 公王:ミネバ・ラオ・ザビ(20歳)
• 軍事大臣:ハマーン・カーン
• 和平派(共和国派):ジオン共和国構想を持つ閣僚・貴族・官僚たち
• 軍部強硬派:本土決戦を主張するジオン軍高官たち
• ザビ家擁護派(宮廷派):ザビ家の存続を最優先とする貴族派
場の雰囲気
• 場内の照明は最低限に落とされ、暗く重い雰囲気 が漂う。
• 巨大な円卓の中心には、光るホログラムの戦況マップが投影されてい
る。
• それを囲む各派閥の指導者たちは、一言も発さず、沈黙の中で議論の
開始を待っている。
戦局は明白だった。ジオンの敗北は避けられない。
だが、問題は「どう終わらせるか」だった。
01:30 —— 激論、膠着する議論
「本土決戦か降伏か」
• 軍部強硬派:「連邦に屈するなど断じてありえん!最後の一兵まで戦
うべし!」
• 和平派(共和国派):「無意味な抵抗を続けることは、ジオンそのも
のの滅亡を意味する!」
• ザビ家擁護派:「ザビ家の存続が保証されない限り、和平は認められ
ぬ!」
激しい言葉が飛び交う。拳を叩きつける者もいる。
和平派と強硬派の対立は、すでに何度も繰り返された議論だった。
• 和平派:「ジオンはすでにグラナダを失った。もはや戦い続ける術は
ない。」
• 軍部強硬派:「戦わずに降伏するなど、ジオンの誇りに反する!」
• ザビ家擁護派:「連邦の要求を呑めば、ザビ家は処刑される。我々は
それを看過できぬ!」
議論は平行線をたどり、膠着状態に陥った。
03:00 —— ミネバ・ラオ・ザビの決断
場の沈黙を破ったのは、ミネバ・ラオ・ザビだった。
「私はザビ家の存続のためにここにいるのではない。ジオンの民を生か
すために、この場にいる。」
全員が言葉を失う。
「もし私の死がジオンの未来を保証するならば、私は処刑されても構わ
ない。」
• 和平派は驚愕し、軍部強硬派は沈黙。
• ザビ家擁護派の貴族たちも、彼女の決意に反論できず顔を伏せる。
• 「国体を護持し得て、ここに新たなる時代を迎えんとす。」
• この瞬間、エアーズ条約の受諾が決定された。
04:30 —— クーデター計画始動
条約受諾が決定したその時、 ザビ家擁護派の一部と軍部強硬派が動き出
していた。
• 目的:ザビ家の地位を保証するため、ミネバを拘束し、連邦との交渉
を破棄させること。
• 計画:近衛兵を買収し、公王宮を占拠する。
• 主導者:「ザビ家の正統性こそがジオンの未来を保証する」と信じる
宮廷派。
06:00 —— クーデター発覚、鎮圧命令
共和国派の治安部隊がクーデターの動きを察知し、素早く動く。
• 宮殿防衛隊の一部が寝返り、クーデター部隊が公王宮へ向かおうとす
る。
止。
• だが、治安部隊と忠誠を誓う近衛兵が事前に動き、宮殿への侵入を阻
• クーデター派は武装抵抗を試みるが、短時間で鎮圧される。
07:30 —— ハマーン・カーンの沈黙
クーデター鎮圧後、ハマーン・カーンは静かにミネバの元を訪れる。
「ミネバ様……あなたはよく戦われました。」
• 彼女はそれ以上何も言わず、ただ深く一礼して立ち去る。
• ミネバは、その瞬間に彼女の決意を悟った。
09:00 —— ハマーン・カーンの自決
• ハマーン・カーンは、自室に戻り、最後の手紙をしたためる。
• 「戦争を終わらせるには、責任を取る者が必要だ。」
• 彼女はその場で、静かに銃を手にし、引き金を引いた。
12:00 —— ミネバ・ラオ・ザビの終戦演説
• 「ジオンの臣民よ、余は本日、重大なる決断を伝えねばならぬ。」
• 「余は、地球連邦政府と講和条約を締結し、ここに戦いを終結せしむ
ることと相成った。」
• 「余は志を曲げ、耐え難きを耐え、忍び難きを忍び、もって未来のた
めに剣を収めんとす。」
• 「しかれども、幸いにして国体を護持し得たり。我らはここに新たな
る時代を迎えんとす。」
• 「ジオンは滅びず。我らはここより、新たなる道を歩まん。」
13:00 —— ジオン共和国成立
• ジオン共和国が成立し、地球連邦の監視下で自治を確保。
• ザビ家は象徴的存在として存続し、ミネバは公王として国民統合の役
割を果たす。
• 旧ジオン軍の一部が地下活動を開始し、戦後も緊張が残る。
結論:ジオンの最も長い一日
• 御前会議での決断
• クーデター未遂の発生と鎮圧
• ハマーン・カーンの自決
• ミネバ・ラオ・ザビの終戦演説
すべてが、わずか12時間の間に起こった、歴史的な一日だった。