八八艦隊
### **八八艦隊計画**
#### **1. 計画の概要**
八八艦隊計画は、日本帝国海軍が掲げた戦略的軍備構想であり、戦艦8隻と巡洋戦艦8隻を中核に、補助艦艇や航空戦力を組み込んだ理想的な艦隊編成を目指しました。
計画は1930年代中盤に完成し、第一次日米戦争(1935~1937年)において主力艦隊として運用されました。本計画は、戦艦や巡洋戦艦による火力重視の戦略を基盤に、航空戦力や重巡洋艦を柔軟に組み込んだ構成となっています。※1
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#### **2. 艦艇一覧**
##### **戦艦部隊(8隻)**
1. **長門型戦艦(2隻):長門、陸奥**
- 世界初の41cm主砲を搭載し、日本海軍の象徴的存在となる戦艦。
- 高火力・高防御力を持ち、艦隊決戦の中核を担いました。
2. **加賀型戦艦(2隻):加賀、土佐**
- 長門型を発展させた設計で、防御力と航続距離を向上。
- 艦隊決戦における持久力と火力が特徴。
3. **紀伊型戦艦(4隻):紀伊、尾張、駿河、近江**
- 計画の最終型戦艦であり、高速性能と火力のバランスを重視した設計。
- 近代化改装も想定されており、長期的な運用が可能。
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##### **巡洋戦艦部隊(8隻)**
1. **天城型巡洋戦艦(4隻):天城、赤城、愛宕、高雄**
- 高速性能と火力を重視した巡洋戦艦。艦隊決戦や敵艦隊の追撃を想定した設計。
2. **富士型巡洋戦艦(4隻):富士、阿蘇、石鎚、大雪**
- 46cm砲を装備した新世代巡洋戦艦で、戦艦に匹敵する攻撃力を有します。
- 防御力と速力を高水準で両立し、戦略的柔軟性を強化。
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##### **航空戦力(空母4隻)**
1. **鳳翔型航空母艦(2隻):鳳翔、飛翔** ※2
- 世界初の航空母艦として、航空戦力運用の基盤を築きました。
- 艦載機の運用により、航空戦術の発展を支援。
2. **龍驤型航空母艦(2隻):龍驤、龍鳳** ※3
- 鳳翔型を基に設計され、艦載機運用能力を強化。艦隊偵察や支援任務を想定。
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##### **重巡洋艦(16隻)**
1. **古鷹型重巡洋艦(4隻):古鷹、加古、加茂、木津** ※4
- 条約型重巡洋艦の先駆けであり、速力と火力に優れた設計。
- 艦隊護衛や偵察任務を中心に運用されました。
2. **青葉型重巡洋艦(4隻):青葉、衣笠、名寄、奥入瀬** ※5
- 古鷹型を基に防御力を強化し、航空設備を追加。柔軟な運用が可能。
3. **阿賀野型重巡洋艦(4隻):阿賀野、能代、矢矧、酒匂** ※6
- 艦隊直衛や多用途作戦を想定し、攻撃力と防御力を兼ね備えた設計。
4. **最上型重巡洋艦(4隻):最上、三隅、鈴谷、熊野** ※7
- **特徴:** 阿賀野型を発展させた設計。
- 航空支援能力と砲火力を併せ持ち、艦隊運用の柔軟性を向上。
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##### **潜水艦部隊**
- 海大型潜水艦や呂号型潜水艦を中心に、敵艦隊への奇襲や補給路遮断を目的とした運用が計画されました。
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#### **3. 八八艦隊完成の影響**
1. **艦隊構成の進化**
- 戦艦・巡洋戦艦による従来の火力中心主義を維持しつつ、航空戦力や重巡洋艦を組み込み、戦術的柔軟性を大幅に向上させました。
2. **航空戦力の基盤形成**
- 鳳翔型・龍驤型の空母が航空戦術の発展に寄与し、艦隊決戦における偵察能力と先制攻撃能力を強化。
3. **重巡洋艦の多様性**
- 古鷹型・青葉型・阿賀野型・最上型といった多様な重巡洋艦が、偵察、直衛、航空支援といった多岐にわたる任務を担いました。
4. **第一次日米戦争での活躍**
- 八八艦隊は、1935~1937年の第一次日米戦争で主力として活躍。戦艦・巡洋戦艦の火力と、防御的運用により敵艦隊への優位性を確保しました。
※1:関東大震災の影響もあり若干遅延しました。
※2:史実では1隻
※3:史実では1隻。史実より余裕のある設計とします。史実の祥鳳型程度の規模。
※4・5:史実では2隻
※6:史実の妙高型
※7:史実の高雄型