どうしても納得できない熊と遭遇した時の対処法
皆さんこんばんは。
産まれは北海道の田舎ですが、ヒグマと遭遇したことはない、オムライスオオモリと申す者です。
……恐らくヒグマはオムライスが好物ではないのでしょう。
――などと、つまらない冗談は置いておき、秋の行楽シーズンとなり、山菜採りや登山で熊と遭遇した――というニュースを観たので、その時に思ったことを綴りたいと思い、このたび筆を取らせて頂きました。
そのニュースでは、熊に遭遇した方が撮影した動画が二件程紹介されていたので、それらにも言及したいと思います。
因みにそのニュースは途中から観たので、紹介された動画は他にもあったかもしれません。
でもその前に、私の熊に対するイメージを少し語らせて下さい。
いやぁ、熊は怖いですよね。
異世界ファンタジーでモンスターが出てきますけど、熊は現実でも存在するリアルモンスターというのが私の認識です。
なのでデフォルメした熊のキャラクターやぬいぐるみが女の子に人気だったりしますけど、そういうのを見る度、「いや、モンスターだろ」と、野暮なことを思ってしまうのです。
子供の頃、親が観ていた実在の熊被害をモデルにした映画で心底ビビったので、その影響もあるのかもしれません。
因みにその映画は邦画で、明治か大正あたりの北海道の開拓村を舞台にしたものでした。
チタタプチタタプヒンナヒンナ。
怖くて断片的にしか観ていないので曖昧な記憶ですが、マタギが熊と戦う話だったと思います。
その映画で開拓民の一家が惨殺されるシーンがあるのですが、野生の問答無用の残酷さや恐ろしさが演出されていて、その衝撃は幼い私の心にこびりついて、今でも拭えません。
たしか惨殺された一家の奥さんのお腹には赤ちゃんがいて、赤ちゃんごとお腹を食い荒らされた亡骸を発見して、旦那が泣き崩れるシーンだったと思います。
なんというか胸糞というより、とにかく怖かったです。
ある程度年をとってから、実在の熊被害について調べてみたことがあるのですが、これも今調べた訳ではないので間違っていたらすみません。
調べた結果、どうやら全ての熊が獰猛なわけではなく、映画のように一家を惨殺したり、登山同好会の学生を執拗に追い回して、恐怖を味わわせたあとに股間を食いちぎって殺す熊は、一部の人間で言うところのサイコパスのような個体だそうです。
その記事では、そういった個体は執着心が異常に高く、一度獲物と定めた相手のことを、決して諦めないのだとか。
そして人間の味を覚えて殺戮を繰り返すそうです。
……やっぱ熊こえー!!
当然ながら体の作りが人間と違うし、体力、膂力、体の頑健さ、俊敏さ等が、丸腰の人間では逆立ちしても勝てないし逃げられないレベルなので、熊と遭遇したら刺激しないでやりすごすのが1番だと思うのです。
有名な熊対策として、リュックに鈴をつけて臆病な熊に人間の存在を知らせて遠ざける――というものがありますが、上記のような熊だったら逆効果という話も聞いたことがあります。
尤も、そのような熊は今の時代、害獣駆除業者が駆除しているでしょうけどね。
熊も臆病なので、バッタリ出会ってしまい、パニックになり襲ってくる事態を防ぐ――という意味では有効だと思います。
私は怖いので山には行きませんが(笑)
さて、長々と私の熊に対する印象を語ってしまいましたが、本題のニュースの話に入りたいと思います。
ニュースの内容は動画の紹介と、万が一、熊に遭遇してしまった場合の対処法についてでした。
その対処法が素人でも分かる、あまりにもクソな内容だったんですよ。
なので、その内容は作品タイトルにある通り、最後に持ってくるとして、まずは紹介されていた2本の動画について話したいと思います。
まず一本目、山で遭遇してしまったケース。
動画は、山菜採りで山入りしていた男性が、大声で威嚇しながら拾った木の枝を振り回しているものでした。
結果、相手が子熊だったので、撃退には成功しました。
これについては、一見勇敢にも思えますが、熊を刺激しないという観点ではダメだったと思います。
子熊ということは、親熊もいるでしょうし。
でも、その男性も焦っただろうし、パニックになっていたのかもしれません。
正直、私が彼の立場だったら、適正な行動ができたとは到底思えません。
なのでニュースキャスターがドヤ顔で、「刺激しないことが重要です」と言っていたのが少し鼻につきました。いや、正しいのだけれども(笑)
まあ、安全なところから、こうして余裕かまして書いている私も、とやかく言える立場じゃないですけどね。
次に、車でドライブ中に熊と遭遇してしまったケース。
この動画では、夫婦なのかリア充クソカップルなのかは分かりませんが、女性の声で「え? 怖いんだけど」という音声が入っていました。
これはモンスターパニック映画なら、真っ先にやられるパターンです。自重してください(馬鹿こけ)。
その動画では、熊が車道を塞いでいたので、ドライバーさんがバックして距離を取ろうとしたものの、熊が追随してくるという、なかなかに怖いものでした。
結果、途中で熊は茂みに去っていったので、事なきを得たようですが、これまたニュースキャスターが「刺激しないことが重要です」と。
……いや、お前は同じことしか言えんのか(笑)
ああ、でも「窓は絶対に閉めること」とも言ってましたね。
窓が少しでも開いていると、熊は簡単に割ってしまうそうです。恐ろしや……。
この動画についての個人的意見は、なかなかに判断が難しいと思います。
ニュースキャスターが言うように刺激しないよう停車を決め込むにしても、熊が近づいてきたら取れる選択肢が狭まるでしょうし、後続車がいたらバックすらできません。
ならどうするのか?
アクセル全開で轢き殺す?
ってそんな馬鹿な!?
車というアドバンテージを活用しない手はないですが、北海道では、フロントガラスにエゾシカが突っ込んできた死亡事故もありますし、現実的ではありません。
――ということは、やはり「刺激しない」というニュースキャスターのコメントに帰結するわけですが、……なんというか、それ以外の対処法を思い付かなかった自分がくやちい!(お前は何と戦っているんだ?)
はい、何の解決にもなっていない作者の語りでしたが、前述したように、ニュースで言っていた、熊に遭遇した場合の対処法を紹介したいと思います。
結論としては、「熊を刺激しない」ということを踏まえて、次に重要なのは万が一襲われたときに体を守ることだそうです。
つまり、静かに樹木等の物陰に隠れ、四つん這いになり、首の裏側に両手を被せる降参のポーズが最適解なのだとか。
その姿勢の意味は、頸動脈を守るためなんですって、奥様。
…………いや、待て待て!
熊を刺激しないのは分かるとして、熊がその気になれば、人間がいかに防御を固めようと、赤子の手を捻るように突破されてしまうじゃろがい!
……なんとか致命傷を避けようという趣旨は分かるんですよ。
でも1番の問題は、その姿勢だと、熊の動向が分からないことだと思うんです。
もし襲われたら結果は同じかもしれませんが、熊の接近や、熊がいつ去るのかも分からず、ただ神に祈るように災いがいなくなるのを待つことが正解だとでも言うのでしょうか?
いや、正解だとしても、近くに怪物がうろついているのに、視覚という人間にとって最重要といっても過言ではない感覚を遮断する――という恐怖を抑え込んで、そのポーズを実践できる胆力のある人がいたら、見てみたいですよ(苦笑)。少なくとも私には無理です。
さあ、これだけのことを言って、問題を提起したのだから、当然、作者なりの対処法があると思われる読者さんはいらっしゃると思います。
ええ、ありますよ。
まずは前述したように、君子、危うきに近寄らず――熊の出没しそうなところには立ち寄らない――というのは逃げのような気がするのでもう1つ。
どうしても山に行きたいのならば、不死身の杉本、あるいは、山に精通した暮伊豆さんという、山のスペシャリストなろうユーザーがいるので、護衛として同行してもらってはいかがでしょうか?
きっと命がけで守ってくれると思いますよ?(おいこら!)