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■七■

 雪合戦当日。その日はよく晴れて、外で雪合戦をやるには絶好の日和となった。場所は学校から少し離れたところにある広場である。

 広場は踏みならされた跡はなく、新雪の状態である。

「絶好の雪合戦日和ね!」

 雪を見て、美原が年甲斐もなくはしゃいでいる。その姿はどこか微笑ましい。

 広場に集まっているのは部員の六人と顧問の邑夫。それに何故か女子中学生が一人いる。そういえばここに来るまで篠尾とずっと一緒にいた。ひょっとしたら知り合いだろうか。

「篠尾、お前と一緒に来たあの女の子は誰だ?」

「俺の彼女」

 即答である。

「マジで?」

「中学の卒業式でな。野球部のマネージャーやってたんだ」

「あんな可愛い子とねぇ……」

「お前が言うと嫌みにしか聞こえないんだが」

 良二は月乃のほうを見る。良二の連れてきた子も可愛いが、月乃も文句なしに可愛い子だと思っている。ずっと一緒にいるせいなのかもしれないが、隆奈にはその認識が薄い。

「二人とも何やってるの? そろそろはじめるわよ」

 美原が二人に呼びかけてくる。それに気がついた二人も慌てて呼びかけに答えて、皆が集まっている所へ走っていく。

「雪合戦をはじめる前にバリケード作るわよ」

「これから作るんですか?」

「そりゃそうでしょ。だって、いまここには何もないんだもの」

 さも当たり前のことを聞くなとばかりの反応である。たしかに考えてみれば、自分たち以外の誰が試合会場を作るというのか。

 邑夫は笑顔を浮かべながら両手にもったスコップを隆奈と良二に手渡す。

「というわけで、若者よ。頑張れ」

 隆奈と良二はお互いに顔を見合わせて、嫌そうな表情を浮かべる。

「……雪合戦やる前からバテそうだな」

「まったくだ」

 ため息をつけども、それでもはじめないといけないのであった。

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