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3話 星降る夜に

「う、うぅん……」

私がふと目を覚ますと、私は座っていた岩の上に寝かされていた。

 体の上には上着が被せられていて、服はいつのまにか脱がされていて下着姿になっていた。

 「あ、おはようテイラーちゃん。ごめんね、濡れてて風邪引いちゃいそうだったから服は脱がさせてもらったよ」

 私が辺りを見回すと、ヘレンが私の前で焚き火をして私の服を干していた。

 空はすっかり暗くなってしまっていて、私は自分がとんでもない時間寝ていたことに気付き、恥ずかしさから赤面した。

 「ごめんなさいヘレンさん! ずっと見守ってくれてたんですよね!?」

 「気にしないで、そもそも私のせいだし。それよりお腹空いてない?」

 ヘレンは構わないというように手をヒラヒラさせる。こういう時の彼女は紳士である。

 「そうですね。食事にしますか」

 私は鞄の中から燻製にした肉とパンを取り出し、ヘレンに渡す。私の鞄は魔道具になっていて、物を大量に、安全な状況で収納することができる。

 私は石の上から降りると、ヘレンの上着を羽織って焚き火の近くでしゃがんだ。

 「おお、良いもの持ってんじゃん。旅は食糧問題大事だよねー」

 私とヘレンは焚き火に当たりながら食事を取る。空に浮かぶ星々が心なしかいつもより綺麗に見えた。

 「ふぅ、おいしかったです。そろそろ着替えますか、上着ありがとうございました」 

 「ああどうも。後ろ向いてるからゆっくり着替えなよ」

 私からヘレンが上着を受け取ると、ヘレンは大人しく私の後ろを向いた。

 てっきり彼女が思いっきり覗いてくるものだと思った私にとっては拍子抜けで、私はつい質問してしまった。

 「見ないんですか、着替え?」

 「見てほしいなら見るけどね、今回私が失敗してテイラーちゃんを危険な目に遭わせたのにそんなことできないよ」

 ヘレンは少し暗い声でそう答える。当然後ろを向いているため、表情は見えない。

 「意外とその辺考えるんですね、さっき服を溶かすスライムはいないのかとか聞いていたのに」

 「あれは……正直言い訳しようがないね、つい興味が勝っちゃった……」

 ヘレンの声が更に暗くなる。ちょっと怒りすぎたかもしれないと反省。

 「ふふ、仕方ないですね」

 私は着替え終えると、辺りに結界を張る。今日はもう遅い、ここで野宿になるだろう。

 ヘレンもそれを察しているのか、寝支度をしていた。

 「……ところでテイラーちゃん、あなた確か小屋を作る魔道具持っていたよね。それは使わないの?」

 「うーん、使いたいのであれば使いますが、野暮かなと思いまして。せっかくの旅ですから、こういう野宿も悪くないかなと」

 「そっか、確かにそうだよね。変なこと聞いてごめん、寝よっか」

 「そうですね」

 私達は2人で毛布に包まると、目を瞑って眠りに落ちた。

終わりにします、ごめんなさい

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