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異世界に来たけど、生活魔法しか使えません  作者: 梨香
第二部 第一章 ソニア王国に行くよ!

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領地に行く前にあれこれ

 月曜は、やはり昨夜の婚約披露パーティーの疲れで、朝の馬の王(メアラス)金の鬣(グルファクシ)の運動には参加できなかった。


 パーシバルが私の代わりに運動させてくれたので、一緒に朝食は食べたいと思ったけど、やはり体力の限界! 

 

 ヘンリーは、カミュ先生に任せて、お昼までゆっくりと過ごした。


「お昼もお部屋にお持ちしましょうか?」とメアリーが心配そうだけど、十分に寝たので大丈夫。


「着替えて下に降ります」

 楽なワンピースで、ロマノ大学の卒業式を終えてのんびりしているお父様とヘンリーとカミュ先生と一緒に昼食だ。


「明日は教授会ですわね。ノースコート伯爵とリリアナ伯母様に来ていただきます」


 お父様も騎士戦略科の教授達との会話は苦手そうなので、ノースコート伯爵に頑張って貰いたい。


 ミッチャム夫人が教授会のメニューをチェックして欲しいと持ってきたので、それを読む。


「メインはワイバーンのゲームパイなのですね。討伐の様子など聞かれると困るわ」


 危険な話題になりそうな予感! 私は、騎士戦略科に転科なんかしないからね。


「では、ロマノ大学のゲームパイに変更しましょうか?」


 これまでの教授会は、そちらだったのだから、良いのかな? でも、私がワイバーン討伐隊のメンバーだったのは、知っているだろうし……ケチだと思われたくない。


「いえ、もうエバは用意しているでしょう! ワイバーンのゲームパイをお出ししましょう」


 慰労会を開いたし、親戚や美麗様にお裾分けしたけど、ゲイツ様の分も貰ったので、まだ十分にある。


 ゲイツ様で、ドラゴンの新作料理も考えないといけないのを思い出した。


「でも、味を確かめないと……これは、保留ね!」


 魔素が多く含まれていると、美味しく感じるのは分かっている。ただ、あまりに脂が多いのは、私は少しだけで十分だと感じるんだ。


 天狼星(シリウス)もゲイツ様も南の大陸で、ステーキは食べているだろうから、手の込んだ料理にしたい。


 あっ、天狼星(シリウス)は生かステーキが好きかもしれないけどね。犬は玉ねぎが駄目だったけど、天狼星(シリウス)は平気だと食べていた。


 天狼星(シリウス)は、タルタルステーキとか好きそう! 但し、私は生肉はちょっとね! 

 ローストドラゴンとか、洋芥子と一緒に柚子ポン酢で食べても良いかも。


 サラダの上に薄く切ったローストドラゴンを並べて食べるのも、さっぱりしそう。


 あっ、しゃぶしゃぶ! どの程度のサシが入っているか、チェックしてからだよね! 赤身が多かったら、すき焼きもありだな。


 保留と言いつつ、あれこれ考えちゃった。


 教授会は、十二時からなのに……皆様、早く来られた。ノースコート伯爵夫妻が早めに来て下さっていて、良かったよ!


「ペイシェンス様、スレイプニルをお見せ下さい!」


 あっ、こっちもあったんだね!


「第一騎士団が警護していますから……」と言葉を濁していると、ノースコート伯爵が「王家に引き渡すことになっています」と強気で断ってくれた。


 やはり、ノースコートには海軍が常駐しているから、騎士関係には強い。


 それと、奥様方がにこやかだけど、教授達に厳しくマナーを守らせてくれたので、意外とスムーズな食事会になった。


「ワイバーンのゲームパイです」


 ワイヤットがゲームパイのワゴンを押して食堂に入ったら、拍手が湧いた。


「素晴らしい! ペイシェンス様が討伐されたのですよね!」


「是非、騎士戦略科で学んで頂きたい!」


 やはりこの話題になったね。実は、お父様と事前に話し合っていたんだ。


「ええ、ゲイツ様の指導のお陰ですわ」


 伝統的に騎士戦略科と魔法学科は仲が良くない。

 せっかく招いた騎士戦略科の教授達には悪いけど、転科する気は無いからね!


「そうか……ペイシェンス様は次代の王宮魔法師になられるのか……それは、それで必要かもしれない! ドラゴンの活動期になっているのだから、魔法使いと騎士との連携も大切だ!」


 いや、いや、それも望んでいないから! と言いたいけど、お父様とノースコート伯爵から「今日はそうしておくように」と忠告されたので、曖昧に微笑んでおく。


 応接室に移動してからは、私は奥様方の接待をリリアナ伯母様とした。

 お父様は、あまり会話が弾んでいなかったみたいだけど、その分はノースコート伯爵が受け持ってくれて良かったよ。


 奥様達にはチョコレート、教授達にはビスケットバーの詰め合わせをお土産に渡した。

 ビスケットバーは、H&G商会でも売るつもりだから、宣伝を兼ねている。


「伯父様、今日はありがとうございました」とお礼を言ったら、笑われた。


「ペイシェンスの身内だと鼻が高いから、このくらい平気だ」


「そうよ! 女の子で伯爵に叙されるなんて、凄く名誉なことだわ」


 お二人には、ウィスキーボンボンとトリュフチョコレートを詰め合わせてお土産にしたよ。凄く喜んでもらえた。


 さて、明日はクラリッジ伯爵家に訪問予定。何の話なのか? パーシバルは、昼食に来てくれるから、話し合ってから行く。


 ウッドストック伯爵家が手放したラグーン地方の事じゃないかと思っているけど……違うのかもしれない。

 しっかりしているとの噂の領地管理人さんが、何か伝えるべきだとお尻を叩いたのか? 

 それか、本当にリリーナに優しくしたお礼だけなのか? 


 パーシバルもモラン伯爵に色々と情報を調べて貰っているけど、クラリッジ伯爵とはあまりこれまで親しくなかったからね。

 貴族主義者の貴族とつるんでいたけど、今は離れたみたい。

 だから、特に親しい貴族がいないから、調べるのも難しいそうだ。


 それと、陰謀とか画策しているのなら、外務省はお手のもので調べやすいけど、クラリッジ伯爵は、そういう事と無縁だから……。


 これは、行ってみないと分からないかもね!


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― 新着の感想 ―
すき焼きとしゃぶしゃぶのパーティーの時にいた、騎士コースのカミラとアリエットて、どうなったんだろ?
更新お疲れ様です。 まぁペイシェンスはぶっちゃけ王国内のどこに就職(?)しても一軍ですからねぇ…。直接か遠回しかの差はあれど、うちに来ません?ってコナかけられるのは減らないでしょうね今後も(笑) …
ペイシェンス以外の夏休み合宿組、特に戦闘狂たちには、ぜひ頑張ってもらいたい というか、自分たちで目指そうとしてる人が、貴重なんだな がんばれ。ルーシーたち クラリエッサも頑張って 王女たちに勉強教え…
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