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異世界に来たけど、生活魔法しか使えません  作者: 梨香
第二部 第一章 ソニア王国に行くよ!

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卒業祝いのお食事会

 結局、パーシバルとはH&G商会には行けなかった。

 店の収益とか、商品の補充などは、メーガンから報告を受けている。私が行くと挨拶合戦に巻き込まれそうだから、駄目だとは分かっているけど、パーシバルとお出かけしたかったんだ。


 でも、領地行きに付き合ってくれるから、我慢しよう! ヘンリーも一緒に連れて行く予定。


 今夜は、お父様も招待されているから、パーシバルはアフタヌーンティーを終えたら、屋敷に戻る。


 前は、グレンジャー家には馬がいなかったから、お迎えに来て貰っていたけど、今は何頭もいるからね。

 第一騎士団の若い騎士や見習い騎士が馬舎を警備しているんだ。

 貴重なスレイプニルがいっぱいいるから、護衛に派遣されている。

 でも、ちょっとエバの料理が美味しすぎなのか、皆、ガタイが良くなりすぎて、寒い冬なのに門辺りが暑苦しい。

 太ったらガブリエル騎士団長に叱られるせいで、護衛をしながらも交代でスクワットとかしているんだよ! ヘンリーは、見習わなくて良いからね!


 お父様が大学から戻って来られる前から、メアリーとキャリーにお風呂で磨かれて、お着替え。


「モラン伯爵夫人に会われるのですから、キチンといたしませんと!」


 確かに美しい伯爵夫人だけど、そんなに口煩い感じじゃない。なんて、メアリーに言っても無駄だから、やりたいように着飾らされている。


「このドレスを婚約披露パーティーで着たら良いんじゃないの?」と言いたくなるような素敵なドレス。


 薄いブルーで、細かな銀ビーズ刺繍が胸元、裾、袖口に施されている。


「お嬢様が卒業祝いをモラン伯爵家でされると言われたので、その為に作ったドレスです。婚約披露パーティは、別ですわ!」


 メアリー的には、普段っぽく感じている婚約指輪とお揃いのオパールのネックレス。

 それに、髪には温室の白い薔薇を一輪飾る。


 鏡の中の私は、なかなか可愛くて良い感じ。少しだけ白粉を叩いて、眉墨とリップクリームで薄化粧。


『まつ毛のビューラーやマスカラが欲しいな……』と鏡と睨めっこして思った。

 まつ毛、ペイシェンスのは金髪だから、目立たないんだよ。

  

 パーシバルのまつ毛は濃い茶色でカールしている! ナシウスのも! でも、私とヘンリーは、金色でスダレみたいなんだ。


 まつ毛は、埃が目に入らない為の物! だから、スダレ状の方が機能的には良い! でも、そんな事、おしゃれの前では無意味。


 そっとまつ毛に触って「カールになれ!」と小声で唱えると、うふふビューラーなんて必要ないね!

 失敗した折り跡なんてない、綺麗なカールができた。


「メアリー、他の貴婦人はアイライナーやアイシャドウやマスカラはどうされているの?」


 メアリーは白粉や眉墨を買っているんだもの。知っていそう。


「目の周りを濃く化粧するのは、令嬢らしくないかと……」


 確かに、貴婦人達の化粧は濃い。若い私には不似合いだと思う。

 ただ、ポイントメイク、もっとあると思うんだよね。


 王妃様は、綺麗なプラチナブロンドだ。マーガレット王女もね。


 プラチナブロンドって、眉や睫毛もプラチナブロンドなのだけど、貴婦人達は黒くしている。

 ちょっと不自然だし、濃い化粧に感じるんだ。


「私なら、少し濃い茶色が似合うと思うわ」


 メアリーが首を横に振るので、黒しか売ってないのだろう。


 プラチナブロンドなら、灰色に少し青みを加えたら綺麗だと思う。


 いつか、化粧品を作りたい! シャンプー、リンス、ボディシャンプー、それに化粧水、乳液、コスメ! 

 服装は、マダム・マグノリアに大人と子どもの中間時期の可愛いドレスを作って貰いたい。


 お化粧も、貴婦人みたいに濃い化粧じゃなくて、若々しいコスメが必要だと思う。


 これらは、大学で薬学を学び、上級薬師の資格を取らなきゃ駄目なのかな?


 そんな事を考えている間に、お父様の支度も調った。


 今夜もメアリーを連れてお父様とモラン伯爵家に行く。侍女の付き添いは、絶対に譲れないみたい。

 流石に、お父様は侍従のジョージは連れて行かない。大学には連れて行っている。雑用をさせる為だとか?


 学長の個人的な雑用? 教授会の案内を配る事ぐらいしか思いつかない。秘書は別にいるからさぁ。


 兎に角、今夜はパーシバルと私の卒業祝い。ローレンス王国では、貴族は全員が王立学園を卒業するのは、法律で決めてある。

 ふと、退学になったルイーズはどうなるのか? 胸がズキンとした。


「お父様、王立学園を卒業できない人はどうなるのでしょう?」


「病気や学力不足、若しくは不品行で退学になると、貴族社会では暮らしていけない。平民が途中で資金切れになった場合は、奨学金制度もあるが……もしかして、まだ? ペイシェンス、優しいのはお前の長所だけど、過ぎた寛容さは良くないよ」


 珍しく厳しい顔で言われた。お父様は、ルイーズの事を許してはいけないと言われたのだ。

 メアリーも固い顔で頷いている。


 私は、領主として厳しい現実を見ていかなきゃいけないのだ。私を陥れる事に手を貸したルイーズの事は、忘れよう!


 卒業祝いのお食事会。モラン伯爵夫妻、そして伯爵夫人の実家のモンテラシード伯爵夫妻も招待されていた。


 お父様は、苦手なアマリア伯母様がいるので、静かに食べるのに集中している。


 古臭い考えのアマリア伯母様は、私も少し苦手だけど、パーシバルとの縁を結んでくれた人。感謝しなきゃね!


 そして、食事の何品かは、アンが作っていた。食べたら分かるよ! エバ直伝の繊細な盛り付け、隠し味の使い方などでね。


「まぁ、とても美味しいわ!」


 アマリア伯母様に褒められて、モラン伯爵夫人が嬉しそうに微笑んでいる。

 食事会の料理をするのは料理人だけど、評価されるのは夫人なんだよね。


 食事会は無事に終わったけど、これから難しい話し合いがあるんだよね。


 

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― 新着の感想 ―
ルイーズの平民落ちは免れ無いにしても、ペイシェンスが経営者として彼女の才能や資質を認めているのなら雇い主として彼女を雇用すれば済むのでは!?
スクワットしながらの護衛って(笑)大丈夫かなぁ。 ヘンリー、ダメな騎士の見本だから真似しちゃダメだぞ~。
>護衛をしながらも交代でスクワット 暑苦しすぎて笑いましたwヘンリーお願いだから真似しないで! 大きくなってもスマートなマッチョであって!ゴリマッチョはやめて! あと感想欄見ましたが海外にも翻訳され…
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