婚約披露パーティに向けて
『異世界に来たけど、生活魔法しか使えません』二部のスタートです。
王立学園を卒業した! パーシバルと一緒にロマノ大学で学べるのは、嬉しい。
寮で仲良くなったマーガレット王女、リュミエラ王女、エリザベス、アビゲール、リリーナ。
王立学園に入学する前は、弟達と離れるのが辛くて、早く卒業しようと考えていた。それに、当時のグレンジャー家は極貧だったので、内職ができないのも不満だったんだよね。
それなのに、王族や上級貴族の令嬢と友だちになるなんて! それより、驚きは、ハンサムで賢くて優しい完璧なパーシバルと婚約した事!
私はまだ十三歳だし、パーシバルも十六歳。だから、本当は来年、婚約披露パーティを開く予定だった。
でも、モラン伯爵夫妻は、ソニア王国に赴任した経験から、婚約発表パーティをしてから行った方が良いと判断されたんだ。
今日は、卒業式だったけど、のんびりヘンリーと遊ぶのは、お昼まで。
色々とやらないといけない事が山積みだから。
ヘンリーは、やはり馬の王や金の鬣に乗りたいと言うので、私も乗馬したよ。
ついでに、うちの厩番になったサンダーさんに、金の鬣を領地に連れて行けるかも相談した。
「金の鬣は、馬の王より落ち着いていますから、大丈夫でしょう」
そうなんだよね! 馬の王が来た時は、朝の四時起きだったけど、金の鬣は、朝食前程度で良い。
リーダーが大人だったからか、群れのスレイプニル達も落ち着いているんだよね。
現在は、前庭に仮の馬舎を作って貰っているのだけど、私達がソニア王国に行く前には、残さないスレイプニルは、王家に引き取って貰えそう。
貴族達から欲しいとの要請が厳しいから、私はそれを王家に丸投げにするつもり。お金は支払われるみたいだけど、馬の王の種付け料と同じ口座に入れておこう。
雌馬を何頭残すのか、それと前に馬の王の群れの雌を渡したけど、金の鬣の相手に何頭か戻してもらう交渉とかは、サンダーさん任せ。
領地でスレイプニルと戦馬を増やしたいんだよね。
騎士達にスレイプニルか戦馬を褒賞としてあげたいと考えている。領地はまだ貰ったら困るレベルだからさぁ。
ヘンリーは、金の鬣に乗りたいみたいだけど、まだ人を乗せるのに慣れていないからと、私が乗ったんだ。
「ブヒン! ブヒン!」『私に乗れ!』と馬の王は機嫌を損ねるし、乗馬の時間が思っていたより長引いた。
「ふぅ、疲れたわ」
ただ、昼には私とヘンリーとカミュ先生しかいないから、昼食の時間が遅れても……エバは、出来立てを出そうと思っていたよね。
悪かったと、メアリーに伝えて貰おう。
昼食を済ませたら、先ずはリリアナ伯母様に手紙を書く。
婚約披露パーティの為のアクセサリーを買えと、メアリーが煩いからだ。
お母様のダイヤモンドの三点セットは、先に何枚ものドレスと共にソニア王国に送ってしまったんだ。
だって、マーガレット王女の服飾品を送る便で送った方が安全だもの。ベネッセ侯爵夫人もそうされたそうだ。
ただ、旅の途中、何日かは貴族の館に泊まる。
なるべく疲れないように、大規模な晩餐会などは開かない事になっているけど、こちらでは夕食には正装するのがマナー。
その時の為のドレスとアクセサリーは用意してあるのだけど、メアリーは前から不満に思っていたんだよね。
「もう少し、高価なアクセサリーが必要です!」と何度も言われていた。
「確かに、婚約披露パーティで普段使いができるアクセサリーはないかも……でも、リリアナ伯母様って高価な宝石が好きだから……」
でも、一人で宝石店に行って、高価な宝飾品を選ぶ自信がない。リリアナ伯母様には、あまり派手ではないのを選んで欲しいと手紙にも書いておく。
今夜は、モラン伯爵家にお父様と一緒に行く予定。これは、前から決まっていたんだ。
私達の卒業祝いをささやかに開こうと、モラン伯爵夫人が言われてね。でも、今夜は、婚約披露パーティの話になりそう。
マダム・マグノリアを連れて、メアリーがやってきた。顔が、かなり怖い! 帰りの馬車の中で、婚約披露パーティの話をしてから、メアリーはドレスのことで頭がいっぱいみたい。
「婚約披露パーティのドレスを作りませんと!」
何枚もソニア王国行きの為のドレスは作った。多くは、先に送ったけど、残っているよね! なんて、メアリーに言っても無駄だから、素直にドレスのラフデザインを描く。
「本当は白一色が良いのかもしれないけど、パーシバル様の瞳の色、濃紺からグラデーションをつけたいの」
細かいビーズ刺繍になるけど、一生に一度の婚約披露パーティだものね! お針子チームには、無理をさせるからボーナスを弾んでおこう。差し入れにスイーツも良いかもね!
マダム・マグノリアは、満足そうにデザイン画をもって、衣装部屋に戻った。
私は、あちこちに手紙を書いたので、メアリーに届けて貰う。
宝石は、リリアナ伯母様に一緒に選んでもらうけど、領地の相談は、ノースコート伯爵やサティスフォード子爵にしたい。
今夜は、モラン伯爵にも相談に乗って貰う。特に、リリーナに言われたクラリッジ伯爵との面会については、情報に詳しそうだから。
貴族主義者の領地なんて、嫌な感じだけど、今の領地と近いなら、管理するのは便利なのかも?
モラン伯爵には、パーシバルから話して貰っているけど、私からも相談に乗って欲しいと手紙を書いておく。
それと、王妃様からチョコレートをマーガレット王女の手土産にしたいと手紙が届いたので、カカオの手配をバーンズ公爵にお願いする。
大量のチョコレートをエバに作って貰わなきゃいけないかも?
後は、家政婦のミッチャム夫人と相談! 大学の教授会と私の寮のお友達との勉強会? お茶会? をミッチャム夫人と話し合う。
お茶の時間に、パーシバルが来てくれる予定なのも、伝えておかなきゃね。
ミッチャム夫人に伝えておけば、エバが素敵なデザートを作ってくれる。
パーシバルとは、領地に行く日を話し合うんだ。冬の魔物討伐の後で行く予定だったけど、天狼星がいたから無理だった。
天狼星がゲイツ様と南の大陸に行った時、領地に行こうと思えば行けたけど、残り僅かな寮生活を優先しちゃったんだ。
報告書は、領地管理人のモンテス氏から届いているけど、やはり一度行かなきゃね! ただ、伯爵に陞爵したので新しい領地についても考えなきゃいけないんだ。
あれこれ、やる事が山積みだけど、一つずつパーシバルと相談しながら、解決していこう!
本当は新年からスタートする予定でしたが、年末にインフルエンザに罹り、咳が治るのに一月掛かりました。
幼稚園以来のインフルエンザだから、身体がびっくりしたのかも?
これからは、ぼちぼち更新していきます。
よろしくお願いします。




