大人組の慰労会は疲れたよ
日曜の慰労会は、少し気を使って疲れた。
今日は、お父様も強制参加! ナシウスとヘンリーは遠慮しておくって本人達が言うので、子供部屋で食べて貰う。
「ペイシェンス、いつも会っているメンバーじゃないですか」とパーシバルが緊張している私を宥める。
「ええ、でも……王子様達大集合なんですもの!」
王子様達大集合! がパーシバルの笑いの壺にハマったみたい。
出迎えの時間なので、必死に堪えている。
ゲイツ様は、朝から来ているから、出迎える必要ないけどね。続々と王子様と第一騎士団長、サリエス卿とユージーヌ卿がやってきて、慰労会開始!
やはり王子様ってオーラがあるね。リチャード王子は、青く強い感じ。キース王子も似ているけど、少し淡いな。
オーディン王子は、冷たい青! それに馬好きオーラ全開。
パリス王子は、華やか薔薇色。花を背負っている感じ。
アルーシュ王子は、熱帯の鮮やかなオレンジ色。昨日は、ザッシュだけ招待したけど、アリーシャ王女やハナも一緒だったから楽しそうだったよ。
第一騎士団長は、奥方も一緒に招待するか悩んだけど、今回は一人にした。ご近所さんになるから、親しくはしたいけどね。
ラドリー様は、とても嬉しそうに参加! ワインをいっぱい持ってきてくれたのは嬉しい。
ちょっと心配していたキース王子もオーディン王子と楽しそうに話しているし、敬愛するリチャード王子がいるので、無作法な真似はしない。
成長したもんだよ。野菜も食べている。
前菜や魚料理は、領地から運んだグレンジャー海老やマッドクラブを使った。
メインがワイバーンだからね。
ワイバーンのゲームパイは、こちらでも絶賛された。
それにワイヤットが綺麗に切り分けたら、野菜とワイバーンの肉が層になって綺麗で、パリス王子も感嘆していたよ。
こちらのデザートは、お皿に綺麗に盛り付けて出した。チョコレートケーキにミニアイスクリーム添えだ。
そして、マナー通りに紳士方を残して、私とユージーヌ卿は、応接室に立った。
「ペイシェンス様、お疲れ様ですね」とユージーヌ卿に労われた。
「ユージーヌ卿も、ドレスを着て来られたのですね」
我が家に来るなら、制服でも良かったのに? でも、スタイル抜群だから、ドレスもよく似合っている。
「母が王子様方がいらっしゃると聞きつけて、ドレスを着せられました。でも、ペイシェンス様に作って頂いたドレスは、蕁麻疹が出ないから助かっています」
私が作ったんだじゃなくマダム・マグノリアがだけどね。そろそろ、自立させる時期なのかな?
そんな事を考えているうちに紳士方も合流する。夜じゃないから、そんなに強い酒を飲んだりしない。
そこからは、ハノンを弾いたりして軽い会話を楽しんで解散なんだけど……パリス王子が料理をやたら絶賛しているのが気になった。
パーシバルも気になったみたい。
「ソニア王国は、美食で有名ですが……エバは連れて行けませんよね?」
「ええ、勿論!」
二人で、困惑して見つめ合う。
お客様を送り出して、ホッとしたのに、ゲイツ様は残っている。パーシバルは良いの! でも、何故?
「ソニア王国行きの為の料理人が必要ですね。それに食材も運んでおかなければいけません。魔法省で冷凍庫を何台か作らせますので、ワイバーンの肉、グレンジャー海老、マッドクラブ、雲丹を予め運んでおきましょう」
費用は、王家持ちになりそうだけど、ゲイツ様って自分が南の大陸にいる間も、私に用事を言いつけるんだね。
私的には、天狼星がいないなら、最後の寮生活を満喫するつもりだったんだけど。
でも、後ほど王妃様から正式に依頼があったんだ。王家の料理人を二人預かって、料理を教えて欲しいと……。
エバがすごく恐縮していたけど、お礼が凄かったから引き受けた。年金って、庶民にとっては嬉しいよね。
それと、冷凍車に二台、魚介類とワイバーンを入れて運ぶのも依頼されたんだ。ワイバーンは、王家とゲイツ様が出してくれるみたい。




