表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に来たけど、生活魔法しか使えません  作者: 梨香
第八章 王立学園を卒業しよう

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

719/761

初日を終えて

 一日目だから、シンプルに! と思っていたけど、寒かったからピリ辛ソースにしてみよう。

 ペイシェンスは、あまり辛いのは得意じゃないけど、掛ける分量を少なくすれば大丈夫。それに、バラク王国の激辛料理程は辛くないからね。


「私が休んでいた間も、パーシー様は馬の王(メアラス)の運動に付き合っていたんだわ。お疲れじゃないかしら?」

 メアリーとベリンダが少し呆れている。温風機をつくったからかな? 


 食事場所に、カエサル達がいた。あれっ、パーシバルは? 残念! でも、錬金術クラブのメンバーがいるから、一緒に食べよう!

 

 お肉は少なめに盛ってもらう。休憩でシュトーレン食べたからね。

「皆様、お疲れ様です」

 カエサル、アーサー、ベンジャミン、ブライスは、去年も参加したけど、ミハイル、マックスは今年初めてだよね。


「あっ、ペイシェンス! チョコレートバー、ありがとう! 凄く美味しいが……あれって良いのか?」

 やはり、カエサルは錬金術関係は鋭いね。

「ええ、チョコレートバーはH&G商会では売り出しませんが、ビスケットバーは売り出すつもりです」

 売り出すと聞いて、特許関係とかは何か考えているのだろうとカエサルは頷く。


 ミハイル、マックスは、先輩達と一緒だったみたい。錬金術クラブも人数が増えたからね。

「おっ、それはピリ辛ソースだな! 少し良いか?」

 ベンジャミンもいっぱいソースを買ってくれていたと思うんだけど?

「ははは、一日目だからシンプルに食べようと思ったのだが、目の前にソースがあるとなぁ」

 去年みたいに、いつも他の人が使う訳じゃないから大丈夫。

「どうぞ、お使いください」


「ベンジャミン、図々しいぞ!」と叱るカエサルにも瓶を渡す。

「やはり、ペイシェンスのソースは美味いなぁ!」

 ははは、皆様、H&G商会のお得意様だからね! ミハイルやマックスも先輩から情報を得て買ってくれている。


 こんな風に和気藹々と夕食を食べていると、忘れていたけど今年からキース王子とオーディン王子も中等科になったんだよね。

「ペイシェンス! 馬の王(メアラス)は元気そうだな!」

 はぃはぃ、スレイプニル愛のこもった挨拶だね。

「ええ、パーシバル様がよく運動を手伝って下さいますから」そう答えておく。

キース王子が「チョコレートバー、すごく美味しかった。ありがとう」と言うのを聞いて、慌てて礼を言ってくれたよ。

「ペイシェンス! 本当に美味しいチョコレートバーをありがとう!」

 まぁ、私はスレイプニル愛が激しいのは苦手だけど、若い子がお礼が遅くなっても気にならないタイプ。

 ラルフとヒューゴが「早く食べましょう!」と肉を焼いている方へと誘導してくれた。


 カエサルは公爵家の嫡男として、王族への接し方も厳しく躾けられているから、無言を保ったけど、ベンジャミンは要らない一言を言いそう。

「あっ、冷風機の応用で、温風機を作りましたのよ。テントの中が快適になりましたわ」

 カエサルだけでなく、皆がこの話題に飛びついた。錬金術クラブだもんね。

「そうか! 冷風機ができるなら、温風機もできるのだ! 何故、気がつかなかったのだろう」

 カエサルが悔しがる。

「涼しくなるのに風を送るのは想像がつくが、暖かくするのに風を送る発想が無かったからだ!」

 ははは、ベンジャミンの獅子丸、久しぶりに見たよ。ああ、もう見れなくなるの寂しいな。


「パーシー様!」

 錬金術メンバーと一緒も楽しいけど、やはり恋する乙女の目はすぐに婚約者を捉える。

「ペイシェンス! しっかりと休めたでしょうか?」

「ええ、パーシー様は馬の王(メアラス)の運動でお疲れにならないか心配していましたの」

 二人でお互いを労っているのに、錬金術クラブメンバーが爆笑している。


「ペイシェンス! 休むべき時間に温風機を作ったのか!」

 カエサル、酷い! パーシバルが怪訝な目で私を見ているじゃない。

「また、ペイシェンス様は仕事を増やすおつもりですか? あっ、それはピリ辛ソースですね!」

 ゲイツ様もソースはいっぱい買ったよね! 勝手に掛けないでよ!

「パーシー様もお掛けになりますか?」 こちらは、婚約者だから良いの!


「ペイシェンス?」と濃紺の瞳で問い掛けられると弱い。

「テントの中が寒くて……冷風機があるなら、温風機もできると思ったのです。お陰様で、テントの中は快適ですわ」

 ちょっと、ゲイツ様やサリンジャーさん、それにパーシバルにも呆れられた気がする。

「ペイシェンスは、寒さに弱いから……でも、休む時は休んで下さい」

 パーシバル、優しい! でも、討伐に来ても王子達の面倒をみているの?

 こちらの席がいっぱいだから、別の席なのは悲しいよ。


「ペイシェンス様、お食事がお済みになったのなら、早く休みましょう」

 メアリーが心配そうなので、女子テントに戻る。

「ふぅ、暖かいわ」

 温風機を付けっぱなしにして食事に行ったの、正解だね! 魔石は、討伐でいっぱい手に入るし、後からはクズ魔石を纏めたのでも代用できそう。


「ペイシェンス様! ゲイツ様にお願いして貰えませんか?」

 あっ、もう寝ようと思っていたんだけど、ルーシー達の問題を忘れていたよ。

「昼からは、やっとアルミラージ以外も討伐できましたけど、小さ目のビックボア一頭だけ! それも、三人でですよ!」

 アイラもヒャッハー系だからね。不満が爆発している。アイーシャ王女も私とは親しくないから、直接は苦情は口にしないけど、顔で不満なのはわかるよ。


「明日、サリンジャー様にお聞きしてみますわ」

 ゲイツ様の気紛れな指導より、王宮魔法使いのお爺様の慎重な指導をサリンジャーさんが良しとされたのだから、理由があるはず。

 アイーシャ王女を危険な目に遭わさない為なのかもしれないけどね。


「お願いします! ペイシェンス様の言われる事なら、サリンジャー様もお聞き下さると思います」

 えっ、ルーシー? それってサリンジャーさんに抗議した後ってことなのかしら。

「兎に角、聞いてはみますが……サリンジャー様がその方が良いとお考えなら、それに従って下さい。今年も、何か変だとゲイツ様はお考えみたいですから。勝手な行動は駄目ですよ!」

 ビシッと言ったつもりだけど、ヒャッハー軍団が言うことを聞くか不安。


 メアリーが心配そうなので、もう寝ることにするよ。なんだかんだと文句を言っていたルーシー達もお休みなさい。



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ペイシェンス以外、発明していないようじゃ、ペイシェンスが去った後の錬金クラブ、大丈夫か?
そこ、解体作業している皆さんの狩りの練習場にでもすればいいと思う それか、王女達も、解体作業に回せばいいと思うよ 狩りの初心者ペイシェンスを、危険な場所に放り込んだり、竜の狩りに連れて行こうとした連…
ペイシェンスの“ス〇シウム光線”からの“八つ裂き光線”でドラゴンが真っ二つになるところを見てみたい気がします(笑) ビスケットバー… ショートブレッドタイプのかな?それとも乾パンみたいな堅焼きタイプ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ