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異世界に来たけど、生活魔法しか使えません  作者: 梨香
第八章 王立学園を卒業しよう

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社交界デビューの影響

 ゲイツ様は、昼食の後は帰ってくれた。お父様が思いの外、強く拒否したので、諦めてくれたのだろう。

 これから、夕方に寮に行くまで、パーシバルと受験勉強と次の領地行きの話し合いだ。


 お互いに、指導教授との面接用の本を読んだりしたけど、やはり話す時間の方が多かった。だって、読書なら一人でできるもの。


「来週の土曜日、コルドバ王国の大使館のパーティに出席した後、日曜に領地へ行くのですが……体調は大丈夫ですか?」


 パーシバルもペイシェンスがあまり丈夫でないのは、夏休みを一緒に過ごしたから分かっている。魔素を吸収して、やっと普通の令嬢並の体力だからね。


「コルドバ王国大使館のパーティは、早めに帰るつもりです。それに、大使館のパーティは、王妃様が付き添われるので、そんなに遅くまでは残らないと思います」


 そう自分で言っても、難しいと思っている。だって、マーガレット王女も婚約したてのパリス王子とパーティに行くんだよ! 絶対、夜遅くまで一緒にいたいと考えているに違いない。


 頼みの綱は、王妃様だ。夜遅くまでは、残られないと思うけど……コルドバ王国からは、リュミエラ王女が嫁ぐのだ。早々に王宮に帰ったりはしない。失礼だからね。


「そうですね。普段、国王陛下夫妻は、貴族の屋敷のパーティで長居はされませんが……縁談があるコルドバ王国、ソニア王国の大使館では、いつもよりは長く滞在されるでしょう。ただ、王妃様がいらっしゃるので、ペイシェンスも安心して楽しめますね」


 まぁ、それは安心感があるよね。パリス王子も王妃様の前で、テラスに誘い出したりしないだろうから。


 お茶を飲んで、パーシバルは屋敷に一旦帰る。私もナシウスと寮に行かなきゃね!


 今夜は、きっとマーガレット王女の部屋で女子会だと思う。婚約発表したマーガレット王女とリュミエラ王女の恋バナ! そして、社交界デビューしたエリザベスとアビゲイル、去年のデビュタントのリリーナ! 


 これからのパーティへの出席なども確認したいしね。私は、ラフォーレ公爵家のパーティは、パスする予定だから、その時のマーガレット王女のお供とかも。


 だから、チョコレートとマカロンを多めに持って行く。長くなりそうなんだもの。

 ただ、勉強会も続けないといけないんだよね。屋敷なら、家庭教師とかもいるだろうけど、寮にはいないから。


 でも、去年、社交界デビューしたキャサリンとハリエットの成績、明らかに落ちている。リリーナの方がマシだなんて、本当にパーティ三昧なのか? 体力あるなぁと逆に感心しちゃうよ。


 そんな呑気な感想は、エリザベスとアビゲイルに吹き飛ばされた。


「ペイシェンス様は、もうパーシバル様と婚約されているから呑気な事を考えておられるのだわ!」

 

 王宮のパーティ、私が帰った後、より良い相手を求める令嬢達の戦いが本格化したみたい。


「でも、エリザベス様はすぐには結婚したくないと言われていたのでは?」


 前に、そう言っていたよね? あれ? マーガレット王女やリュミエラ王女やリリーナにも呆れられた。


「今、婚約しても、すぐには結婚はしませんわ。準備も大変ですもの」


 卒業したら、すぐに結婚したいと言っていたアビゲイルに説明して貰う。やはり、貴族の結婚の支度は細々した物まで用意するから大変みたい。


「リリーナ様には悪いのですが、やはりデビューした年がより良い相手を得るチャンスなのです。何故、お相手を探されなかったのですか?」


 おおっと、エリザベスの厳しい質問だ。


「何故でしょう……」

 困った顔のリリーナ。本当に妖精みたいに可憐だけど、ぼんやりしているのが足を引っ張っているのか? 


「普通は、親戚とかが縁談を持ち込むのでは?」


 マーガレット王女も心配そうだ。


「縁談の方は……あまり……」


 ああ、リリーナの美貌が曇る。つまり、気に入らない相手だったんだ。


「ペイシェンスも親戚からの縁談がパーシバルと結びつけたのでしょう?」


 マーガレット王女とリュミエラ王女には、婚約フィーバーの時に説明していたけど、そう言えばエリザベスやアビゲイルは知らなかったかもね。


「えええ! 縁談で!」


「あんな優良な相手をお世話して貰えるなんて!」


 エリザベスとアビゲイルに羨ましがられた。リリーナもコクコクと頷いている。


「小父様じゃない……」


 どうやら、かなり年上の相手との縁談で、リリーナは断ったみたい。ただ、それを世話した親戚の人の気持ちも分かる気がする。


 包容力があり、リリーナが少しぼんやりしていても、それを大目に見てくれる相手じゃないと駄目だと思うから。ただ、私はあまりに年上は無理だから、断った気持ちも理解できる。


 そこからは、マーガレット王女、リュミエラ王女の婚約の祝福などをしたのだけど、二人とも真面目な顔をして受け止めている。


「パリス様とパーティに行けるのは、とても嬉しいのだけど……もっと、お力になれるように頑張らないといけないの」


 マーガレット王女の言葉にリュミエラ王女も頷いている。婚約が発表されて、次代の王妃になる覚悟が決まったみたい。


「私は、来週は領地に行く予定ですから、今週は真面目に勉強しましょう!」


 リリーナをAクラスに戻せるかは分からないけど、もう少しレベルアップさせないと良い結婚相手は見つからない。


 エリザベスとアビゲイルも他のメンバーのやる気に驚きながらも、浮ついた気持ちを引き締めた。


 




 

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― 新着の感想 ―
[一言] コルドバ王国、なんと龍撃退! 英雄出没か、凄腕領主が出現で、そちらと国王が交代!とか ある国が、英雄いないのに被害ゼロで、情報得ようと世界中大騒ぎ!、な展開も、ありじゃない?
[一言] 留学生で寮に入ってAクラスキープしてる人達、すごいな リリーナは、寮に入るより、家庭教師をつけたり、知人同士の小さなパーティーにでて、パーティー慣れさせた方が良かったかも? ナシウスは、家…
[一言] 産休、育休と、内容と、許可の取り方を告知しておかないと、使用人が利用できないよ この世界では、結婚するなら、退職するのが一般的なんだから、皆さん知らないだろう 社交デビュー終わったから、メア…
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