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異世界に来たけど、生活魔法しか使えません  作者: 梨香
第八章 王立学園を卒業しよう

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特産品店の話し合い

 夕食の後、アダムとメーガンと特産品店について話し合った。パーシバルも一緒に聞いてもらう。


 二人は、バーンズ商会で働いていただけあって、こちらの商売に詳しい。


「いっぺんに品数を増やすより、先ずは需要があるソースと海産物に絞りませんか? 店員の教育も必要ですから」


 ああ、そうだった! 店員を育てなきゃいけないのだ。


「ペイシェンス、調味料はカルディナ街でも買えるから、初めは良いのでは?」


 商品数を少なくするには、それも良いかもしれない。


「では、今日のスイートチリソースも初めは無しにした方が良いのかしら?」


 アダムとメーガンも試食したのか、慌てて「あれは美味しいから売りましょう!」と声を揃えて言う。


「ソース類は売った方が良いですよ! それとも、スイートチリソースは高い調味料を使っているのですか?」


 パーシバルが質問する。いや、然程は高い材料ではない。輸入品は、使っていないからね。


「調味料も、カルディナ街に買いに行くより便利だとは思いますが、品数を減らしたいので……でも、いずれは売りたいです!」


 メーガンは、領地で調味料やソース作りの責任者だからね。やる気、満々だ!


「それと、アダム。ホテルの従業員になりそうな使用人はいますか?」


 これ、心配だったんだ。アダムも難しい顔だ。


「それについて、少し相談したいと思っていたのです。グレンジャー館はとてもロケーションが素晴らしいので、貴族が多く宿泊すると思います。田舎では、貴族相手の接待教育は難しいのです」


 私達がいない時は、どうしても気が緩んでしまうとアダムが溜息をつく。


「交代で王都で教育したら良いのでは? こちらのミッチャム夫人に育てて貰います」


 それと、ホテルと言えばシーツ! こちらでは、どの程度の頻度で交換するのだろう?


「錬金術クラブで洗濯機を作ったのです。ただ、多くの人が使うシーツの場合は……」


 こちらのシーツは、大きな釜で煮るのだ。それと、アイロン! 重労働だよ。


「今の錬金術の洗濯機は、水で洗うようになっていますが、シーツ専門でお湯で洗えるのを作りたいと思います。それと、乾燥機とプレス機も!」


 アダムとメーガンが驚いている。横でパーシバルがぷっと噴き出した。


「失礼! やはり、ペイシェンスは錬金術クラブから離れようがなさそうですね!」


 前の二槽式洗濯機は、家庭用だ。業務用は別に考えた方が良いんだもん。


「連泊されるお客様のシーツ交換は、どうなっているのかしら? 毎日、交換するの?」


 アダムは、あれこれ調べていた。


「王都のサボンホテルは、毎日交換すると聞きましたが、普通のホテルは連泊の場合は、お客様の要望がない限り毎日は交換しません」


 サボンホテル! そうか、王都に屋敷がない人もいるものね!


「パーシー様、サボンホテルをご存知ですか?」


 私の質問に、三人が呆れている。


「知らないのですか? 王都一のホテルなのに!」


 アダムとメーガンに驚かれたけど、パーシバルは、にっこりと笑う。

「ペイシェンスは、意外な事を知らないのですね。一度、行ってみましょう!」


 それ、良いアイディアだ。


「あのう、食事とかできるのでしょうか?」


 パーシバルは、笑って頷く。明日のデート先が決まったね。


「ただ、伝統的なローレンス王国の食事だったと思います。前に、何回か食べた事があるのです」


 男子は、時々、友だちとお外で食事をする事があるみたい。ナシウスやヘンリーにも、気をつけておかなきゃ。

 私の心配そうな顔で、何を考えているのかわかったみたい。


「ペイシェンス、それはロマノ大学になってからが多いです。私もミッシェル様に連れて行って貰ったのですよ」


 ああ、従兄弟のミッシェル・オーエン! 会った事は無いけど、何回か名前は聞く。一度、会ってみたい。モンテラシード伯爵家から嫁いだ方の息子さんだよね。


「サボンホテルは高級ですが、大学生になれば、もう少し砕けたレストランで食事をしたりもします。ペイシェンスも一緒に行きたいですね」


 ああ、楽しそうなキャンパスライフだけど、その前に試験に合格しなくちゃね。


 脇道に逸れたけど、ミッチャム夫人、ワイヤットも呼んで、領地の使用人を王都で鍛える計画を立てた。その中には、料理人も含まれるよ。


「それと、ソースの名前を考えて頂きたいです」


 メーガンに言われて、パーシバルと笑ってしまった。


「今は、あっさりソース、辛味噌ソース、甘味噌ソース、醤油ソースですからね」


 私的には、醤油ソースが一番笑える。醤油ベースソースが、だんだんと短くなって醤油ソースになったんだけど、前世では醤油とソースは別物だったから。


「それと……マヨネーズを売ってはいけないでしょうか? あれは、飛ぶように売れそうです」


 メーガン! 商品数を削ろうと言ったのは自分なのに! 

「マヨネーズは、冷蔵庫が無いと賞味期限が短いですよ」


 これ、大問題なんだ。他のソース類も、冷蔵庫で保管して欲しい。


「それは、小さな瓶にすれば良いのではないでしょうか?」


 ソースも家庭用の小さな瓶で販売した方が良いのかな? 

「そうね。これも、従業員が慣れてからにしましょう。ソースも、騎士団とか以外は、小さな瓶にした方が良いのかしら?」


 それぞれ意見を出す。パーシバルは、大きな瓶も売るべきだと言う。


「あれは便利だから、大きな瓶の方が良いですよ。それに、買うような人は、貴族か大商人ですから、人数が多いと思います」


 それは、確かにね! 前世と違って、使用人が多い。前のグレンジャー家は別だけどさ。


「それと、初めはアップタウンに特産品店を開く方が良いと思います。食料品がメインですが、庶民より貴族や富裕層が購買客になりそうですから」


 それは、パーシバルも頷いている。


「あのう、その従業員達は、何処で暮らすのかしら? 王都で募集するの?」


 アダムとメーガンが、バーンズ商会の雇用システムを教えてくれた。


「基本の従業員は、バーンズ公爵領民です。領地にも王都にも従業員寮があります。勿論、自宅から通う従業員もいます」

 

 ふぅ、それ大変じゃない! 寮を管理しなきゃいけないの? と思ったけど、笑われた。


「グレンジャー屋敷なら、四人や五人の従業員を住み込ませるのでは?」


 あっ、無駄に大きな屋敷だったけど、役に立つね! それに新居も大きい。


 午前中に、不動産屋と特産品店の店舗を見て、ランチはサボンホテルで取る。

 午後は、グリーン氏と新居の改修の打ち合わせ! これは、モラン伯爵家でするんだけど……ラドリー様が参加しそうなんだよね。伯爵夫人が驚かなきゃ良いんだけど……。

 手土産にマカロンとチョコレートを持って行こう!

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― 新着の感想 ―
[一言] 醤油は英語圏でソイソース つまり醤油ソースはソイソースソース
[一言] 放置された領地だから人材が乏しいのが一番の悩みだね。
[良い点] ホテルランチ!婚約者が同伴だし未婚貴族令嬢がホテル出入りでも大丈夫なのかな。 品数絞って、、、と言った端から増えていくの笑える。しょうがないよね、ペイシェンスだもの。
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