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異世界に来たけど、生活魔法しか使えません  作者: 梨香
第八章 王立学園を卒業しよう

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ドレス、ドレス、ドレス!

 パーシバルとのカルディナ街、お買い物デートは明日だから、今日はナシウスとヘンリーとゆっくり過ごす予定だった。


 それなのに、午前中は、ドレスの試着とサイズ測りで、終わっちゃったんだ。

 試着は、王妃様から頂いたドレス。夏休み中にも少し背が伸びたから、調整する事になった。

 これは、とても高価な絹やレースが使われているから、マリーもモリーも慎重に扱って、凄く時間がかかった。


「もう少し背が高くなりたいわ」

 私も背が伸びたけど、パーシバルも高くなったからね。カップルバランス的にも後五センチは伸びたい。

 ナシウスには、とっくに背を追い越されているけど、ヘンリーも目線が一緒になっている。

 

 もう少しだけ、ヘンリーより背が高い状態でいたいけど、あの食欲には負けそう。

 ナシウスもだけど、ヘンリーも成長期独特の食欲魔神なんだ。

 ペイシェンスは、元々、食が細かったのかも。転生した頃は、飢えている状態だったから、普通の令嬢よりは食べていたけど、今では少な目なんだよね。


 成長期が終わったの? もうすぐ十三歳だけど、女の子の成長期っていつまでだったかな? ううんと、前世では高校生でも少しは背が伸びたよ。つまり、十五、六歳までは、期待しても良いと思う。いや、思いたい!


 だって、ドレスって背が高い方が似合うデザインが多いんだよ。特に、これから流行らせたいバイヤスカットのドレスとかはね。昔のハリウッド女優が着ていたような格好良いドレスをさらっと着こなすのが夢なんだ。


「お嬢様、ドレスは何着かは、外で作っても良いのでは?」

 メアリーが心配している。ドレスメーカーのドレス、凄く高いんだよ。それに、うちのお針子達、そんじょそこらのドレスメーカーのお針子より腕が良い。


「ええ、でも前のドレスメーカーは嫌だわ」

 それは、メアリーも頷く。マリーとモリーを搾取していたし、騙して残り布を返さなかったりしていたもの。


 ただ、私の前世のデザインだけで作るより、こちらの専門家のデザインもチェックしたい。

「ラシーヌ様に相談してみるわ。そろそろ、王都に来られると思うから」

 去年は、ギリギリになって、馬車渋滞に巻き込まれたから、今年は早めに王都に来ると思う。


「それと、アクセサリーも購入致しませんと」

 それもわかってはいるんだけど、高価だから、ちょっと考え中なんだ。


 それに、パーシバルとスティディリングを買いに行った宝石屋さん。とても高級そうで、買わずに見るだけで帰るとか無理そうなんだもの。


「その件も、ラシーヌ様に相談したいわ。リリアナ伯母様に相談したら、少し高価になりすぎそうですもの」


 メアリーも、リリアナ伯母様の宝石好きは知っているので、それが良いでしょうと頷く。


 それと、信用できる宝石店を紹介して貰わないとね! 偽物とか、ぼったくられるのは御免だもの。


 昼からは、ナシウスとヘンリーと一緒に馬の王(メアラス)に乗る。もう、真夏の暑さはないから、気持ち良い天気だ。


 馬の王(メアラス)的には、私よりナシウスやヘンリーの方が乗馬が上手いから嬉しいみたい。本当に、何故、私を主にしたのかわからないよ。


 お茶の時間まで乗馬をしたので、そこからは音楽とダンスだ。ナシウスは、学習面は全く心配ない。音楽も多分大丈夫!

 一番のネックだと思っていた乗馬と剣も、サミュエルと練習したから、いけそうなんだ。


 つまり、ダンス! 私は女の子だから、カエサルの上手いリードのお陰で修了証書を貰えたけど、ナシウスはリードする方だから、実力がモロに出ちゃうんだよ。


 それに、社交界デビューしたら、舞踏会もあるからね。幸い、私にはパーシバルという婚約者がいるから、見知らぬ相手とダンスする必要はない。


 エリザベスやアビゲイルから社交界の注意をされた時、紳士とは言えない態度の人もいると聞いたんだ。

 ダンスの時のホールドは、手とウエストなのに、お尻を触ったり! まぁ、こんな男の人は、嫌われるよね。


 ただ、あまりに早く帰るのも、招いた家の人に悪いとかで、体力強化の為にもダンスをしようと思う。

 それに、ナシウスの修了証書も掛かっているし、ヘンリーだって、再来年は王立学園に入学するのだから、ダンスは必須だよね。


 私は、ずっと踊る体力はないから、カミュ先生にも加わって貰う。

 だから、ナシウスとヘンリーと交代しながら、ダンスをしたり、伴奏のハノンを弾いたりして過ごした。


「お姉様、少し上手くなったでしょうか?」

 わぁ、ヘンリーってマジ天使だよね。

「ええ、これならヘンリーは王立学園に入学する頃には、ダンスは問題ないでしょう」


 ナシウスも、かなり上手くはなっているけど、それは私やカミュ先生が相手だからだと思う。だって、思春期の男の子だから、一つ学年が上のクラスメイトの女の子と踊るのは意識しちゃうよね。


 それにAクラスの女子って、上級貴族の令嬢が多いから、美少女ばかりだもの。本当に、前世のアイドルより可愛いんじゃないかな? 

 

 それは、男子学生にも言えるよね。パーシバルとか、まつ毛バサバサで凄いハンサム。

 まぁ、顔だけで言えば、ゲイツ様も綺麗な顔立ちなんだ。王妃様の甥だから、当たり前かな。


 ナシウスとヘンリーも顔立ちは良いよ。ただ、私もだけど、上の中って感じなんだ。

 美少年オーラは、出ていないけど、私は弟達を見ているだけで幸せになっちゃう。

 そう、ナシウスは賢くて誠実な良い子だし、ヘンリーは素直で前向きなお日様みたいな良い子。


 この日は、ドレスに始まって、ドレスで終わった。

 私が乗馬やダンスをしている間に、お針子達が張り切って縫ったので、仮縫いをしたんだ。

 仮縫いって、割と疲れるから、二着で勘弁して貰った。


「早く仕上げた方が良いのに」とモリーは、少し不満を口にして、メアリーに睨まれていた。


 まぁ、エリザベスやアビゲイルもドレスを作りたいと手紙に書いてあったし、ユージーヌ卿のウェディングドレスもあるから、私のをさっさと縫っておきたいのもわかるよ。


 それと、ハンナ達、ちゃんと仕上げられたのかな? 今度、持ってくると手紙に書いてあったから、少し手直しとか、刺繍を頼むのかもね。

 

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― 新着の感想 ―
[一言] ペイシェンス、王妃がドレス作ってくれるにしても、ドレスメーカーとは、採寸どころか、一度も顔合わせてないよね?
[一言] 生活魔法と錬金術で宝石作れませんかね(笑) 地球側でも酸化アルミニウムでルビーやサファイア、炭素からダイヤモンド作っていますよね。
[一言] 特許という不安定な収入じゃ、予算たてるの困難だろうけど 一度洗い出した方がいいかと。 特許1の特許料Aのうち、Bを貯蓄に回す、 メアラスの種付け料、1回CのうちDを貯蓄する …みたいに、予…
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