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異世界に来たけど、生活魔法しか使えません  作者: 梨香
第七章 中等科二年の夏休み

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雨の日の午後はお茶が美味しい

 午前中、ずっと生活魔法について考えて、ヘンリーと一緒に空を飛び、遣り方を覚えて貰う! という単純な方法しか考えつかなかった。


 まぁ、ぐるりと一周して、元に戻った感じだけど、生活魔法については、少し考えるところがあったんだよね。


 ゲイツ様には内緒にしているけど、パーシバルの目を治療したし、これって生活魔法なの? っと自分でも理解不能な魔法でもあるんだ。


 ただ、うちのメイド見習い達が掃除をする時、手が届かない場所で生活魔法を使っているのを見ていて、感じたんだ。


 まだ魔法量が少ないから、一日に一回か、二回程度しか使えない生活魔法だけど、やはり埃を転移させているんだよね。


 それに、綺麗にするのは、浄化じゃないの? つまり、転移と浄化を合わせて使っている。ほんの初心者のメイド見習いがだよ。


 私の生活魔法も普通じゃないけど、元々の生活魔法も変だよ! 


 それに、夏休みになってから、パーシバルやルーシーやアイラ、それにジェニーやリンダ。アルーシュ王子やザッシュ。うん、ライトマン教授や学生達にも生活魔法を教えたんだよ。


 上手、下手はあるけど、ほぼ全員が使えるようになった。

 でも、メアリーは使えない。魔法が元々使えないからかな? 生活魔法が使えたら便利だと思っているのに。


 教えて使えるようになった人は、基本的に魔法が使える人なんだよね。

 でも、ルーシーは、風がメインで、土はちょこっととか、人によって使える魔法が違うのは何故なんだろう。

 そして、ルーシーも簡単な生活魔法は使えるようになった。


「生活魔法を必須授業にするべきなのかも?」なんて、事まで考えたんだ。

 まぁ、ヘンリーを飛ばす方法は、とても単純なところに落ち着いたんだけどさ。

 

 午後からも、しとしと雨が降っている。こんな雨の中、騎士達は、昼からも室内訓練所で特訓だそうだ。

 弟達やサミュエルも一緒なので、応接室には、私と父親とゲイツ様とラドリー様しかいない。


 カミュ先生とクラリッサは、ミリアムを案内して貰っている。

 ミリアムとの面接は、とてもスムーズにいったし、私が領地にいる時は、一緒に食事をして貰うことに決めた。

 いない時に、一人だけで食堂で食べるのは寂しいと言うので、メーガン達と食べて貰う。


 これも、これから決めていかないといけない事なんだけど、使用人の区別が必要になってきた。


 執事や家政婦、侍女や従僕などの使用人とメイドとメイド見習い、下女、下男。純粋に使用人枠。

 まぁ、上級の執事や家政婦、侍女や従者と中級のメイドと従僕、下男や下女に分ける家もあるけど、グレンジャー家は、今のうちはごっちゃだよ。


 そして、使用人だけど、ちょっと違う感じが、家庭教師のカミュ先生、臨時秘書のクラリッサ、そして今日からはミリアム先生。


 それと、モンテス氏などの管理人、アダムやメーガンは管理人助手。この人達は、使用人というか、管理する人達だから、また立場が違う。


 護衛関係では、領兵達、王都の護衛、私の個人護衛のベリンダ、騎士達。


 今は、食堂では、私の家族とゲスト、それにカミュ先生とクラリッサが一緒に食べている。


 モンテス氏は、今まではケリーに料理をして貰って、サムと一緒に葡萄管理人家で食べていたみたい。


 今は、管理人助手と共に、兵舎で食べているそうだ。他の騎士やベリンダも一緒にね。


「ゲイツ様、ラドリー様、騎士達は領兵と一緒に食事をするものでしょうか?」

 パーシバルは、モラン伯爵家の若い騎士達は、兵舎に住んでいると言っていたけど、前から何とかしないといけないと思っていたんだ。


「今、騎士の家を建てていますが……そうか、独身だと料理に困るのですね」


 ゲイツ様は、騎士達に興味は無さそうだと思ったけど、私よりは詳しかった。


「兵舎で食べても、問題はないでしょうが、領兵達が寛げないかもしれませんね。二つに分けた方がお互いに良いかも」


 そうか! 上司が常に一緒なのは、嫌かもしれない。でも、ゲイツ様が王宮の食堂で食べないのは、ズボラだからだとは思っちゃうけどね。


「独身の騎士は、兵舎の二階で良いと言うのですが、本当にそれで良いのかも悩んでいて……」


 ラドリー様が笑う。

「本人達がそれで良いと言うのに、ペイシェンス様は悩まれるのですね。少し、広い部屋にしたら、気がすみますか?」


 ゲイツ様は、そんなの無駄だと笑う。

「騎士の家に住ませれば良いだけでは? 食事は、兵舎に騎士の食堂を別に作れば良いだけです」


 ふぅ、どちらも良さそうで迷う。


 横で読書をしながら話を聞いていた父親が、珍しく口を挟む。


「ペイシェンスの領地の事だから、自分が良いと思うように決めたら良いのだよ」


 また理想論だけど、何だか割り切れた。


「そうですわよね。私は、あまり区別をつけるのは好きではないのです。でも、ある程度は区別しないと、困るのもわかってきましたわ」


 ここでも、料理人の数が足りないのがネックになる。


「ペイシェンス様、うちの料理助手の件、真剣に考えて下さい。基礎ができた料理助手を二人譲りますから」


 ラドリー様、ぐぃぐぃ推してくるね。


「ええ、エバは受け入れても良いと言っています。それに、四年後にはグレンジャー家に料理人が必要になりますから」


 きゃあ〜! 自分で言って恥ずかしくなった。


「ペイシェンス……お嫁に行くのか……」


 父親が落ち込んでいるのを、ゲイツ様とラドリー様が慰めている?


「ペイシェンス様は、嫁に行っても弟君たちからは離れられません。実家にちょくちょくどころか、ずっと居着いてしまうかも?」


 それ、やめて! 実行しそうな私が怖い。


「夏休みには、一緒に領地で過ごせば良いのです」


 ラドリー様の方が常識がある慰め方だと思ったけど、違った。


「私もご一緒しますし!」


 えっ、ラドリー様の夏の保養所決定なの? まぁ、四年で領地の建物全てが改修できるとは思わないから、働いて貰っても良いけどさ。


「ラドリー様、図々しいですよ」と注意しているゲイツ様も来る気満々みたい。


「お茶にしましょう!」


 ハーパーが運んできたお茶と焼き菓子。雨の日のティータイムも良いね。


 なんて優雅に過ごせたのは、剣術訓練の人達が応接室に雪崩れ込むまでだった。


 ルーシーとアイラはどうしていたのか? 二人は、案内が終わったミリアム先生、カミュ先生、そしてクラリッサにビシバシ鍛えられていたんだ。


「ルーシー、これでは王宮魔法使いの試験に合格できませんよ!」

 ゲイツ様の雷が落ちて、ルーシーも本気を出したみたい。アイラもね!


 少し雨が降って肌寒いので、暖かいお茶が美味しいね。



 

 

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ミリアムのスケジュール ブラックにならないといいけど [一言] メイドは、客間女中(パーラーメイド)を除いて、下級かと思うけど
[一言] お前の娘は、もうとっくの昔に消えたよ!! メアリー、一切魔法が使えないのか、生活魔法が使えないのか、どっちかな 魔法を使えるのと、使えないので、全く別の種族だったりするんだろうか? 宇宙人…
[一言] ハープジャーにも、お客用のホテルを別に建てたほうがよさそう。10年後のワインの買付客の話もあるし。新婚のうちは、空間を強制的にでもわけないと 伯爵家を継ぐ嫡男に加え、子爵家を継ぐ次男も必要だ…
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