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異世界に来たけど、生活魔法しか使えません  作者: 梨香
第七章 中等科二年の夏休み

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騎士達と合同練習!

 お昼からは、騎士達と合同練習だ。

 サリエス卿とユージーヌ卿もすごく張り切っている。


「ゲイツ様から指導を受けるだなんて、他の騎士達に知られたら、凄く羨ましがられるぞ!」

「そうだな!」

 二人の頑張りに期待しよう。


 私的には、身体強化は無理じゃないかなと半分諦めている。

 パーシバルやナシウスは、風の魔法を使えるから、飛べる様になったら良いな。


「お姉様、私も参加しても良いですか?」

 ヘンリーは、騎士合宿に参加というか、加えて貰っている。正式なメンバーじゃなく、おまけって感じ。

 子供たちが遊ぶ時に、幼い子を仲間に加えてあげるけど、鬼にしないとか、本当のメンバーじゃない感じ。


 ヘンリーは賢い子だから、それをわかっている。だから、今回の魔法合宿との合同特訓に、参加しても良いのかと聞いてきた。


「勿論ですよ! それに、ヘンリーに身体強化を教えて頂きたいのです」

 ゲイツ様には断ったけど、うちのヘンリー、マジ天使で可愛いんだもん。モチベーションMAXだよ。


「えっ、私がお姉様に教えるのですか? 頑張ります」

 うん、なんて可愛いの! 抱きしめてキスしよう。


「私も参加させて欲しい」

 サミュエルもナシウスも、半分おまけだ。


「ええ、勿論です。サミュエルもナシウスも飛べるようになったら良いですね!」


 全くの他人事みたいに言っていたら、ゲイツ様からチェックが入った。


「ペイシェンス様が一番必要かもしれませんよ」

 ええっ、やはり竜討伐要員なのかな? 領地に来たら、仕方ないけど、他は知らないって感じなんだけど。やはり、貴族としての心構えがなっていないのかも?


 今日は屋内訓練所ではしない。だって、空を飛ぶ練習なんだからね。頭を天井でぶつけるのは嫌だろうから。


「ペイシェンス様は、ヘンリー君に身体強化を習って下さい。ルーシーとアイラも一緒に!」


 先ずは、魔法合宿組は身体強化を習うのだけど、アルーシュ王子とザッシュは身体強化は出来るから、騎士合宿組と一緒に空を飛ぶ練習だ。


 パーシバルも浮き浮きしているのがわかる。空を飛ぶ訓練だなんて、普通は受ける機会がなさそうだからね。


「お姉様、身体強化の練習ですが、どうやって教えたら良いのかわかりません」

 困った顔のヘンリー! そうだよねぇ。私も困った。


「私だけなら、身体強化ができなくても良いのですが、ルーシー様やアイラ様は、空を飛びたいと思っていらっしゃるでしょう」


 ヘンリーを抱きしめて考えているうちに、名案? 迷案? が思いついた。それに、ヘンリーはまだ少しだけだけど私より背が低いから、抱きしめ易いんだ。


「ヘンリー、このまま身体強化を使ってみて!」

 ヘンリーは、私の顔を見て、不思議そうだけど「はい!」と自分に身体強化を使った。


「ううん? 何か掴めそうですけど、もう少しお願いしますね」

 

 横で見ているルーシーとアイラが「あれってヘンリー様を抱きしめたいだけでは?」とか失礼な事を話しているけど、無視しよう。


「身体強化!」

 うん、ちょこっと使えた気がする。


「ヘンリー! 素晴らしいわ! ヘンリーのお陰で、身体強化が使えるようになりましたわ」


「お姉様! 嬉しいです!」

 飛び跳ねて、喜んでいるヘンリー。可愛い!


「えええ、嘘でしょう!」

「まさか!」

 ルーシーとアイラは、驚き、疑っている。


「ペイシェンス様? もう身体強化ができたのですか?」

 二人が騒ぐから、ゲイツ様がこちらにやってきた。


「ええ、ヘンリーは天才ですから!」

 もじもじと嬉しそうなヘンリーを抱きしめて、キスしておこう。


「ペイシェンス様、少し、弟君への愛情表現は後にして、身体強化をしてみて下さい」


 渋々、ヘンリーを離して、身体強化を自分に掛ける。うん、バリアを自分の周りに掛ける感じだよね?


「ペイシェンス様! それは身体強化ではありません」


「えっ、違うのですか? 私の周りにバリアを張って強化してみたのですが? ヘンリーの身体強化を真似したつもりですよ」


 ヘンリーがしおしおなので、必死で言い訳する。


「ヘンリー君のは、身体強化です。でも、ペイシェンス様のはバリア! ああ、何でこう難しくするのでしょう! 身体強化は、身体の組織に魔力を流して、強化するのです」


 ゲイツ様の身体強化を見ると、ああ、これなんだ! と自分の身体強化擬きとの違いを実感した。


「身体強化!」こっちだったんだ。全身に魔力を流して、組織を強化する。


「ああ、それが身体強化ですよ」


「ヘンリーのお陰で、バリアと身体強化を覚える事ができましたわ」


 弟愛に関しては、全員がスルーしたが、ルーシーとアイラは「あれはペイシェンス様だから覚えられたのでは」とか文句を言っている。


「ルーシー、アイラ! 貴女達は、身体強化ができるまでは、空を飛ぶ訓練には参加できません。ヘンリー君によく教えて貰いなさい」


 無理だぁ! と二人が絶望した顔をする。


「ヘンリー君の教え方を工夫するのです。自分で考えて!」

 つまり、ヘンリーがちゃんと教えられるように、二人は苦労しなきゃいけないみたい。頑張ってね!


 パーシバルやナシウス達と一緒に、空を飛ぶ訓練だけど、ゲイツ様、スパルタなんじゃない?


「ヒェェェ!」

 サリエス卿、悲鳴と共に、空に打ち上げられている。


「はい、次はユージーヌ卿ですよ!」

 私なら辞退するけど、ユージーヌ卿は、張り切って前に出る。


「ゲイツ様!」止めようとしたけど、空の上にユージーヌ卿は打ち上がった。


「ふんむ!」とサリエス卿は、無事に着地したし、ユージーヌ卿もちゃんと着地した。


「これは、なかなか難しそうです」

 サリエス卿、悲鳴をあげていたのは記憶から消去したのかな?


 私は、ちょっと腰が引けているよ!





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― 新着の感想 ―
[気になる点] ルーシーは、ラドリーの技術にも興味あったし、建築科いくかもしれないのでは? 数学苦手だけど [一言] 反抗期。結婚とか、変なところで、爆発しなきゃいいけどね… ペイシェンスは、体が弱…
[一言] 乗馬訓練でカミュ先生の息子達と落馬した時の練習をペイシェンス嬢がしていたので、 その時に覚えた「エアクッション」とヘンリーくんに教えてもらった「身体強化」を使えば落下後の着地は大丈夫な気がし…
[良い点] ヘンリー君いつまでも可愛い弟でいてあげてください。アクティブ系には弟達の参加は効果抜群。ゲイツ様は、竜退治にヘンリー君人質に取らないよねー?もしくは何らかの人参はぶら下げるだろうなー。 […
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