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異世界に来たけど、生活魔法しか使えません  作者: 梨香
第七章 中等科二年の夏休み

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やはりゲイツ様は、ゲイツ様だよ!

 その夜は、正式に騎士になった三人、ベリンダ、管理人助手になったアダム、メーガン、そしてモンテス氏も招待して、ちょっと豪華な食事会にした。


 ヘンリーは、早く寝させたいから、子ども部屋でルーツがお世話して別に食べたよ。

 前は、メアリーが世話していたけど、従者見習いをしているルーツがした方が経験にもなるからね。


 私は、ヘンリーがいないのは寂しいけど、夕食が終わり、お休みのキスをしに子ども部屋に行ったら、いつも寝ているから、これは仕方ないと思う。子どもの成長に、睡眠は大切だからね。


 ああっ、忘れていた! ベリンダは、いつもはパンツスタイルなのに、今夜はローラン卿夫人として、ドレスを着ている。

 ユージーヌ卿は、準礼服だ。格好良くて、ジェニーやリンダだけでなく、女の子の目がハートだよ。

 ユージーヌ卿が着ても蕁麻疹が出ないドレスを作らなきゃね! 婚約披露パーティもあるんだから。


 それにしても、ベリンダ、スタイル抜群! ちょっと羨ましいよ。はぁ! でも、ペイシェンスなりに背は伸びているんだ。母親は背が低かったみたいだけど、父親はかなり背が高い。それを期待しよう!


 ゲイツ様の要求通り、今夜はマッドクラブ尽くしだ。

 前菜は、マッドクラブの身を綺麗に並べて、上に雲丹を置いて焼いたもの。

 前に、ヘンリーが、これをゲイツ様が食べたら大騒ぎすると言っていたけど、本当に煩かった。


「これ! お代わりします! 他のが食べられなくても、お代わりする価値のある料理です!」


 大興奮だよ! 少し新任の騎士達が引いている。昼間よりパワーアップした王宮魔法師の騒ぎ方に、驚いたみたい。

 ベリンダは、通常通りだ。動じないのか、それを見せないだけなのかな?


「ううむ、お代わりするべきか悩みます。メニューを見ると、他にも美味な物が出そうですから、これはやめておきます」


 ラドリー様は、メニューを見て考えている。


「えっ、メニュー? ああ、これですね! えええ、本当にマッドクラブ尽しなのですね!」


 そう要求したのは、ゲイツ様じゃん! エバは、少し考えて承諾したみたい。ミッチャム夫人に指示するだけだから、少しエバと距離を感じて、悲しい。

 でも、新しいレシピを渡して、これからも沢山の美味しい料理を一緒に作っていきたい。


 メインは、二つともマッドクラブだ。先ずは、蒸したマッドクラブを山盛りにしたサラダ。

 ドレッシングは、柚子風味のあっさり醤油味。オリーブオイルは控え目で、本当にマッドクラブにも野菜にもよく合う。


 ここでの口直しは無し! だってマッドクラブ尽しだから。


 マッドクラブのグラタン! とてもクリーミーで美味しいけど、冬場と違って少しサラリとしたソースになっている。白味噌の隠し味も控え目!


「これは、とても美味しいです! 前も思ったのですが、何か隠し味があるみたいですね」


 ゲイツ様は無言で食べているけど、ラドリー様の方がコメントが適切だね。グルメなのかも?


 ここで、口直しのメロンシャーベット! グラタンのベシャメルソースとカレーは、ちょっと合わないかもね? だから、お口をリセットしたいんだ。


「メロンシャーベット! 美味しいです! お代わりお願いします」


 ゲイツ様、メニュー見ていないんじゃないかな?


「デザートは、ゲイツ様がお好きなメロンケーキですのに、良いのですか?」


 ゲイツ様は、少し考えて「やめておきましょう!」と答えた。その方が良いと思うよ!


「マッドクラブのカレーです」


 これ、本当に手が込んでいるんだよね。前世で蟹カレーを食べた時、蟹の殻ごと炊いてあったから、手がべちゃべちゃになったんだよね。

 フィンガーボールで洗っても、カレーだから無理! って感じだった。


 異世界の貴族の料理だから、そんなカレーは出さない。でも、殻からも出汁が出るから、後から殻を剥いたのかな? 兎に角、食べ易くなっている。


「これは、本当に美味しいな!」

 父親も絶賛だよ! 他の人も無言で完食だ。

 いや、二名ほどは「お代わり!」と騒いでいるけどね。

 それに便乗して、何人もがお代わりしている。


「パーシー様は、お代わりは要らないのですか?」

 父親以外の男性は、ほとんどお代わりしているから、聞いてみる。

「メロンケーキは、私も好物ですから」と笑う。


 そうだよね! 私は、カレーも小盛りにして貰っている。


「ふふふ、お代わりした人は後悔しなければ良いのですけど……」

 今回のメロンケーキ、前のも美味しかったけど、もっと美味しくなっている筈。

 だって、エバは研究熱心だし、やはりメロンは夏場の方が甘味が増すからね。


 ハーパーとジョージとマシューが、メロンケーキ? を運んできた。三人で? それも当然だよ! エバが張り切って、三段メロンケーキを作ったんだ。


「メロンケーキでございます。一段目は、生クリームとメロン。二段目はメロンクリーム。三段目は、チーズクリームにメロン果汁を加えています」


 私は迷わず、新作のメロン果汁入りのチーズケーキ! 他の人は少しずつ三個! パーシバルも三個食べている。


「カレーのお代わりをしないで正解ですね! どれも美味しいです」

 パーシバルと笑い合う。


 アルーシュ王子とザッシュ、カレーお代わりしたけど、三個のケーキも完食だ! 十代の男の子の食欲って、凄いよね。

 そういえば、ゲイツ様もギリギリ十代? 二十歳になったのかな? ラドリー様は、お代わりしたのを後悔しているかも? 二十代後半に見えるからね。


「このお腹をもっと膨らませたいです! こんなに美味しいケーキなのに、お代わりできないなんて!」


 いや、お腹が膨らんだゲイツ様なんか見たくないよ! 午後からのゲイツ様は、凄いかもと思った。

 でも、やはりゲイツ様はゲイツ様だよ。

 

 


 

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ゲイツ、食べ過ぎで死んだりしないよね? 美食のし過ぎで生活習慣病になったり、肥満が原因で魔物討伐で遅れをとったり…ねぇ(笑)。 他の小説だと「魔法使いは魔法でカロリー消費するから太らな…
[一言] 領主なら、10代後半から20代前半には、結婚して後継ぎを得てるべきかと思うな…
[一言] 相変わらず静かに出来ないお子さまやねw
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