表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に来たけど、生活魔法しか使えません  作者: 梨香
第七章 中等科二年の夏休み

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

595/761

昼からは、剣術指南?

 エバの美味しい昼食の後は、騎士達、ベリンダ、騎士コースの二人は、剣術の稽古をする事になった。


 アダムとメーガンは、モンテス氏と話し合いだ。クラリッサとカミュ先生は、味噌と醤油の蔵に行って、進捗状況を調べてもらう。

 味噌は、もう樽に何個か詰めたから、熟成期間だけど、醤油は醤油麹を作っている状態なんだ。

 これができたら、塩水と混ぜて醤油諸味にして、三ケ月撹拌して醸造する。


 私は、バーンズ公爵の推薦状を信じているから、テストは必要ないと言ったけど、やはり腕前を披露するものみたい。


 パーシバルも勿論参加だけど、ヘンリーとサミュエルも加わりたくてうずうずしている。


「お姉様、私も参加したいです!」

 サミュエルは、少し遠慮していたけど、ヘンリーが言うと「私も!」と言い出した。


「パーシー様、どうしましょう?」

 パーシバルは、笑って許可する。

「私やジェニーやリンダが相手をしますから、参加させても良いですよ」


 まだよく知らない騎士に、弟やサミュエルの相手をさせないパーシバルの慎重さが好きだ。ジェニーやリンダは、何回もヘンリーに稽古をつけてくれているからね。


「ついでだから、ルーシー様とアイラ様も魔法の練習をしましょう」

 騎士クラブが魔法クラブに稽古に付き合わせて、問題になったけど、実際は協力して魔物を討伐したりするからね。

 あれは、騎士クラブが上位にいて、魔法クラブをこき使ったのが悪かったのだ。


「やります!」

 ルーシーとアイラは、数学以外は、なんでも積極的だ。

 領兵達の訓練所に行き、練習を開始だ。


「ルーシー様は、風の魔法は十分ですから、土の魔法で的に当てて下さい。アイラ様は、風の魔法の特訓です!」


 ゲーって顔をする二人だけど、魔法を飛ばすのは大好きだ。的に向かって、ヒャッハー状態だから、私はヘンリーを見ているよ。


「ヘンリー、前よりも身体強化が上手くなっている!」

 パーシバルに褒められて、ヘンリーが嬉しそうだ。

「でも、まだ力が足りないのです。お姉様の盾に剣が弾かれてしまいました」

 

 あちゃー! ヘンリーも「しまった!」と口に手を当てている。


 パーシバルが私をじっと見ているよ。バレたみたい。

「ヘンリー、大丈夫ですよ。パーシバル様には、誕生日前にプレゼントするつもりでしたから。さぁ、リンダ様と剣術の稽古をしていらっしゃい」


 パーシバルに「後でお話ししますわ」と約束する。

「何だか、背中がゾワゾワしますが、今はやめておきましょう」

 まだ仕えてくれるかわからない騎士の前だからね。それに、騎士達は、それぞれが剣術稽古をしていたので、ヘンリーの言葉は聞いていない。

 

「ローラン卿は、力強い剣ですね。エルビス卿では、歯がたちません」


 寒さが苦手だとか、馬の王(メアラス)に一目会いたいとか、ベリンダが私の護衛になりたいと言ったからとか、ちょっと軽い感じを受けたローラン卿だけど、剣の腕は見事だ。


「サリエス卿と同じぐらい強く感じますわ」

 パーシバルの目がキラキラだよ! 手合わせしたいのだろう。


「あちらのジェラルディン卿とベリンダ様は、スピードが凄いですね」

 魔力を目に込めないと、残像しか分からない。


「ジェラルディン卿は、剣に魔法が乗っています。あら、ベリンダ様は、魔法使いなのかしら?」


 ジェラルディン卿の剣からは、氷の刃が飛ぶ。それを、ベリンダが炎で焼き尽くす。


「これ以上は、危険だ!」

 パーシバルが声を掛ける前に、二人はパンと後ろに飛び退いて、距離を置き、剣を納めた。

 バーンズ公爵領でも、何回も手合わせしたのだろう。


「私も手合わせして下さい」

 パーシバルとローラン卿、そしてジェラルディン卿とエルビス卿の稽古になった。


 ベリンダと私は、皆の稽古を見ている。


「ベリンダ様は、剣術も魔法も使えるのですね」

 ベリンダが照れくさそうな顔をする。

「魔法は、火しか使えないのです。それに、剣術も自己流ですから、騎士には負けてしまいますが、一つだけ優れている面もあります」


 ふうん? 何だろう?

「騎士の綺麗な戦い方ではなく、生き残る戦い方を知っているのです。子爵様は、魔法はお強いですが、剣術はなさらないと聞きました」


「ええ、ユージーヌ卿に剣の持ち方は習いましたが、あまりの才能の無さに、それ以上は習っていません」


 ベリンダと攻撃を受けた時の護身術について話す。


「拘束の魔法は習ったのですが、人に向かって放てるか、少し不安なのです」


 ベリンダが驚いている。

「あの一番大きなビッグボアを討伐されたし、ビッグバード、雪狼(ニックスルプス)を多数討伐し、フェンリルを追い返したのに? それに馬の王(メアラス)を手懐けた子爵様が?」

 

 憧れを壊す様で悪いけど、ほとんどはゲイツ様のお陰なのだ。


「あれは、王宮魔法師のゲイツ様と副官のサリンジャー様がお側にいて下さったからですの。ビッグボアを討伐した後、気分が悪くなってしまったのです」


 目を見開いて驚くベリンダ。がっかりして、護衛はやめるかも。そうなったら、ローラン卿もバーンズ公爵領に帰るのかな? こんなに腕の良い騎士なら、引く手数多だろう。


「プッ! 失礼致しました。子爵様は、自己評価が低いとバーンズ公爵様が言われていたのを思い出したのです。でも、傲慢な方よりお仕えしやすいです」

 

 えっ、がっかりしたんじゃないの?


「魔法の能力は抜群ですが、どうやら運動は苦手なご様子。魔法で拘束するのを戸惑ってはいけません。明日から、私と練習しましょう!」

 

 ローラン卿に負けたパーシバルが、和かに握手してから、こちらにやってくる。


「ベリンダ様、それはありがたいです。常に私が側にいるとは限りませんから」


 えええ、ゲイツ様が来られるまでは、領地の改革、弟達と遊んだり、パーシバルとデートするつもりだったのに!


 ジェラルディン卿とエルビス卿は、ジェラルディン卿の勝ちだった。


「私ももっと修業します!」


 一番若いエルビス卿が奮起している。パーシバルも同調しているよ。


「ええ、私もペイシェンスに負けない様に頑張ります!」


「パーシー様、私はそんなに強くないですわ」


 慌てて否定するけど、ルーシーとアイラが笑っている。


「ゲイツ様のお弟子のペイシェンス様ですもの!」


「ローレンス王国で二番目にお強いのは、ペイシェンス様ですから!」


 いや、それ、本当にやめて!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ペイシェンスはローレンツ王国で 二番目の強さ!! \(^o^)/ [気になる点] 対外的にゲイツ様のお弟子に見られてるとは! 外堀を埋められてるよ (*´∀`*)
[一言] 生き残る戦い方! 確かに、学生のうちは、学べそうにない! それに、中等科の共通科目は、文系よりだ。家政数学があるなら、騎士や魔法使いの科目も、変えれるはず… 騎士なら、美術や音楽やダンスより…
[良い点] 更新お疲れ様です。 バーンズ公爵には失礼ですが、想定以上にまともな人材を選出して下さったんですね…特にベリンダ卿とペイシェンスは『お互いあまり気負いしない』感じの良い間柄になれそうだし。…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ