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異世界に来たけど、生活魔法しか使えません  作者: 梨香
第七章 中等科二年の夏休み

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夏休み一日目!

 夏休み一日目だ! 今までも夏休みだったけど、ちょっと違うんだ。


 昨日のうちに、弟達やパーシバル、ルーシーやアイラ、ジェーンとリンダ、そしてクラリッサにオルゴール体操のハンコ台紙を渡している。


「えっ、毎朝、体操をするのですか?」


 騎士クラブの二人は、体操ぐらいへでもない感じだけど、ルーシーとアイラは、文句を言った。


「これは、王立学園では習わないけど、魔素は太陽光に含まれているのよ」


 それは、父親が王宮魔法使いのルーシーも、攻撃魔法が大好きなアイラも知っているのか頷いた。


「特に、朝の光には魔素が多く含まれているの。それを身体に取り込むと、健康になるし、魔力も多くなるわ」


 健康で、騎士クラブの二人の目が煌めく。体力アップしたいみたい。


「魔力が増えるなら、毎朝頑張るわ!」


 特にアイラは、魔力切れになることが多いからね。


「それに、毎日、オルゴール体操に参加して、ハンコを集めたら、景品をあげます」


 これには、ヘンリーが飛びついた。


「お姉様、景品はなにですか?」


 うっ、まだ決めていないんだよ。ヘンリーなら、お菓子かな?


「お姉様、私は途中でグレンジャー館に行くのですが……」


 ナシウスは、景品がもらえないと悲しそうだ。お姉ちゃんが、そんなミスをするわけないじゃん!


「あちらにもオルゴールを置いてあります。ハンコをマシューに渡しておくから、押して貰うと良いわ」


 パーシバルも何日かは、モラン伯爵領地に行かないといけない。


「そちらで真面目に体操したら、ハンコは私が押しますわ」


「私がサボったら?」なんて、パーシバルが揶揄うけど、嘘はつかないと信じている。


 朝、六時、オルゴール体操だ。

 ここには、ナシウスとヘンリーが絵を描いてくれたシリンダーの巨大オルゴールは、持ってきていない。

 あれは、王都のグレンジャー屋敷に置いてある。


 それに、新しいディスクオルゴールは、色々な音楽を聴けるからね。


「おはようございます!」


 パーシバルと朝一から会える。嬉しい! 馬の王(メアラス)の運動の時も朝一だったけど、あれは夜中に近かったよ。


「ペイシェンス様、どうやって魔素を取り込むのですか?」

  

 アイラは積極的だけど、先ずは呼吸方法を学ばないとね。


「お腹の丹田に魔素を集める感じで、大きく息を吸って、ゆっくりと吐くのよ」


 魔法クラブと騎士クラブ以外は、もう呼吸方法は知っている。四人とクラリッサに、体操前に呼吸方法を教える。


「一度にできなくても、毎日続ければできるようになるわ」


 メアリーに合図して、オルゴールを鳴らしてもらう。


「はい、大きく息を吸って、両手をあげます」


 初めての人もいるから、口で言いながら、見本を示す。


 騎士クラブの二人は、身体を動かすのが上手い。すぐに覚えそう。


 クラリッサとルーシーとアイラは、日頃から身体を動かしたりしていないみたい。ダンスは、必須科目だと思うのだけど?


 一通りしたので、メアリーがハンコを押していく。


「うん、これは良い運動になるね!」


 リンダは、まだ魔素を取り込めていない。ジェニーもまだまだ不十分だ。


 体操は下手だったけど、ルーシーとアイラとクラリッサは、かなり魔素を取り込んでいる。


「ペイシェンス様、私もハンコを貰っても良いでしょうか?」


 カミュ先生は、王都でもヘンリーと一緒にオルゴール体操をしていたからね。


「ええ、カミュ先生にもお渡しして!」


 歴史研究クラブもオルゴール体操に参加するかもしれないから、台紙は余分に作ってある。


 少し、ジェニーとリンダに呼吸方法を教えて、朝食だ。

 

「綺麗になれ!」と全員に掛けておく。朝とはいえ、夏だからね。


 朝食の時に、今日の予定を決める。

「ジェニーとリンダには、領兵の稽古を手伝ってもらうわ」


 そう言ったけど、学業の方は大丈夫なのか、少し不安。


「パーシー様、騎士コースのことは何も知りませんが、勉強もしなくてはいけないのですよね?」


「当たり前です! 必須科目は文官や魔法使いコースと一緒ですよ。それに、コースの選択科目もあります」


 家政コースだけ、家政算数になるけど、騎士コースも国語、数学、古典、歴史、魔法学、魔法実技、美術、音楽、ダンスは、同じく必須みたい。


「えっ、騎士合宿なのでは?」

 リンダが慌てている。何か匂うな。


「勿論、午後からは騎士の修業や夏休みなのだから、海で泳いだり、カザリア帝国の遺跡を見学したりしますけど、午前中は勉強ですよ」


 この二人の顔色を見れば、学業も厳しく指導しないといけないみたい。


「でも、騎士の修業だと思っていたので、教科書も持ってきていませんわ」


 ジェニーが勝ち誇った感じで言う。


「あっ、騎士コースの教科書なら、領地に置いてあります。取りに行かせましょう」


 パーシバルの言葉に、二人が肩を落とす。これ、マジにヤバいかも。


「中等科の必須科目の教科書なら、こちらにも用意があります」


 カミュ先生は、ナシウスに必須科目の修了証書を取らそうとしているみたい。


「私は、一度、グレンジャー館を見てみたい」


 父親のリクエストに応えて、午後からはグレンジャー館に行くことになった。


「ルーシー様、アイラ様、マッドクラブ狩りをしましょう!」


 二人は、すごく喜んだけど、ちょっと言っておかなきゃ。


「アイラ様、マッドクラブは水属性ですから、火には弱いです。でも、火魔法で攻撃したら、中途半端に火が通って、味が落ちますから禁止ですよ」


 火の魔法が得意なアイラは、ゲッって顔になった。


「ジェニー様とリンダ様もマッドクラブ狩りに行きますか?」


「勿論!」


 二人は、勉強以外なら何でもしたいみたい。


 午前中は、元々、弟達は勉強する予定だった。他の人も、一緒に勉強することになった。

 クラリッサは、ナシウスと同じで、中等科に飛び級したいから、積極的だけど、他の四人のテンションは低い。

 ルーシー、卒業できるのか、不安になるよ。


 私とパーシバルは、秋学期はほとんど授業がない。だから、二人で色々と見て回るよ!


 それに馬の王(メアラス)が走りたいと煩いからね。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 夏休み始まった! \(^o^)/ [気になる点] ルーシーの勉強かな? [一言] マッドクラブ狩! 夕食が楽しみ (*´ω`*)
[一言] いきなり、夏休みに勉強!?なぜに?毎日やるの?2週間だけ? この世界は、夏の宿題ないよね? さすがに受験生やテスト前でもないのに、昼まで毎日教科書での勉強させるのは、お節介すぎないか?教科…
[一言] 飯ウマ&メアラスの主&強力な魔法使いとして多方面で有名なハープシャー子爵が推奨する魔素体操……本格的に流行る予感しかしません。 歴史研究クラブだけでなく、ロマノ大学の学生までこぞって参加して…
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