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異世界に来たけど、生活魔法しか使えません  作者: 梨香
第六章 中等科二年春学期

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手紙の返事に返事! メールが懐かしい!

 もう春学期は終わったのだから、夏休みとも言えるけど、まだロマノ大学は一日二日遅く夏休みになるみたい。

 それに、領地に行く前に親戚に挨拶とか、色々とあるんだよね。


 それと、不気味なほどゲイツ様からの連絡がない。いや、領地管理で忙しい私に魔法合宿と騎士合宿を強引に押し付けたのだから、会いたくは無いけど、何だか変だよね?


 あの食いしん坊で、図々しいゲイツ様が、教授会はともかく、誕生日パーティを察知しないとは思えないのだけど? ああ、変な事を考えたら、駄目だ! 鶴亀、鶴亀!


 手紙を届けたメアリーとキャリーが戻ってきた。前世の電話やメールが懐かしいよ。

 だって、また手紙の返信を沢山持ってきたんだもん。


 これを読んで、必要に応じて、また返事を書かないといけない。

 先ずは、上等な封筒に王妃様の封蝋が押してあるのを開ける。

「お礼を書いただけだから、その返答だけだよね!」


 期待を込めて、読むけど……これって……少女歌劇団の合宿をラフォーレ公爵家でするのは、知っているけど? うん? 夏の離宮でのコンサートに招待されているのかな?


「えっ、その時ってまだ王族大集結中じゃないの?」


 一日ぐらい夏の離宮に行くのは問題ない。でも、王族大集結の最中は、少し気が重いな。これは、メアリーに伝えておかなきゃいけない。

 上等なドレスを用意しないといけないからね。


 この件についてだろうから、ラシーヌの手紙を次に開ける。

「やはり、アンジェラも少女歌劇団の発表会に招待されたのね。ジェーン王女の側仕えとして、他にも夏の離宮に遊びに来るようにとも書かれていたみたい」

 ふむ、ふむ、読み続けていると、何枚かドレスを作って欲しいとの依頼もある。

 それは、大丈夫だと思う。前にアンジェラのドレスは作ったからね。少しは成長しているだろうから、仮縫いはするけど、領地に行ってからで良いとラシーヌは書いている。


 ラシーヌも何枚かは新しいドレスを用意しているだろうけど、今風のドレスを着せて、夏の離宮に行かせたいのだろう。


「空いた時間で良いから、一度、会いたい」

 うん、私もラシーヌやサティスフォード子爵とは話したいことがあるから、訪問しよう!


 親戚関係は、リリアナ伯母様もシャーロッテ伯母様もアマリア伯母様も、領地に行くので忙しいから、手紙で挨拶だけで良かったみたい。


 ただ、リリアナ伯母様は、夏休みの間、サミュエルを時々遊びに行かせても良いかと確認してきたので、返事を書かなきゃいけないと思いながら、読み進める。


「えっ、独立したがっている騎士を紹介して下さるの!」

 それは嬉しい。これは、一度、ノースコートで顔合わせをしなきゃね! パーシバルにも同席して貰いたい。


 未だ、ハープシャーもグレンジャーも領地が整っていないし、騎士が信頼できるかも分からないから、当分の間は、お給料制だ。住む家も用意しないといけないのかな? こんな細かな所は、管理人のモンテス氏に丸投げしよう。


 魔法使いコース、騎士コースの女学生の保護者は、領地に行く朝にこちらに送ってくると丁寧な返事があった。朝早く発つのに、大変だねと思うが、それが普通なのかな?


 クラリッサは、前の晩からグレンジャーの屋敷に来て貰う予定。他の四人と違って、私の秘書だからね。

 わぁ、その時、バリー氏がついて来るそうだ。頭の古い官僚のイメージだから、ちゃんと対応しなくてはね。


 クラリッサには、侍女は同行しないで良いと伝えてある。だって、秘書って、お客様じゃないんだよね。

 使用人枠だけど、カミュ先生と同じ感じ。貴族の家によって、秘書の扱いは微妙に違うみたい。

 親戚が秘書になっている場合とか、レディス・コンパニオンとか、食事も一緒の時もあるそうだ。

 

 レディス・コンパニオンと侍女の違いは、親戚や遠縁の若い娘さんをレディが秘書兼付き添いにするのと、使用人の違いかな?


 レディス・コンパニオンと秘書の違いは? よく分からないけど、仕事関係が多いのが秘書? 曖昧だよね。


 前に、リリアナ伯母様に、カミュ先生は家庭教師だから、同じ食卓には付けないと注意された。でも、自分の屋敷では、そこの主人の考えで決めたら良いとも言われたんだ。


 こちらの夕食は、ドレスに着替えないといけない。だから、カミュ先生は、朝と昼は一緒だけど、夕食はヘンリーと子ども部屋で食べているのだ。

 領地では、どうしよう? ヘンリーも一緒に食べたいけど、あの子は夜は早く寝るんだよね。子ども部屋の方が気楽かも? 

 私が領主なのだから、ハープシャー館ではカミュ先生もクラリッサも夕食も一緒にしよう! アルーシュ王子が来たら……その時は、その時に考えるよ。


 私的には、中等科二年生のクラリッサは、秘書見習いだね。ただ、錬金術もできるから、アシスタントも兼ねている。


 他所を訪問する時は、馬車ならメアリーが付き添いで良いけど、馬ならカミュ先生。クラリッサは、私の用事をあちこちに伝えて貰いたいんだ。手紙を届けるだけじゃなく、その場を視察して、報告もして欲しい。

 ただ、こちらの世界では、若い女性は一人で行動はしない。クラリッサにも付き添いが必要なんだよね。


「キャリーをクラリッサの侍女にして、鍛えるつもりなのだけど、大丈夫かしら?」

 まぁ、メアリーやミッチャム夫人が目を光らせているから、失敗はしないと思う。


 クラリッサはドレスは要らないと言ったけど、前にハンナ達と一緒にきた時に、ついでに採寸は済ませてある。私の秘書だから、変な格好はさせられないからね。

 カミュ先生は、やはり黒のドレスしか着る気にならないそうだ。夏物の黒のドレスを縫わせたよ。それと、夏物の乗馬服もね!


 他の四人は、冬の魔物討伐についてきていた従者や侍女を連れて来る。

 パーシバルによると、この従者も未だ未熟だそうなので、一緒に鍛えるとか? これは、私の守備範囲外なので、初めのうちはパーシバルに、二週間後からはサリエス卿とユージーヌ卿に任せよう。


 ベネッセ侯爵夫人からお茶会の招待状、それにバーンズ公爵からも一度話しておきたいとの手紙。どれも、想定内だから、スケジュール帳に書き込む。


 あれっ? これってゲイツ様の屋敷の執事さんからの手紙だ。

 メアリーとキャリーが持って来た手紙の山の底に残っていた手紙を開ける。


 連絡事項みたい。ああ、やはりゲイツ様の執事は、常識派のようで、新任の領主様にご迷惑を掛けると丁重に謝罪してくれている。

 後は、グレンジャー館に派遣してくれる使用人のリストと私たちが領地に到着する前に、着くようにしておくと書いてあった。


「ありがたいわ! モラン伯爵館の使用人も、私達より早くハープシャー館に来て、出迎える用意をしているのよ!」

 これで、グレンジャーもすぐに宿泊できる手筈がついた。

 

 ふむ、ふむ、あっ! リストにはエバの元で修業したファビとサングも載っている。成程ね! 時々、交代でハープシャー館で修業させて欲しいのか。それは、大歓迎だよ。


 グレンジャー館の料理人や助手を、ハープシャー館のと交代させながら、エバの料理を覚えて貰おう。

 ケリーにも、エバの料理を手伝いながら覚えて欲しい。田舎風も美味しいけど、少し洗練された料理も覚えたら、もっと美味しくなりそうなんだ。


 ゲイツ様の執事は、本当に迷惑をかけるお詫びにと、屋敷でも指折りの使用人を派遣すると書いてあった。その人達に、村や王都で雇った使用人達を教育して貰っても良さそう!


「えっ、最後に変な事を書いてあるわ!」


 どうやら、ゲイツ様としては珍しく、王宮に連日遅くまで詰めているみたい。上級王宮魔法使い達を指導しているのかな? チョコレートが欲しいと矢の催促で困っているのか……一箱届けておこう。

 これは、ゲイツ様にじゃなくて、良い使用人を派遣してくれた執事さんにだよ。

 

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― 新着の感想 ―
[良い点] 夏休みの準備、ワクワクします (*´ω`*) [気になる点] ゲイツさんの執事は優秀そう! [一言] 親せき付き合いは大変だけど丁寧が良いね!
[一言] 上級使用人は、小さなピラミッドの2層目、 家庭教師や、レディース・コンパニオンは、上級使用人と主人の間にいる感じかな?
[良い点] 祝555頁(☆▽☆)
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