↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に来たけど、生活魔法しか使えません  作者: 梨香
第一章 王立学園初等科

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/818

街に出掛けてみた

 疲れる昼食を終えたら、マーガレット王女は美術の授業だ。


 私は美術も修了証書貰ったので免除されている。いざ街へ出発だ。


 でも、何だか校門の前の警備員が怖い。


 王族や貴族が学ぶ学園なのだから、警備が厳しいのは当たり前だ。


 堂々としていれば、問題ない筈だ。


『そっか、歩いて門を通ったこと無いんだ』


 いつも馬車だった。馬はレンタルだけど、馬車にはグレンジャー家の家紋も付いている。


 フリーパスだったけど、歩きなら何か言われるかも? 


 自信を持って「ちょっと街まで出かけます」と言えば良いのだとシミレーションまで考えたのに、呆気なく通れた。


 寮生とかよく出掛けているのかもね。


「さて、店とか何処にあるのかしら」


 王立学園は王宮の隣だ。


 そして、校門を出たところは貴族街だ。


 大きな屋敷ばかりで、ここを見て歩きたい訳ではない。


 王宮から離れた方が庶民的になるのだろうと推理して、南へと下って行く。


 ペイシェンスは歩くのに慣れていない。体力強化が必要だ。なんて考えて歩いても屋敷ばかりだ。


「貴族の屋敷って大き過ぎるよ」


 一軒歩くのに何分も掛かる。4時間目だけでは店に到達できなかったよ。


 でも、体感で1時間ぐらい歩いたら、屋敷がこぢんまりしてきた。


「あそこに店がある?」


 異世界初の店を発見! 近づいてみたら、本屋だった。


 本は家に腐る程あるし、図書館にもいっぱいある。


 でも、初発見の店だし入ってみる。本屋さんって立ち読みとか出来るのかな? 


 真面目な本じゃない漫画とか無いのかな? 期待して入ったけど、本は少ししか置いて無かったし、専門書ばかりみたいだった。残念、次行こう!


 王立学園の制服着ていたからか、本を見て歩いていても怒られなかった。これなら他の店も大丈夫そう。


「商店街とか無いのかしら? 歩いている人も少ないわ」


 貴族街は抜けた筈なのに人がいない。それに店も見つからない。


 ペイシェンスは歩き慣れてないから、疲れてきている。バーゲンセールの梯子なんてしてないものね。


「しまった、さっきの本屋で尋ねれば良かったのよ」


 異世界初のお店で緊張してたのだ。それに本は高いから買えないし、聞きにくいよ。

 コンビニでもガムとか買って道を聞くじゃない。


 ぶつぶつ言いながら歩くこと体感で30分、やっと店が何軒か固まっている場所にたどり着いた。


 食物店、酒店、肉屋、花屋……リサーチには向かなそうだけど、食物店と花屋を覗いてみる。


 肉屋は丸ごと吊り下げてあるのは、ペイシェンス的にも私も無理でパス。酒店も今のところ飲めないからパス。


 食物店、苺もおいてあるけど、家の温室の方が赤いし綺麗だ。結構高い。売ろうかな? でも、弟達も好きだし、悩むなぁ。


 ちなみに卵と砂糖もグレンジャー家では買えない額でした。王妃様に感謝だよ。


 屋敷の庭が広いから、花なんか育てれば良いのでは? なんて思いながら花屋を覗いてみたら、高っかぁ! 


 そうか、まだ春になったばかりだもん。温室で冬も花を育てたら儲かるかも! 


 今年の冬までに保存食料が備蓄できたら、半分は薔薇にしようかな? なんて考えながら、学園に帰る。


「服とかアクセサリーとか小物とか見たかったな。今度、あの女子学生を見かけたら、お店を教えて貰おうかな?」なんて呑気なことを考えながら校門を通っていたら、キース王子に見つかっちゃった。


「お前、何処に行っていたんだ」


 馬車の窓から顔を出して怒鳴らなくても良いじゃない。目立つよ。


「少し散歩していただけです」と誤魔化して中に入った。


 黙っててくれたら良いけど……キース王子って雰囲気読めない人だもんね。


「ビクトリア王妃様やマーガレット王女の前で言いません様に」


 エステナ神に祈っておいたが、前も聞いて貰えなかったのを思い出したよ。


「なる様にしかならない!」


 くよくよしても仕方ない。それにキース王子が私の事を覚えているとはかぎらないもんね。


「それに明日は弟達(エンジェル)に会えるんだ!」


 悩んで眠れないかと思ったけど、歩き疲れた身体はぐっすりと行儀良く眠ったみたいだ。この寝方にも慣れたよ。


 メアリーを待ちながら、馬は午前中レンタルなのか、時間制なのか聞いてみようと考えた。


 歩いて店を見つけるのは疲れるし、効率的でもない。


 午前中レンタルなら、少し遠回りして服屋などを見てみたいとメアリーを説得しようと計画した。


 でも、そうしたら弟達との時間が少なくなるんだよね。それは嫌!


「でも、食料品屋と花屋を見ただけでも、物価とか分かって良かった。それに温室の使い方でお金儲けもできそうなアイデアも得たし……」


 寮を出て家から通えるから馬を手に入れたいと願っていた。


 でも、きっとマーガレット王女の側仕えを辞めるのは無理だ。


 馬のレンタルが午前中なら、ナシウスに少しずつ乗馬訓練をしても良い。


 あれこれ悩んでいるうちにメアリーが迎えに来た。


 何となくメアリーを裏切った気がして、辛かった。

 侍女システムの呪縛は破れても、メアリーの信頼を裏切れない。


『勝手な街行きはできないな。メアリーを巻き込んで行くしかない』


 それと体力をつけなきゃね! 春になったんだ。授業免除の時間は勉強だけでなく、ペイシェンスの身体も鍛えなきゃいけない。


 幸い、学園はすっごく広い。

 これからは薔薇の花も綺麗だろう。散歩するのも良いだろうと前向きに考えて、キース王子の件は忘れる事にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
体力がないのに店を見かけるまで一時間歩くとは、公共交通機関とか発達してなさそうだし、あっても貴族の住宅地は皆馬車移動とかだろうか、ペイシェンスのこっそり外出ではどうにもならないですね。 ペイシェンス…
カーテシーやダンスの練習だけでもかなり体力使いそうです 弟達に教えつつ練習に励めばこっそり体力強化できるのでは?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。