3.零とステータスと黒歴史。
【ステータスプレート】
今のステータスを見られる銀色の板です。文字は黒くなります。通行証としても使うので隠蔽機能もついています。
ステータス。
それは人の能力を数値化したもので、名前、種族、性別、年齢、総合レベル、スキルとスキルレベル、エクストラスキル、称号が専用の板に表示される。スキルは努力、エクストラスキルは才能と加護という風に分けられる。称号は世界が認めたという証。
<ガイドブックより引用>
……なるほど。スキルレベルイコール努力レベルというわけだ。
俺はアイテムボックスの中からステータスプレートを取り出した。いざ。
ステータスオープン。
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レイアース・エイリル・プラーシティ 天人族 男
五歳
Lv1
<スキル> 熱魔術Ⅹ 全剣術Ⅶ 従魔術Ⅴ 付与魔法Ⅸ
<エクストラスキル> 神々の加護 勇者の力
<称号> 冰焔の帝王 転生者 勇者見習い
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「……ふぇ?」
思わず、変な声が出た。
熱魔術。
それは、シンクロオンライン、通称シロオンで、俺が使っていた魔術だ。
魔法は、万人が使えるもの。魔術は、ユニーク魔法ともいい、個人の立てた理論をもとに創り上げるオリジナルだ。
ここにあるということは、アーシアでの魔法・魔術の定義がシロオンと同じなのだろう。
そして。
攻撃魔法スキルがなかったということは、俺は攻撃魔法を使えないということだ。
そのことに悲しみを覚えるが、熱魔術があればなんとかなるだろう。
一通り確認を終えたが、気になることが一つ。
───勇者は十歳にならないと勇者であることが判別できないため、どこかしらであときっかり五年過ごさなくてはならない。
幸い時間は地球と同じ60進法で進むので問題ない。
一番の問題は、住みやすそうな場所がないことである。……あ。
「NPC、このあたりのマップを表示」
これ、音声入力機能があるのだ。。途中からめちゃくちゃ楽になった。
近くに湖があったので、そのマップを見つつ、湖の場所へと向かう。
五分後、湖にたどり着き、拠点の場所を決めた。
近くにあった洞窟で、湿気てなく、乾いてなく、ちょうどいい場所だ。
湖は澄んでいて、今の俺の容姿がわかった。
前世と同じく、黒目。男子としては少し長めの黒髪。普通よりは整ったように見える目鼻立ち。
とりあえずの目標は修練と情報集め。これを五年。
五年経ったら早速魔王討伐だ。
……ステータスプレートに隠蔽機能ないかな……
【冰焔の帝王】
零の黒歴史です。シロオンの称号にまで書いてあるほど有名です。ほとんどの狩場を熱魔術を使って赤く青くしたことからつきました。原因は溜まりまくったストレスです。