序
第二幕開幕です(*’ω’ノノ゛☆パチパチよろしくお願いいたします(〃^ー^〃)
私の家には昔から丁度大人の背丈くらいの鬼灯の木があった。
夏でも冬でも赤い火を灯すように綺麗な鬼灯の実。その枝の下で遊ぶのが私はとても好きだった。
そこは、闇。
昼間はしゃぎ過ぎた私は母の膝枕で眠りの陛をさ迷っていた。
「この子は今夜にでも閉じてしまおうかと思うんやけど」
「お母さん」
「あんたの時は私の左の目一つで済んだ、けど代変わりともなるとな」
「伏見の家はどうするつもり?それもこれも私の我が儘から出た話だけど」
「なに、最初からあんたを東京の大学にやった時から、私は心に決めていました。あんたにも、あんたの娘にも人並みの幸せを選んで欲しいと」
「でも、伏見の家は…神さんは誰が…」
「弟子の愛子がおる。あの子を正式にうちの養女にする、元々は私らと遠い血縁のある子、あの子も納得してくれてる」
「愛子姉さんが」
「あんたら昔から血の繋がりはなくても、ほんまの姉妹みたいに仲良しで」
「愛子姉さんとお母さんが犠牲になって私ら家族だけが、のうのうと暮らせる道理がありません」
「どうせ老い先短い命、孫のためになるなら、あんたが私でも必ずそうすると思うわ」
「でも、お母さん」
「愛子もあんたと家のためにと言ってくれてる」
そんな母と祖母の会話を夢うつつに聞いた気がする。
「人は人らしい呪の中で生きるのが一番の幸せ、この子は今夜閉じてしまおう」
祖母の言葉は何時しか微睡みの中で祝詞に変わる。母と祖母の両方の手が私の髪を撫でる。その心地よさの中で私はいつしか深い眠りに落ちた。
暗闇の中に落ちて行く私はそこで星のように赤く光る沢山の鬼灯を見た。
「幸せになるんやで澄香」
それが私が聞いた祖母の最後の声だった。
SECOND NOTE
【隅田澄香】
新ヒロインは隅田澄香です(*・∀・*)ノョ物語はこれから彼女の視点で語られます(〃^ー^〃)よろしくお願いいたします(〃^ー^〃)