月と地の後書き
みなさんこんにちは。白亜・迩舞です。
ここでは『my moon』および『your earth』の後書きをします。読まれた方は是非どうぞ。読まれていない方は………まぁ、ご自由にどうぞ。
何故ここに後書きをつけているのか? 一つはこれが二分した小説の、両方の後書きであるから。二つは連載の最後に後書きだけで一ページ使うのが、私の美意識に反したからです。
後書き、という他に私が思っているくだらないことも書かれていると思います。他人の妄想に付き合うことを時間の無駄に感じる方は、ここで止められるのが賢明です。
では、まず『my moon』と『your earth』の総括を。
『my moon』は和風なファンタジーを書きたいなぁと思って始めました。色んな萌えの要素を注ぎ込みつつ、自分の国の神話の要素を盛り込みました。
自分のために書きました。
しかし、ただウハウハとハーレムにするのは芸がないと思い(というかハーレムに興味はない)、最終的にはバッドエンド的に終わらせることは最初から決めていました。
何故、ツミとアカは破局したか?
性的な恋愛は真の恋愛ではない、よって必ず破綻するというのがその答えです。というより私の思想。いちゃいちゃさせていたのも、そのための必要過程だったのです。
本当に?
まぁ、そうなんですよ。決して、自分の妄想を撒き散らそうとしたわけではないのです。――その点においてだけは。
しかし、次の『your earth』を意識しすぎたなどの理由で、展開に無理が生じてあぁ……と嘆きたくなる出来になりました。
そして『your earth』はある意味本命でした。
世界の命運をかけた、神を名乗る者との戦い。それはかつて自分が慕った者との対立。そういう熱いお題目で行こうと、やたらテンション高く始めました。
描写もできる限り気を配りました。エピソードもそこそこ盛り込んだりして、かなり本気で書いたのですよ。
量も五十パーセントくらい多くなってます。
しかしうまくいきませんでしたね。その理由の一つは、バトルとかで設定にのめりこみすぎて物語的なテーマを疎かにしたことだと思ってます。
あれこれテーマは散りばめていました。それから一つの答えを導く――それが物語ってものですよね。けど、どこで何を間違えたのか……。
最初は“すべての想いを知ること”というお題を提示していたはずですが、それも何処へやらという感じで。
――これ以上ぐちぐちするのは止めましょうか。
書き直す気はありませんが、書き直せばきっと今度こそ良いものが……! と思ってます。
全体に、文章の書き方がどんどん変わってますよね。思い付きだったり、そのつど読んだ本に影響を受けたり、そんな感じでスタイルが変わっています。すみません。
物語には私という人格の内面をかなり投射しています。それに反省はありませんが、何せ思春期でモラトリアムな私の心は結構変わりやすいです。私という人格が変質するたびに、物語の性質も変化しているように感じました。
本当に、自分のために書いています。この小説は、私のエゴイズムの塊です。
それでも読んで何かしら感じてくれた方がいらっしゃるのなら、私は仕合せ者でしょう。
次に各登場人物についてまとめてみます。
ツミ(青崎・光樹):
なるべくいかす主人公になってもらおうと思いました。全体に能力は高めで、思慮もそれなりに深いです。
盛んなわりに恋愛には淡白で、自分の目的を最後まで一番に考えていやがります。一応世界平和が思想ですが、偽悪を好む習性から単なる悪役になります。
だんだんナルシストになっていきます。
「自分のことを好きになるのは大事なことだよ」
黒い髪は始めだけです。
アカ(須藤・稚菜/氷室・紅烏):
まさに歩く火薬庫。よくわからんが最後までツミ一筋で突っ走りました。それはそれで面白いかもしれませんが、テーマを曖昧にした小説ではある意味辛い。
ツンデレなのはネタ。作者の好みではなく、面白がって設定しただけですが悪くはなかったかなというのが最終的な感想。
「なんでもいいけど、ツミは私のものよ」
ツミしか見てない困った子です。
ササヤキ/ナゲキ(水瓶宮・沙波):
お姉さん系な人にしようとし、うまくできないなぁと最後まで悩みました。要研究です。
ナゲキにも特殊能力があったのですが、色々あってうまくアピールできませんでした。
「夢は現の鏡像。みんな仲良くしてね」
もっと色んな顔を見せてもらいたかったと思う人。
キズオト(相川・千風):
ある意味本命。私は幼女が好きです。
“人”としては最強。しかしうまい役回しができなくて困りました。世の中うまくいかないものです。
「風は決して止まらない。動いていれば希望はあるよ」
人間前向きにいないとだめですねっ!
サキ(守宮・後介):
性別が変わってからも口調を変えなかったり、アイデンティティを貫きつつも変わりゆく身体に戸惑っていたり、物語上けっこう重要な人物。
チヨが好きで、アカが好きでツミが好きで、他のみんなも好きです。
「でも一番はチヨですよ」
後介は死産した双子の弟の名、というのが裏設定です。(また設定か……)
チヨ(守宮・千代):
第二の主人公。地の属性は表立って戦うのには向いているように思えず、バトルシーンではえらく悩まされました。
お人よしだが、最終的にはしたたかさを持つ女になっていく……というのもいいなぁと思ったが、思いつきではうまくいかないものです。
「ボクは世界を守ると決めたからね。――絶対に」
猫耳はともかく、ボク口調は作者の趣味ではありません。
ネガイ(伊邪那美?):
『your earth』では早々に消えてしまい、しかもそのあと台詞もないが、物語上わりと重要な人。とくにサキにとって。
「意志を持つ者だけが願うことができるのです。即ち、自らで叶えようと試みることができる者が」
かたい口調にしようとしましたが……どうでしょう。
その他:
みんなの名前を出そう……! と思い最終話は構成されています。おかげで書くべきことを書いていない。
思い出深いのはヨミ君ですか。彼は私の妄想段階では女の子でした。ツミが浮気するという話にしようかと思い、止めた結果男の子になったのです。
あと姫鴇君。直前まで彼の構想がなかった。出してみると使いやすい便利キャラでした。(ごめん、姫鴇)
改めて後書きとなると、書くことがなかなか無いような気がします。書きたいことはたくさんあったはずなのに。
しかし、そろそろ長くなってきたのでここいらで締めくくろうかと思います。
本編を読んで、これも読んでくださった方には無上のお礼を。
本編を読んでいないけどこれを読んでくださった方にも、私のくだらない話に付き合ってくださってありがとうございますと申しましょう。
感想は無用です。どうしても一言いってやりたいという方は、メールでお願いします。
この次の予告でもしましょうか。
ミヒャエル・エンデの名作『はてしない物語』のシェアード・ワールド小説『ファンタージエン 鎮魂の歌姫』を書こうかと思います。ご存知の方がどれだけいらっしゃるかはわかりませんが、“ファンタージエン”シリーズは普通に出版販売されているシェアード・ワールド小説です。面白いものもつまらないものもありますが、それらに模倣して私も一つ書こうと思ったのです。
今回の反省を生かして、かなり構成には頭を使いました。あとは書くだけです。
ご期待ください。絶対に良いものにして見せます。なにせ、尊敬するエンデ先生に関係することですから。
では、これで終わりです。ありがとうございました。