03話 学校
シエラを学校に送り届けた俺はすぐに学校に向かった。
時間は結構ギリギリだったが走ったおかげでなんとか間に合った。かなり疲れたが…
教室に入ると今は授業のあとの10分の休憩だけあって、教室は賑わいを見せていた。
友達と喋る人もいれば、次の授業の準備をしている人もいる。
扉を開けると複数人が俺に注目する。ほとんどの人は戸を開けた者の存在が俺だと分かったら視線を俺から外す。
だが、その中で俺に好機的な目線を向けながら近づいてくる者が2人。
一人は制服を適当に着込んでいる男子生徒、もう一人は、その男とは対に制服を綺麗に着こなし、清楚な空気を放っている女子生徒だ。
「よう!神谷!珍しく遅刻だな?なんかあったのか?」
「あぁ…少し立て込んでた」
「それでも遅刻って珍しいわ、あなたに限って…」
「いろいろあってな」
俺はカバンを机の横に引っ掛けて、席につく。それに続いて二人もついてくる。
男子生徒の名前は矢部。女子生徒の名前は河辺。
小学校からの幼馴染でいつも3人で遊んだりしていたな…。何かの繋がりがあるのか知らないが、高校まで同じクラスになったが。
矢部は父親が外人で少し黒味がかかった金髪が特徴だ。河辺は綺麗な黒髪をボブカットにしており、中学時代は生徒会長を努めていたこともありいかにも真面目な生徒という感じのオーラを漂わせいている。
「そういえば…昨日神谷君の家の近くで何かあったの?」
「そうそう!なんか昨日お前の家の近くで事件があってらしいな」
「ん?あぁ…」
おそらく事件というのはシエラのことであろう。
そりゃそうだ…住宅街であんな隕石の衝突現場みたいな惨状晒してみろ、誰だって警察に通報する。
俺は二人にシエラのことを知られても困るので「知らない」と伝える。二人は納得してくれたのかそれ以上何も聞いては来なかった。
二人とその後は何にもない日常的な会話を少し話したあと、矢部が不意に口を開いた。
「…なあ?二人とも?今朝大事件があったのは知ってるか?」
「何それ?知らないわ…」
「俺もだ」
俺と河辺はそう答える。
それを聞いた矢部はニヤリと笑って得意げにその事件のことを話す。そんなに威張る必要あるか?
「その、事件ってのは今朝、隣町にテロリストが現れたって話だ」
「「テロリスト!?」」
俺と河辺の声がハモる。その後お互いに顔を見合わせる。
テロリスト?かなり物騒だな…。
俺はそんな感想を漏らすが、それに構わず矢部は説明を続ける。
その話を要約すると、今朝、隣町で謎の大爆発が起きたそうだ。
起きた時刻は9時過ぎだ。なんでこいつが授業中で起きた事件を知っているのかは置いておこう。
そのテロリストは、止めに入った警察部隊をたった一人で交戦、その後傷ついたテロリストはどこかに逃げたらしい。
「物騒な話ね…この街まで来なければいいけど…」
河辺がそう呟く。全くそのとおりだ。その首謀者が早く捕まれば良いが…
「昨日の事件…今日のテロといい、本当夜も末だな」
矢部はそう言った。まぁ、昨日の事件はシエラが原因だが…
俺はそのテロについてなにか話そうと思ったが、先生が入ってきて次の授業に入ってしまったので話は中断されてしまった。
何も起きなければ良いが…本当にそう思う。
しかし、俺の願いは破られることになった。
俺はそのことを知らずに授業を受けるのであった。
「待てッ!おい!そいつを捕まえろ!」
「はいッ!」
「了解しましたッ!」
男3人が俺のことを追ってくる。僕は薄暗い裏地を全力に近い速さで走っている。
後ろを見る、魔法を使い、俺を追ってきている人間が3人…
一人は火をまとい、一人は氷の鎧を身に着け、もう人は中を舞いながら俺を追ってくる。
警察と言う奴か…しつこい、今は魔力量が少ないが仕方がない。
僕は空気を操り追ってくる一人の男に向かって投げつける。ちなみにこの風は当たるとちょっと痛いぜ…
炎を纏った男はその攻撃を避けれずに被弾、その瞬間上半身と下半身が真っ二つになり、大量の血を吹き出しながら地面に崩れ落ちる。
「ひっ…!?」
「な、なに!?」
生き残った二人の男は悲鳴をあげる。
二人は恐怖の表情を浮かべている。目の前で人が呆気なく死んだからだろうか?まぁ、いい…お前らにも後を追わせてやる。
僕はさっきよりもでかい風の刃を作り出し二人の男に向かって投げつける。中に浮いていた男は何発かは避けたが動きが鈍く避けきれずに頭部を切断され死亡。
氷の鎧の奴は、鎧のおかげで致命傷を免れたのか腹部から少量の血を流しながら俺を睨みつけて立っている。
「なかなか、しぶといなお前…」
「キサマッよくも…二人を…クソオオオオッ!!!」
鎧の男は氷の長剣を出現させ、俺に向かって突進してくる。
だが、俺は避けないなぜなら…
「な!何ッ!?」
「貧弱な…」
氷の剣は何かに阻まれて俺を切ることは無かった。
男はその後何度も俺を切りつけようと剣を振り回すが、すべて見えない何かによって防がれる。
「無駄だ…僕の周りには風のバリアが展開されている…君には突破不可能だ…残念だけど、終わりだね」
僕は全力にも近い力で風の飲む刃を生成し鎧の男に叩きつける。
全力に近い力で生成されたそれは氷の鎧をいとも簡単に貫通し男を無残に切り裂いた。
大量の血を撒き散らし、男は二度と起き上がることは無かった。これで、一通り終わったな…
こんなところで茶番を食っている暇はない。
今はシエラ=ティレスカを見つけ出し殺さなければいけない。
アイツがこの世界に逃げていることはもう分かっている。どこに逃げようと僕からは逃げられない。
場所はもう分かっている…待ってろよ!
「何か来る…!?」
私ら街を回っていたが何かの異変に気づいた。
魔法が存在しないこの世界に魔力の反応…もしかしたら!?アイツらがここにいる!?
本当にそうなら速く彼にも伝えなければいけない。アイツがここまで来ていると。
周りを歩いていた住人に道を尋ねる。
「すいません!学校ってどこですか?」
「学校…?どこの?」
「えっと…!高校だっけ?高校です!」
「高校?それなら1番近いところならここから真っ直ぐ行けば見えてくると思うわ」
「ありがとうございます!」
私は聞いたどおりにそこに向かう。
速く急がなければ…そうしないとこの街も危ない!
私は全力で走って学校に向かった。