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ウィザードコネクター  作者: マリー=夕月
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02話 商店街

 シエラが家きてから1日がたった。

 俺はベットから起き上がり、周りを見渡す。教科書で溢れかえった勉強机。漫画で少し散らかっている床。

 あとで掃除しないとな…

 そんなことを思いながら自室を出て、台所に行く。

 台所は薄暗く、静寂の空気が漂っている。

 俺は台所にある時計に目をやる。8時15分…え?マジ?

 学校は8時45分から始まる。ここからは30分かかる…ということは…

「遅刻だッアアアア!!!」

 俺はパジャマを脱ぎ制服に速攻で着替える。パジャマを乱暴に脱いだせいで途中でゴムが伸びた嫌な音がしたが今はそれどころではない。

 食パンを乱雑に袋から取り出す。本当はマーガリンやジャムをつけたいが俺にはそんな余裕ない。

 その時、俺がドタバタしていたせいなのか、シエラが和室から眠たそうな顔をしながらな出てくる。

 目をこすりながらあくびをしていて、その仕草が可愛らしい。

「朝から、ドタバタね…何かあったの?」

「学校だ!学校に遅れそうなんだ!」

「あら!」

 シエラは口に手を当てながらそう呟く。その表情には同情の念が少し見られた。

 彼女は「何かできることない?」と尋ねてきたが、はっきり言って、何もできない。

 彼女にそう言って断ると、しょんぼりとした表情をする。

 何だか、自分が悪い事をしたみたいになってるが…

 このまま、シエラを放っておくこともできないし…

 たぶん、もう学校も間に合わないよな…なら、仕方がない。

「おい?ちょっといいか?」

「え?」






 俺は今、近くの商店街に来ている。

 学校は完全に遅刻、急いでも遅刻だからな…だから、1限目は諦めて2限目から学校に入ることにした。連絡はもうしてある。

 隣にいるシエラは商店街を珍しそうに見つめている。当たり前だ、彼女は異世界人。この世界にあるすべてのものが珍しく見えるだろう。

 キョロキョロしている彼女に声をかける。

 俺に急に声をかけられてびっくりしたのか、ハッとしてこちらを見る。そこまで驚かなくても…

「ど、どうしたの?」

「い、いや…店が珍しいのか?」

「うん、こんなカラフルな店始めてみた…!」

「やっぱりか…なら、異世界の人間からしたらどの店が1番気になるか?」

 「うーん」と唸り顎に手を当てて考える仕草をする。

 その後に元気よく指を指して「あれッ!」と店を指差さす。

「ふーん、アクセサリー屋か…。やっぱり女の子はそういうのが好きなんだな…」

「まぁね!かわいいの好きだし…」

「入って見るか?」

 彼女は「良いの!」と目を見開いて驚く。何びっくりしてるんだコイツ。

 俺はそれを肯定すると彼女は目をキラキラ輝かせると店の中へと駆け足気味で入っていった。おいおい走るなよ…

 俺も彼女とともに店の中へと。入っていった。



 店の中は宝石などで装飾されていて。全体的にキラキラとした店だった。髪飾り、腕輪やネックレス。女子の身を引き立てるものがたくさんあった。

 店の中を見渡すとどんどんと目がチカチカしてくる。ちょっと苦手かな…それに比べて…

「うわぁ!すっごい!!こんな店の見たことないよ!!!」

 宝石に負けないぐらいに目輝かせているシエラ。元気だな…

 シエラは欲しいおもちゃを買ってもらった子供のように喜び、店内でアクセサリーを見て回っている。

 俺は特に見るものはないのでシエラについていくことにした。

 きょとんとしている俺にシエラは店内のアクセサリーを見せつけてくる。

「これ見てよ!すごく可愛くない!?」

「あ…そうだな…」

 はっきり言ってどうやって答えれば良いのかわからない…

 俺から誘っておいて言うのもなんだが…

 シエラは綺麗に飾るように置かれたいるアクセサリーを手に取ったり、気に入ったものは俺に「見て見て!」と言って見せつけてくる。

 本当にアクセサリーが好きなんだな、と思ってシエラを見る。

「ねぇ…これ、見て…」

 ふと、シエラが真剣で物欲しそうな顔でアクセサリーを見つめていた。

 赤い大きなハート型の飾りが特徴な腕飾りだ。

 彼女は実際にそれをつけて見る。

 とても似合っていて。それを彼女に伝える。

「そう?」

「似合ってると思うぞ…」

「うん、ありがとうね」

 シエラは自分につけている腕飾りのハートを尊いもの見つめるような表情で見つめる。何かこのハート型のアクセサリーに思いいれでもあるのか?

 もしかしたら欲しいのか?と思って「欲しいの?」と聞いてみる。

「うん、正直欲しい…」

「買ってあげても別に良いが…」

「良いの!?」

「まぁ…この値段なら別に大丈夫だからな…どうだ?」

 彼女は「なら、お言葉に甘えて…」といってアクセサリーを手から外して、手に持ち変える。

 今は何時だろうと思ってスマホの時間を確認する。

 液晶には9時10分と書かれている。そろそろ、学校の時間だ。

 俺はシエラにそのことを伝え、レジへと向かう。

 シエラはアクセサリーを買ってもらえたことが嬉しかったのか、上機嫌で鼻歌まで歌っている。喜んでもらって何よりだ。

 アクセサリーを会計を済ましたあと店を出る。

 不意にシエラが話しかけてくる。何やら真剣な表情だ。

「あのね、本当にありがとうね…関係ないことに巻き込んだ上にアクセサリーまで買ってくれて…」

「どういたしまして…まぁ、あれだ…乗りかかった船ってやつだ。ここまできたらお互い様だ」

 シエラはその言葉を聞いたあと少し黙ってしまう。

 なんか俺いったか?と最初は思っていたがそうではなく。なにか考えごとをしているようだ。

 すると、彼女は顔を上げてゆっくりと話し始める。

「あのね、このお礼は絶対にするね。絶対にね!」

 彼女は俺に笑顔を見せながら言った。

「あぁ…期待してるぞ」

 俺も笑顔を見せながらそう言った。






 神谷とアクセサリーを買いに行ったあと、私達はコンビニってところでご飯も買ってから家に帰った。

 神谷は学校に行って、私は留守番を任された。

 私はコンビニで買った、ものを一度机の上に出す。机は透明になっているけど…

 この世界の文明レベルは凄く高いと思う…お店だってあんなにデカかったし…

 だから、弁当の味にも少し期待しちゃう…どれどれ?

 私は弁当のおかずを慣れないけど箸で掴んで食べてみる…

「美味しい!」

 思わず誰もいないのに呟いてしまう。

 誰もいないのにはしゃいじゃうって…私って変な子…

 食事を食べているとさっき買ってもらった腕についているアクセサリーに目が行く。

 そのアクセサリーを見つめる。赤色のハート型の石が部屋の明かりを反射して輝いている。

 これを見るたびに自然と不思議な幸福感に満たされる。やっぱ、かわいいなー

 そして、彼の顔を思い出す。今はいない彼を。

「これをお礼をするためになにか考えなきゃ…」

 一体彼は何が好きなのかな?まだ、会って少しだから分からない…うーん…どうしよう?

 しばらく考えてみたが、わからないと言う結論に至った。仕方ないよ、だって神谷のことあんまり知らないし…

 でも、お礼は絶対にしないと…だから、とりあえず、この世界をいろいろと知る必要があるわね…

 家からはあんまり出るなって言われてるけど…ちょっとぐらい良いよね…。うん!大丈夫だよ、少しぐらいだしね!

 私は弁当を食べたあと、一人で外に出て見ることにした。

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