92話 神の世界
今回はカノー視点です。
「まぁ一応セレンのことを警戒しつつ話すぞラゼフよ。」
「あ、は、はい!!!」
そう言いながら、私は片目でセレンのことを見た。セレンは私のことは見ておらず、ずっとイウの方向を見ていたため、私はラゼフへと話した。
「さてまぁまずこれから話すことは、アピスとパスティは知ってる話で、のちのちまた話すから、大まかに話すとしよう。」
私が過去を話そうとした時、ラゼフが少し唾を飲んだのが、見えたため私は少し笑みを浮かべながら、話し始めた。
「そうこれはわしがまだ神の長になる前の話で、その時はセレンが神の長としていた。そしてお前達がまだ生まれてすらおらん、かなり昔の話だ。
〜回想〜
私は雲の上にある赤色や青色や黄色や白色といった数々の細い線がてっぺんまで描かれてる、カラフルで長細く高い建物のてっぺんの所の中にある、赤い扉の目の前にイウと共にいた。
その頃のイウは奇策に笑う、私が少し苦手な相手だった。
「カノ〜セレンからの呼びかけって何かなぁ?」
「イウ! 近い年だとしても、彼女は一応私達のトップなんだから、呼び捨てはダメよおお!!?
まぁ何かについては私もわからないけれど」
「キャハッごめんって〜少しの悪ふざけじゃ〜ん! 怒らなくてもいいじゃ〜ん!!」
「全く···。まぁあなたの勝手だから、私からはこれ以上何も言えないわ!」
私がイウに少し注意をすると、イウはムスッとした顔で返してきたため、私が投げやりっぽく話を終わらすと、またムスッとした顔でこちらを見ていた。
私達がそう話していると、扉の中からセレンの声が聞こえた。
「イウとカノー。扉の外で話してないで、来たらどうかしら?」
私はその言葉に顔を叩き返事をした。イウは軽めの返事をした。
「はい!」
「はいは〜い!」
私はそんなイウに少し嫌な顔しつつも、イウが扉を開けそうになかったため、私がその扉のノブを回し扉を開けた。
するとそこには私とイウと同様に、セレンに呼ばれたのか、私を慕っていて部隊を組む時は、私とよく組む、リオや妹のリッフィやそのリッフィと仲の良いスッズや、リオ(のちのリオシーである)と恋人関係にあり神でも有名な一族の1つ、シーの一族の唯一の生き残りであるクロシーがいた。
神には色々な族が昔はいたが、セレンと私がそれを統合させるため、あらゆる族をたまに倒したり、説得したりしたため、今では族はいなかった。
そして私とイウはその場にいた皆へと挨拶をした。
「あ〜皆いるじゃ〜んやっほ〜!!」
「クロシーとリオとリッフィとスッズあなた達も呼ばれたのお?」
するとセレン以外の全員から返事が返ってきた。
「あれ? お姉ちゃんもよばれたんだ〜イウちゃんもやっほ〜 そだよおお! 私達も呼ばれたのお! ね? スッズ!」
「あら〜これはイウとカノーさんじゃないですか〜。そうです〜私達も先程呼ばれましたんですわ〜」
「なんだイウもカノー様も呼ばれていたのか、これはなにかあったのかしらね〜 彼方はどう思う? クロシー」
「まぁそう考えるのが正しいな。どうなんだ? セレン様」
そのクロシーの発言により、全員がセレンへと顔を向けた。するとセレンは少しかしこまった顔で話した。
「実はな私はこのトップの座を、カノーで譲ろうと思うのだ。」
「!!!!?」
その場にいた誰もがその言葉に驚愕し、私やリオやリッフィは聞き返し、イウは何故か笑みを浮かべ、スッズとクロシーはみんなを抑えつつもセレンへと聞き返した。
「それはほんとなのか? セレン! なぜ私に!」
「ホントですよ! なぜですか? セレン様!」
「なぜ今この平和なタイミングでお姉ちゃんに変わるの?」
「まぁまぁセレン様にもなにかわけがあるから話したと思われるから、少し聞いてみてもいいのちゃう?」
「スッズの言う通りだ。なんか考えがあっての事だろ? セレン様」
そう全員が話すとセレンはため息を着きながら話した。
「はぁ〜 リオとカノーとリッフィよ。私がそうそう簡単にはこの座を捨てないさ。なぜ捨てるかはな最近この神の中で不穏な動きをしてる者がおるそうでの、私は一応でもこの世界のトップだから、そういうやからは私で探したくての、そしてもしものためにも一応トップを変わっていたくての。だから私が1番信頼をおけるカノーなのだ。だからどうだ? カノー」
「急に言われてもなぁ〜」
私は少し困りながらも、セレンへと返した。だがイウがすぐに私へと話しかけてきた。
「セレンがああいってるんだから、なっちゃいなよおおカノー!」
「イウなぜ君はそんなに軽く言えるんだい?」
軽く話したイウに対し、クロシーがすぐに怪しみ問いかけた。
するとイウはクロシーへと問いかけた。
「私が軽いことはいつものことじゃ〜ん? てかそこに疑ってくるとか、もしやセレンがいってた不穏な動きをしてるって人はクロシーだったり〜?」
「ハハッ俺が? 馬鹿をいうなよイウ。もしそれ以上いったのなら、容赦しんぞ? 」
「キャハッ ジョーダンでいったのに、それにまじになるなんてさらに怪しい〜」
イウがそういいながら、クロシーに指をさしていた。だが私はクロシーがそういうことをしない男だと信じていたため、イウへと話そうとした時、セレンがクロシーへと話しかけた。
「イウあんまりクロシーをからかうな。そしてクロシー私はお前の事は信じてるから、安心せいそして後ほどクロシーの力を貸してほしいから、残ってほしい。頼めるか?」
「大丈夫ですよ。」
「ありがとう。さてカノーまぁすぐには答えが出ないだろう。少し考えていてほしい!」
私はセレンがクロシーに対し、少し笑みを浮かべていたのに怪しい感じがしたが、私はセレンの声に返すほうを優先したかったため、考えるのをやめ、返事をした。
「分かりました。少しの間考えておきます。」
「すまぬなカノー! では話は以上だ。クロシー以外は出ていってくれ。」
「はい!」
「は~い!」
イウ以外がしっかりとした返事をし、イウは軽く返事をすると、扉の外へと出ていった。
そして扉の外へと出た途端、イウは返事もなしに私達から離れていった。それを見たリオ達がわたし私へと話しかけてきた。
「カノー様。イウほんとに怪しくないですか? あのセレン様は何も言ってませんでしたが、なにか怪しくないですか?」
「そうですよ姉様。あのクロシーに対しての言い方、なんか怪しいと思いました。」
「私もそう思うのお〜」
私は3人の言葉を聞いて少し考えてから答えた。
(確かにイウも怪しい。でもさっきのセレンの笑みといい、何か引っかかる...。)
「よし3人はすぐにイウを隠れながら、追ってくれ。私は少し色々と考える。」
「はい!」
そう返事をすると3人は、イウを追いかけていった。
〜回想終了〜
私が続いて過去を話そうとした時だった。
「ふふふっ私や他の皆の昔話かなぁ〜? カノー!!」
そう私は過去話に夢中過ぎてたのか、セレンが私の横に移動していることに気づかなかったのである。
私がそれに驚きながらも、セレンの方を向きセレンに答えようとした時だった。
「何!!!?」
セレンがそう呟いた瞬間、セレンが地面へと飛ばされたのである。そしてセレンの代わりに横に立っていたのは、クロシーだった。
私はそんなクロシーを呼び掛けた。
「クロシー!? 血鬼とイウはどうしたの!?」
「カノー様。血鬼は封印し終え、イウは気絶させてあります。」
「そうリオシーの上に出てる、黒い霧のおかげね!」
「はい。では俺はセレンのとこに行くんで!」
「うむ。」
そう言い残しクロシーは私の前からセレンの元へと急降下をして言った。
それを見た私はラゼフへと告げた。
「すまないラゼフ。話はまた全員が集まった時だ。お主もアピスの所へと行くと良い。」
「あ、はい! 少し話を聞かせていただきありがとうございました!!」
するとラゼフは私に感謝をのべると、やはりアピス達のことが、心配だったのかすぐにそちらへと転移した。
私はそれを確認してから即元血鬼の元へと行くのであった。




