91話 集合
今回は誰の視点でもありません。
ラゼフを含むカノー達はセレンの所へと急接近していて、着くのも時間の問題だった。
「ラゼフよ。あとどのくらいかかるのだ?」
「あと少しです。」
「了とした。」
カノー達が急接近していることを、セレンは少し感じていた。
(何かくるのか? まぁきてもイウや血鬼の戦闘に巻き込んで、ころすようにし向けるがな。 くっくっく)
セレンが企んでいる時、アピスはセレンの様子を見ながら、意識のあるものを集めていた。
「皆生きてるか?」
「か、、辛うじてですがね。」
「シャケとレナ生きてたのかあ! 心配したぞ。」
「あ、アピスさん。心配ありがとうございます。」
シャケはレナの腕を肩に乗せ、片足を引きずりながらも、アピスの元へと近づいていた。
その頃パスティはアピスの後方で、倒れてる人達に声をかけていた。
「ラミア! っと(くそっこんな時に名前分からないのは、嫌なもんやな。)そこの君達も大丈夫かい? 」
パスティが呼びかけていたのは、ラミアとりビーとツクやキュウなどといった他の幹部達だった。だが疲れていたのか、寝ている用だったため、返事はなかった。
(寝ているだけか··。でもこんな時に寝れるとは精神がつぶといのか、それとも···まぁ考えすぎか···)
パスティから考えると、アピスとパスティの横から、ズズズっと何かを引きずる音が聞こえたため、2人は立ち上がり警戒しながら、そちらを向いた。そして2人は驚きの余り剣を落とした。
「イア! ラック! イーフィ! 生きてたのね!」
「無事だったか····。少しホットしたぜ。」
そうそこにいたのは額から冷や汗を流しつつも、イアとイーフィとラックが意識を失っているイセスを、引きずりながら来ていた。
アピスとパスティは即座に4人とこに歩き、近づいた。したら小声でイアが2人へと話した。
「ははは···。すまなかったアピスとパスティ···。イウという奴は強すぎた。私はまだ話す余裕があるが、イーフィとラックは今だ傷を治しつつも、ただここまで来ることしかできなかった·! だからあとは····たのんだ···。」
そしたらイアやイーフィやラックはその場に倒れてしまい、その場で息をしながら、寝てしまったのである。
「イア!? ラック!? イーフィ!?」
「アピス大丈夫だ。3人とも寝てる。しかし少しおかしいなぁ。」
「寝てるのね。良かった···。それでパスティ何処がおかしいの?」
するとパスティは少し間を置いてから、アピスへと話し出した。
「今まで倒れている人を見てきたが、セレンにやられたパスティやシャケはすぐにも、意識を取り戻したのに対し、イアにやられた人は全員寝ている。イセスは炎鬼の力のためか、すぐには起きそうにないが··。」
「···確かに考えてみるとそうね。でもそうなるとなんで私達は起きれたの? 私達もあのイアに恐怖を見せられたのよ?」
「確かにそれもそうなのだ···。だからこそ分からない。もしかしたら別の人が近くにいるのかもしれぬ···。又は誰かがそういう系の隠れ能力者なのかも···。」
そしてアピスとパスティは考えこんでしまった。その様子をセレンが片目で見ていた。
(流石のあの二人ね! でも正体には気づけないでしょうねとうぶんは···。ふふふっ)
アピス達が集合しかけていて、セレンが笑みを浮かべている時、血鬼に飛ばされたラビスはというと、背中を抑えながら倒れていた。
(痛いわね。 でもなんか悲しい感じがした攻撃だったわね···。 エンジェラ····。 あ、そういえばシキは大丈夫かしら?)
ラビスは体を少しずつ前に出しながら、前方向を見ると、そこには苦しみながらも、何とか自分で傷を治そうとしながらもがいてるシキがいた。
それを見たラビスは無理に体をたたせ、少し走りシキの元へと駆け寄ると、シキの近くでこけてしまった。
「え···!? あ、、、ラビスか····」
シキはびっくりしながらも、ラビスに対し呟いた。ラビスは派手にコケてしまったため、恥ずかしさがましたが、すぐに顔をあげ、シキに伝えた。
「恥ずかしからこちらを見ないで、あと傷を私の近くまで来させて、これ以上体が上がりそうにないから、このまま回復してあげるから!」
「お、、、おう。 ありがとう」
するとシキは服をあげ、ラビスの前に背中を見せながら、寝る体勢になった。
ラビスはそのシキの傷が、もう少しズレていたら、シキが死ぬほどの傷だったため、エンジェラのことを思いながら、自分の魔力を手に集中させて回復を始めた。
(まったく···。血鬼みたいになってまで、努力して僅かに傷をずらすとは、やっぱりそれだけ··)
そしてシキは邪魔しないようにしてるのか、黙っていて、ラビスはずっと回復してあげていた。
その頃血鬼とイウはというと、相変わらず周囲に衝撃音を出しながらも、剣をぶつけ合っていた。
「ガハハハハハハハッネバルジャナイカ!!! ナァ? イウよ!」
「キャハハハハ! そりゃあ粘るわよおお! なんせこんな戦い楽しくてやめられないわよぉぉ!!」
そして血鬼とイウが、剣を振り上げまたもぶつけようとした時だった。誰かがその剣を止めたのである。
「全く血鬼の相手がまさかの貴様だったとは。イウ。」
その言葉に血鬼とイウはすぐさま、少し遠くに引くと、2人はその中央にいる人に話しかけた。
「まさかあんたがここに来るなんて珍しいじゃない! 元神で唯一全ての鬼を従えた者。クロシーさん。」
「ヒサシイデハナイカクロシー。ダガワシノタタカイノジャマヲスルトハユルセレンノオ」
するとクロシー立ち上がると、2人に答えた。
「血鬼俺はまたお前を抑えに来た。そしてイウ今回は俺だけじゃないぞ?」
するとその場所全てに重く圧力が上からかかり、空が一瞬で暗くなったのである。
流石のその状況に全ての人が驚いたが、唯一セレンは笑みを浮かべながら、空にいる数人に話しかけた。
「アハハッまさかあんたが外に出るとは、驚きだのお! 現神の中では最上位に近いカノーさんよ!」
「まさか貴様が今回の敵とはの。神全体を裏切ったセレン。」
ただカノー達がいるとこは騒がしかった。
「あいつが敵とは思わなかったわね。スッズ」
「そうじゃのおお。私でさえも驚いたわ〜」
「全く先に飛び出すなんて、相変わらずなんだからクロシーは!!」
「そういってええホントは、喜んでるんじゃないのお? リオシー?」
リオシーはクロシーを見ながら、少し笑みを浮かべ呟いていた。だがそんなリオシーに対し、リッフィがからかった。
そんなリッフィに対し、リオシーが少し言おうとしたが、すぐにカノーがその場にいた全員へと声をかけたため、黙った。
「リッフィはあちらに居る倒れながら、回復してる男女を救いに行け、スッズとリオシーは旧友だろうアピス達の元へとゆけ、わしはクロシー次第で動く。」
「了としました。」
するとリオシーはリッフィに嫌な顔しながらも、スッズとともにアピスの所へと飛び、リッフィはラビスの所へといった。
そしてカノーすぐさまラゼフへと声をかけた。
「ここまでの案内感謝するぞラゼフ。そして私は先程セレンから言われたも通り、今だ神だ。 そして今だセレンはこちらに何もしてこないから、私から色々説明しよう。」
そしてラゼフはカノーから色々聞くのである。




