80話 おかえり ただいま
今回はアピス視点です。
私はパスティと戦い初めてから、パスティが本気を出さないことに、ずっと違和感を感じたまま、パスティへと多種多様な魔法を撃ち続けていた。私はずっとパスティの戦いかたをみてきたから、だいたいのパスティの戦い方は知ってるつもりではある。
パスティは敵と戦う場合は、どんな相手にさえ、最初は一時的に本気で立ち向かってから、敵を見比べてから、そのまま本気でゆくのかを決めるのが、パスティの戦い方である。
私がそんな違和感を感じながら、戦っているとパスティが話しかけてきた。
「何を悩んでるんだ? アピス」
「私が悩んでる? フフッ勘違いじゃないかしら?」
「まぁ悩んでないなら、良いけどね!」
私はパスティのその言葉を聞いた直後だった。ふと右目でレナと戦闘しているシャケを見ると、シャケは疲れからか倒れていて、横を見ながら驚いた顔をしていたので、私もそちらの方向をみると、そこにはエンジェラ達に囲まれながら、イーフィにもたれ掛かっているヒロがいた。
私はそんなヒロの死を目撃しながら、頭の中で考えていた。
(ヒロ····。ごめんなさい。あとであなたをちゃんと···皆とともに空へと送ってあげるからね)
そうして私は悲しみを込めながらも、パスティへと色々な魔法をな撃ち始めた。その時シャケが大きな声で話しかけてきた。
「アピス様! ヒロが死んだのですよ? なんですぐにでも戦えるんですかあ!? 」
私はそんなシャケの言葉に、舌を噛みつつも、シャケへと冷たい言葉で返した。
「シャケ。ヒロは立派に仕事をして、戦って死んだ。それだけだ。他になにもない。お前もしっかり仕事をこなせ」(ごめんなさいねシャケ。私だってホントは今すぐにでも、ヒロの元へと行きたいわ···。でも仕方ないじゃない···。パスティと戦えるのは、今は私しかいないんだから··。)
私がそう話すとパスティは、私のことを目を細めながら見つつも、私の撃つ魔法を剣で、防いでいた。
この時レナがシャケへと笑いながら、話していたが、私とレナは距離が遠かったため、一切聞こえていなかった。そしてそんな私へと、またシャケは話しかけてきた。
「アピス様! それはあなたのホントの気持ちですか? 本当にあなたはそう思ったんですか?」
「そうよ。」(本当は違うわシャケ。でも本当にごめんなさいね...。パスティに本当の私で立ち向かった場合、多分悲しすぎて立てないと思うのよ···。だからこそごめんなさい。)
私はそう頭の中で考えつつも、冷たい言葉で返した。そしたらシャケは立ち上がりながら、私へと冷たい言葉で返してきた。
「そうですか。あなたがそんな人とは思いませんでしたよ。見限りました。」
「···」
私はその言葉に、何も返さないままパスティへと魔法で、剣や槍などを自分の頭上へと出すと、パスティに近寄りながら、指差ししながら頭上の槍などでパスティの剣を割る勢いで、攻撃を仕掛け出した。
パスティも流石だった。私の槍などを剣に触れる数秒前に勢いを消しながら、剣で受け止めていたのだから··。そしてパスティは、私の攻撃を防ぎながらも問いかけてきた。
「良かったのか? シャケにあんな言葉を言って。お前にとって今大事なのは、シャケじゃないのか?」
「···そうよ。でも今ここにいるのは、女として··いえ1人の戦士としてここにいるわ。だからこそ私は、1人の戦士としてあなたを倒すわ。」
「1人の戦士ねぇ··」
パスティはそう言い残すと、私の前から姿を消したのである。そして私はすぐに攻撃をやめ、周囲を見渡していると、私のすぐ背後に剣を突きつけながら、立っているパスティが姿を現したのである。そして私の背後をとったパスティは、私へと話しかけてきた。
「1人の戦士とか女としてとかはいいが、アピス今弱くなってるぞ?」
「フフッ私の背後をとっただけで強がり? あなたこそ少し調子にでも乗ってるんじゃない?パスティ」
私がそう前を向きながら言葉を返すと、パスティは剣を突きつけるのをやめたため、私はすぐにパスティへと遠ざかると話しかけた。
「どういうつもりかしら? 私を殺せたのになぜやめたのかしら?」
「やっぱり強がるとことかは変わらないなアピス」
「え··?」
私はそう呟きながら、パスティの顔を見ると、昔のような笑みを浮かべ私へと、話しかけてきたのである。
私はそれに少し驚いていると、パスティは剣を腰にしまい私へと話しかけてきた。
「まぁレナはもうそろそろ終わった事だし、そろそろ種明かしでもするかな。」
「種明かし? おふざけのつもりかしら?パスティ」
私はそう警戒してパスティへと問いかけつつも、先程までレナとシャケが戦っていたとこを見ると、2人は抱き合っていた。
私はそれにまた驚いていた、次の瞬間さらに驚きな事が、パスティの口から飛び出したのである。
「はぁ〜まだ気づかんか。まぁ仕方ないか。実はなアピス、うちは闇落ちとか魔人化とかは一切してないんだ。」
「え·····? ええええええええええぇぇ!!!?」
私がかなりの声で、驚きの声を上げると、パスティはその場に座り、語りだした。
「これはだいぶ前の事だがな。」
〜回想〜
俺はレナとの1対1の決闘に向かうため、指定された所まで、すぐに転移をした。
そして俺がついて、目の前をみるとレナとレナの横にフードを深く被った、のちのあの方が立っていた。
俺はすぐ無言のまま警戒をすると、レナがあの方へと話しかけた。
「それで? 呼び出してきたはきたけど、私はどうすればよいのかなあ? フフフッ」
「そうだな。とにかく痛み付けるだけでいい。」
「はああぁぁあい!!」
レナの言葉にあの方は、俺でも恐怖を感じるほどの冷たい言葉で、レナへと話しかけた。そしてレナは返事をすると、俺へと武器を構えながら詰め寄り、俺とレナは戦い始めた。
〜回想終了〜
「あとはアピスの知ってる通り、レナの魔法で闇落ち仕掛けていたのを、アピスの魔法で結晶かされ、俺とレナは結晶に閉じ込められた。
「そうよ。でもその結晶を解いたのは、そのあの方なんでしょ?」
私はパスティの話を聞いてる時に、休憩のために座りながら、聞いていた。パスティもそれに気づいたのか、安心して話を続けた。
「アピスの予測通りだ。そうこれはラミアが闇落ちする少し前のことだ。」
〜回想〜
俺とレナが入った結晶はあの方に、運ばれてずっとエンジェラ達が通っていた学校の、秘密の倉庫のような所に隠されていた。
そしてある時だった。俺とレナは結晶からあの方の魔法により解放されて、俺とレナは床へと倒れ込んだ。
その時は俺はレナの魔法のせいか、体の半分が闇落ち、半分はまだ闇落ちしてないという半端な状態だった。レナは結晶の中にいた時間がまいり長かったせいか、上手く立てずに倒れていた。
そんな俺とレナの様子を見ていたあの方は、殺気をだしつつもある言葉を呟いた。
「実験として使うかな」
するとあの方は俺の手に触れると、体を一瞬で黒い液体へと変え、その液体をあの方は、ラミアの足元付近へと置いた。そしてそれをラミアは踏んでしまい、ラミアは闇落ちした。
〜回想終了〜
「というわけで、レナの魔法で闇落ちした半分を、ラミアが持っていったわけだ。」
「ふむ···。ん? でもちょっと待って? ならラミアはどうやってハクラの体に、あなたを移せたの? ラミアはあなたの半分の闇落ちした部分だけで、闇落ちしたのなら、あなたを完全に移すことは出来ないはずよね?」
私がそうパスティへと問いかけると、パスティは何かを思い出したかのような素振りを見せると、ある言葉を呟いた。
「ハクラもう出てきて大丈夫だぞ。」
パスティがそう呟いたその時だった。パスティ?だったのが、髪が茶髪から黒髪へと変化し、どんどんとハクラへと戻りだしたのである。
それに私が呆気をとられていた時だった。
完全にハクラへと戻ったのが、話しかけてきたのである。
「た、たしかアピスさんでしたよね··? パスティさんとの話を先程まで聞いていたので、答えられますが、僕とパスティさんは僕が7割、パスティさんが3割の状態でこの体の中に一緒にいるんです。なのでラミアさんの体にあった、元パスティさんの半分の闇落ちの主体のとこで、パスティさんは僕の体で、僕と共存できるようにしてくれたんです。まぁここまではレナさんなどに、バレないためにも、パスティさんがずっと僕は隠れるように言われたんですけどね··アハハ」
そう話したハクラはすぐに、パスティへとまた姿を変わり、またパスティが話しかけてきた。私はそのあまりのことに聞くしか出来なかった。
「まぁあのおしゃべり君の話した通りだアピス。だいたいわかったかな?」
すると私はただ何も考えず、パスティを抱きしめにいった。さすがの行動にパスティは困惑して、私へと話しかけた。
「アピス? おいおいとうしたんだ?」
「相変わらずあなたは本当に、私を驚かせておいて、私の側に戻ってきてくれる···。やっぱりあなたはホントに私の愛せる人だわ···。」
私は泣きながらもパスティへと話しかけた。するとパスティは私の髪を撫でながら、優しく言葉をかけてきてくれた。
「相変わらずの泣き虫だなアピス。でもやっぱりそこがいい。心配かけたなアピス」
「ううん··。あなたを必ず戻ってきてくれると信じてた。だから私はあなたを戻したかったの··。でも闇落ちしてなくて良かった··」
そして私は軽く泣きながらも、パスティへと笑みを浮かべつつ、ある言葉を告げた。
「おかえり!パスティ」
「あぁただいま!アピス」
そして私とパスティ(ハクラ)ので戦い?は終え、その場での戦いは終焉を迎えるのであった。
そしてせ·ま·り·く·る悲劇を誰もがその時には、分かりうることさえも出来ないのであった。
4章はこれにて完結です!




