76話 怒りと書いて本気
今回はシャケ視点です。
私はずっとレナとともに、笑顔になりながら、お互いに傷を負いながらも斬りあっていた。
「あはははははははっまさかあんたもこんなに殺し合いが好きだったとは思わなかったわよおおぉぉ!!!シャケええぇぇ!!!」
「仕方ないでしょお? あなたを倒すために磨いてきたのですからねえ! ハハハッ」
そこには冷静な俺はいなく、ただレナを倒すことしか考えてない、他の人から見たら、エンジェラやラミアなどの鬼のようだったのかもしれない。
そして私とレナはお互いの片足が斬られても、斬り合いをやめず、ただどんなに斬ろうとも、どんなに剣を交えようともレナの黒くなった状態は変わりなかった。ただレナの剣からはなぜだか寂しいという思いと、怒りの感情が伝わっては来ていた。
そしてある時だった。さすがのレナもスタミナ切れになったのか地面へと自ら倒れてしまった。
そしてそんな私もさすがに立ってることさえも、出来ず倒れてしまった。
そして私が倒れたその時だった。私の目線の先でヒロがマメという男に刺されたのである。
その時私はやっと冷静さを取り戻すと、すぐに伝えようとアピスの方向を見ると、アピスは立ったまま、パスティとともにそんなヒロの方向を見ながら、固まっていたがすぐに戦いを始めた。
だが私はそんなアピスに、少し憤りを感じたため、アピスへと問いかけた。
「アピス様! ヒロが死んだのですよ? なんですぐにでも戦えるんですかあ!? 」
するとアピスは私の顔の方向を向かなず、パスティと刃を交えながら、冷たい言葉で答えてきた。
「シャケ。ヒロは立派に仕事をして、戦って死んだ。それだけだ。他になにもない。お前もしっかり仕事をこなせ。」
「そうよぉぉおお!! アピスさーまーはよくわかってるみたいねえぇぇ! ふふふっ」
アピスの言葉に、いつの間にか倒れた状態から、座った状態になったレナが笑いながら話しかけてきた。
私はそんなレナへと無言で睨み返すと、アピスへとまた問いかけた。
「アピス様! それはあなたのホントの気持ちですか? 本当にあなたはそう思ったんですか?」
「そうよ。」
「あははははははは! 面白おおおぉ!!」
アピスは私の問いに、冷たい言葉で返事をし、レナはそんな俺とアピスのことを、見ながらゲラゲラと笑っていた。
そして俺はそんなアピスへと言葉を告げると、力を振り絞り立ち上がった。
「そうですか。あなたがそんな人とは思いませんでしたよ。見限りました。」
「あら? もうやるのかしらあ? ふふふっいいわよおおお! 私も準備オーケーだしね!」
俺が告げた瞬間、アピスは少し悲しい顔をした。そしてレナでさえ一瞬悲しい顔を見せたが、すぐレナは俺へと笑いながら、話しかけてきた。
俺はそんなレナへと冷たい言葉で話しかけた。
「俺は今とっても気分が悪いんですよ。だからあなたをいたぶらせていただきますよ。どうか苦しんでくださいね。」
俺がそう話すと、俺の無くなってた足は緑の光に包まれたと思いきや、そこから草花が足を構成していき、全ての傷の所も小さな草花が、覆い治していき、頭上には天使の輪のような草花でできた輪が現れ。そして手に握っていた白い刀は砕け散り、代わりに草花でできた刀が、そこに現れた。俺のそんな様子を見ていたレナは笑いながら話しかけてきた。
「あはははっ何よその格好! 草花なんて弱そうなもの装備してさ! そんな弱いものこの私が、切り裂いてあ·げ·る☆」
するとレナは片足で地面の小石が飛ぶほどの勢いで蹴ると、俺へと長剣を前へだしながら、飛んできた。
だが次の瞬間、レナは驚愕の顔をして、空飛ぶ長剣を無視しながら、俺を凝視した。
レナの長剣はたしかに俺へと当たったが、俺の草花達が防ぎ、なおかつ長剣の勢いを消し、その勢いをそのまま長剣を伝い、レナへと返したのである。
俺は飛んでいるレナを見ながら答えた。
「言ったでしょ? あなたをいたぶるって!」
その言葉を告げた瞬間、レナの元へと草花達でできた何億との刃が、レナへと迫るのである。
レナはさすがに防御の体制をとったが、防ぐこともできず、レナの体は無残にも所々を切り裂かれるのであった。




